コンサルタントの営業はプロセス重視で進めましょう

Last Updated on 更新日2019.10.29 by

みなさんは、営業活動に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?一口に“営業ノウハウ”と言ってもその範囲は幅広く、世の中には特別なクロージング方法や日々のトレーニング法など、非常にたくさんのノウハウがあふれています。その中でも今回は、コンサルタントの営業活動において最も基本的な活動について5つのステップに分けてお伝えします。本日お伝えするステップ式営業活動は、集客セミナーのブラッシュアップと同じくらい大切な内容です。そのことを理解したうえで、読むだけに終わらせず、すぐに活動に取り入れ、成果を手にしてください。

営業とはなにかを理解しましょう

コンサルタントにとって営業とは、顧客の問題解決のお手伝いをすることです。自身の持つノウハウやスキルが顧客の問題解決に役立ち、提供価値があると考えられるのであれば、顧客の身になって考え、解決方法を提案することが、コンサルタントの本業です。
逆に、顧客が抱える問題が、あなたの持つノウハウやネットワークを活用しても解決できないものであるならば、見込み客であっても、きちんと説明をし、お断りすることが重要です。

顧客は、そのようなコンサルタントを信用し、見込み客を紹介したり、解決できそうな問題を持ち出してくれたりします。そして、顧客とコンサルタントの良好な関係性を維持することができ、将来的にあなたの顧客となってくれるはずです。売り手であるコンサルタントの都合だけを考えるのではなく、買い手である顧客を第一に考え、地域社会に貢献することを重要と考える。
これは、まさに近江商人の考え方である”三方よし“の経営精神です。

営業プロセスの重要性を理解しましょう

営業活動と聞くと、夜討ち朝駆けで顧客を訪問し、顧客に煙たがられても押しまくる押し売り営業や、商談先で粘り、時には泣き落としに出るといった根性論の営業を想像するかもしれません。しかし、今の世の中でそのような営業活動を続けている業界は、ほとんどないのではないでしょうか。
現在の営業の主流は、コンサルタントにとって必須の“ソリューション型営業”になっています。ソリューション型営業とは、顧客の問題解決に必要な商品やサービスを提案し、導入のお手伝いをすることです。

コンサルタントの営業活動は、メーカーが工場で製品を製造する行為と同様に、あらかじめ正しい生産工程を設計し、実行、検証、見直しを行うことで活動全体をブラッシュアップしていきます。つまり、PDCAサイクルを回し続けることが非常に重要です。

コンサルタントの営業プロセスは、以下のように大きく5つのステップに分けて設計をしましょう。
step1 事前準備→ 面談に備えて必要な準備を行う
step2 アプローチ→ 面談の次の段階であるヒアリングのステップへと顧客をスムーズに導く
step3 ヒアリング→ 顧客の問題を把握し、ニーズを明らかにしたうえで、それらを阻害する要因を分析する
step4 プレゼンテーション→ ヒアリング段階で共有した顧客のニーズを満たすための課題解決案を示し、サービス導入を検討する

あなたの提案内容を受け入れサービスを導入するのか、または、提案内容をブラッシュアップし再提案する必要性があるのかなどを決定します。

step5 クロージング→ 提示した解決策についての評価を顧客と一緒に決定する

それでは、順次、活動のステップに応じて注意すべき点を検討してみましょう。

事前準備は入念に

集客セミナーなどを通じて顧客とのアポイントが取れたら、まずはその顧客に関する情報収集を行います。情報収集により顧客のニーズについて仮説を立てます。その手順は、顧客のビジネスの全体像について調べ、どのような市場のどのようなニーズをターゲットとしているのか?それに対してどのようなサービスを、どのような方法で提供しているのか?と進めていき、いわゆる顧客のドメインを理解します。

次にビジネスが成長段階のどのあたりに位置するのか?もし問題があるとしたらどのようなことが考えられるのか?取引先、競合や新規参入、市場のトレンドなどを切り口に検討します。そして、面談当日のシミュレーションを行い、複数のシナリオを頭に描き、不足している準備があれば追加で用意します。

続くアプローチのゴールは、次のステップであるヒアリングのための面談に持ち込むことです。再度面談をするためのきっかけを準備します。例えば、「詳しい情報や資料をお届けします」といったことや、「その件に関して詳しい知人を紹介する」といったものです。

コンサルタントだからこそ注意したいアプローチ

アプローチのステップで最も重要なことは、見込み客との信頼関係を構築することです。そして、あなたがいかに顧客のことを考え、問題解決の役に立つソリューションの提案と提供ができるのかということを、理解させることです。

そのためにはまず、顧客の警戒心を取り除くことが重要です。自己開示をきっかけに会話のキャッチボールをスタートさせましょう。そして相手に興味・関心を持ち、好意を示します。そうすることで“返報性の法則”と呼ばれる心理が働き、自然と信頼感が生まれます。共通の知人や趣味、経歴などを見つけ共感を獲得できれば、その後のステップに進めやすくなります。
続いて、警戒心を取り除くことができたら、自身の能力や自身に関する外部からの評価などを示します。そして、自分がいかに相手の役に立ち、長期的な関係を構築したいと考えているかについて伝えましょう。このとき押し売りにならないよう、相手の反応を見つつ会話を進めます。

 

コンサルタントの本業であるヒアリング

ヒアリングのステップで最も重要なことは、効果的なプレゼンテーションを展開するために必要な情報を抜け漏れなく収集することです。
例えば、顧客が描く理想の姿を阻害している問題点や考えられるすべての原因を明らかにします。そして、解決すべき問題の重要度や優先順位、解決した場合のインパクトを共有します。最後に解決のために準備できる予算やキーマン、その他の制約事項を確認します。

ヒアリングの最終段階では、次のステップであるプレゼンテーションをよいゴールに到達させるために必要な参加者は誰か?そのためには、いつ、どこで、どのような形式で行うのがベストなのかを確認します。
ここまでの内容をきちんと確認し、顧客との合意形成できていれば、次のプレゼンテーションは成功したといっても過言ではありません。

