自然体であることを大切に~LBGT資産形成ライフコーチ 藤井里美さん~

Last Updated on 更新日2019.4.28 by 44@jyuku

今回のインタビューは、志師塾卒業生の藤井里美(ふじいさとみ)さんです。
藤井さんは、LGBT資産形成ライフコーチという肩書で、資産形成や運用のサポートと、コーチングによりお客様の様々な悩みを解決し、自己実現をサポートされています。個別相談に加え、セミナー講師やラジオにも出演され、ご活躍されています。お客様としてLGBT(性的マイノリティ)の方も対象にされていますので、どのような事業をされようとしているのか、合わせて、志師塾を受講された経緯や、得られたことについてお聴きしました。

今のお仕事について

―LBGT資産形成ライフコーチという肩書ですが、どのようなお仕事をされていますか。

資産形成や資産運用のサポートをするとともに、コーチングによりお客様の様々な悩みを解決するライフコーチをしています。
もともと10年以上前からコーチングの仕事をしていました。それに加えて資産形成や資産運用の勉強をし、自分でも様々な商品を試して、お金に困っていたり、悩んでいるお客様に、商品の情報や手法を提供します。
セミナーや個別相談で資産形成や運用のサポートを行い、終了した後もコーチングによりお金以外の様々な人生の悩みをお聞きして、継続的な関係を築き、長いお付き合いをさせていただきます。おひとりお一人が生まれもった個性や才能を、より発揮していただくために「バイオリズム分析」も行っており、お客様に合わせた様々なかたちでサポートをさせていただいております。
お客様それぞれが、その方らしく自然体で生きていくためのお手伝いをさせていただけることが、とても嬉しくやりがいも感じています。

-肩書にLGBT(性的マイノリティ)をつけられているのはなぜですか。

この肩書きは、志師塾のキラーコンテンツセミナーを受講している中で生まれました。講座の中で自分自身の棚卸や深堀りをし、できること、やりたいことなどを沢山書き出して、受講者同士でシェアしました。仕事としてやろうとしている資産形成や運用のサポートは、既にアドバイザーなど世の中にたくさんいます。私にしかできないことは何か、私がお役に立ちたいお客様はどういう方なのかを考えて、もともと自分で考えていたLGBTの方々へのサポートも対象に入れて、肩書きに加えました。

-LGBT(性的マイノリティ)の方とは、どのような関わりがありましたか。

高校時代の親友がある日突然カミングアウトしてくれたことがキッカケです。当時はLGBTという言葉は浸透していなかったのですが、とにかく大切な親友のために何かできることはないか?役に立ちたい一心で相談にのったり、一緒に行動をしてきました。今でももちろん親友なのですが、彼女のおかげでLGBTの友人もたくさん出来ました。
LGBTの方も年齢を重ねるごとにご相談の内容も変わってきています。現在、日本ではLGBT同士の結婚は認められていませんが、同棲したり、生活環境が変わると、悩みも変わってきます。その中でも、やはりお金の悩みが多く、将来的に相続をどのようにしていくかなど、制度上、解決が難しいこともあります。
そこで海外の仕組みを使うと、血縁関係がない同棲カップルでも資産の継承が可能になることがあります。日本では制度が整っていなかったり、まだまだ知られていないことが多く、もっと伝えていきたいと思っています。
LGBTの方は十人に一人ぐらいいると言われています。カミングアウトしていない方も多く、周囲に気がつかれず普通に生活されています。ただ特定のコミュニティに行くとLGBTの方が多くいらっしゃいます。毎年、代々木公園で開かれるレインボープライドというイベントの規模が、今年は過去最大となり話題になりました。
大手企業もLGBTの方へ様々な配慮をするようになり、今後、法律や制度なども整えられていくと思います。

-なぜ資産形成のサポートやコーチをやろうとしたのですか。

大学を卒業して就職したスポーツクラブを運営する会社で、現場のフロントのリーダーをしていました。その後、物販・飲食の統括となり、スタッフとともに売上改善し、会社から年間MVPで表彰されるなど、やりがいのある仕事でした。
27歳のころに本社へ異動することになったのですが、会社以外での新しい可能性も探し始めており、思い切って会社を辞めました。ただ、具体的に次の行動を決めて辞めたわけではなかったので、現実にやりたいことが見いだせず、次に進めなくなってしまいました。
1年間ほぼ引きこもりの生活を送ってしまったのですが、そんな中でたまたま見つけたセミナーで、コーチを紹介されてコーチングを受けることになりました。なんとなく受けたコーチングだったのですが、約30分の間で、単純に聞かれた質問に答えるだけで自分のやりたいことを見出すことができたんです。
よし、明日から動こう!と火がつきました。自分のやりたいことや、想いを引き出してもらったのだと思います。職を探すのと同時に、自分でもコーチングのスキルが使えるようになりたいと感じ、コーチ養成講座を申し込みました。
その後、さまざまな職業や立場の方々とセッションさせていただいたり、コーチングのツールを開発するメルマガも発行してきました。また、28歳でビジネス書も出版させていただきました。ところが、30歳を過ぎて色々なことが重なり離婚や病気・手術を経験し、出費が重なるようになりました。将来や老後に不安を感じるようになり、そのため資産形成や運用について勉強しました。セミナーや勉強会に参加して知識や手法を学びました。

志師塾について

―志師塾に参加されたきっかけを教えてください。

前職で、法律関係の士業のコンサルタント事務所に10年間程おりました。そこで多くの士業の方と知り合う機会があり、志師塾の五十嵐さんも存じ上げていました。当時は独立することは考えていませんでしたので、個別にお会いすることはありませんでしたが、今年になって、五十嵐さんのメルマガを読んでいて、一通のメルマガにすごい衝撃を受けました!
自己紹介を用意しておけばどんな場所でも通用するといった内容をかみ砕いたもので、ノウハウが出し惜しみなく書かれていました。そのメルマガを活かして、私のこれまでの体験や、事業のアイデアを書いて自己紹介を作ってみたら、結果的に30ページ程の冊子が出来上がってしまったんです。
これはすごいと思いました。ちょうどその時、起業を考えていたので、こんな濃い内容のメルマガを書かれている五十嵐さんに直接お会いしてみたいと思い、志師塾キラーコンテンツの体験セミナーを受けて、受講を即決しました。

―志師塾に通われて得られたことはありますか。

たくさんあります。
まず、仲間ができたことです。大人になって、仕事などで知り合いはたくさんできますが、学生時代のように友達はなかなかできません。志師塾3ヵ月間の受講期間、子供時代からの自分を棚卸し、受講者同士で発表しあって自分をさらけ出します。職業も年代も性別も違いますが、相手を深く理解することで、短期間でも濃い関係ができるのだなと感動しました。受講者は20人ほどで、今でも仲良くさせていただいています。
仲間同士では、お仕事や人脈の紹介が生まれることもあります。紹介するにはお互いのことを知って信頼していないと紹介できませんが、そのような関係性を築ける方々と知り合えたことがとても嬉しかったです。
また、受講する前は、起業したいという思いはあったのですが、どっちつかずでした。講座に参加して具体的に行動をする中で、起業してやっていく覚悟ができましたし、自信もつきました。その上、LGBT資産形成ライフコーチという肩書を得ることができました。

―卒業されてどのような成果や活動につながっていますか

Rainbowtown FMのラジオに出演させていただいています。志師塾で開催されたラジオパーソナリティ兼プロデューサーの松本哲浩さんの「ラジオの効果的な活用セミナー」に参加しました。当時、LGBT資産形成ライフコーチの名刺ができたばかりで、ご挨拶したら、LGBTと資産形成の組み合わせに興味を示していただきました。事業についてお話しさせていただいている中で、ラジオに出演することが決まりました。ラジオでは、資産運用のお役立ち情報や、一般に「海外投資って大丈夫なの?」と思われていることについてメリットやデメリットについてお伝えさせていただいています。公共放送でのFMラジオに出演していることでブランディングにつながる貴重な機会をいただきました。

今後について

―今後のビジョンについてお聞かせください

そもそもお金の悩みがあると、やりたいことを我慢したり、夢があってもあきらめたり、やりたくない仕事を続けざるを得ない方が多いと思います。そのような方々に対して力になりたいという想いがあります。効果的な資産形成や資産運用をしていけば、我慢していたことができるようになったり、自己実現ができるようになります。人生お金がすべてではありませんが、お金の悩みが減るだけで気持ちや行動が軽くなる方はとても多いと思うんです。
あと、食に関することが大好きなので、パンやコーヒーをいただきながら気軽に相談できる空間を運営したいと思っています。本格的なカフェというわけではありませんが、いつでも相談に来ていただき、資産形成でも人生の相談でも、やりたいことでもなんでも話していただける場です。カフェでパンやベーグルを提供するように、解決策をご提供することができればと思います。自分で全部できるわけではないので、できないことは仲間を紹介します。
長女なので小さいときから頼られ慣れていて、またそれが嬉しいんだと思います。ちょっと裏の肩書になるのですが、「LGBT MAMA」という肩書もあってスナックのママ的な?チーママ的な?存在もいいなあと(笑)。なんでも相談でき、頼られる「チーママ」です。
また、「LGBT」はそのままの意味も含みますが、加えて、【LG】でLife-plan Growing-up、【BT】でBarrier-free To livertyという意味合いも含めて考えています。いろいろな垣根やバリアを取っ払って、その方らしく自然体で生きていくための人生設計のお手伝いをしたいという意味です。
これからも「自然体である」ことを大切にし、「自然体でいられる場所」をご提供したいと思います。

―藤井里美さん、本日はありがとうございました。

取材を終えて

人は生きていく上で、様々な困難や悩みに直面します。そのような時に、藤井さんのような頼れる存在が身近にいると心強いと感じました。
これまで様々な困難を乗り越えてこられた藤井さんだからこそ、自然体であることを大切にしているという言葉が重く聞こえました。人が自然体であるためには、悩みを解決するサポートが必要です。その上で、主体的に行動することを実現するコーチングによって、困難に立ち向かって、前を向いて、歩みを進めることができるようになる、まさに藤井さんがこれまでご経験されてきたことなのではないかと思います。
LGBTの方々は自然体であることを実現するために、障害や困難があるのかもしれません。LGBTの方々に対する資産形成のサポートや、自発的に困難に立ち向かっていくためのコーチングは、そんな藤井さんだからこそできるのであって、LBGT資産形成ライフコーチという肩書も、藤井さんならではの組み合わなのではと感じました。

文:高橋 慎一朗(中小企業診断士)/ 編集:志師塾「ビジネス百科」編集部

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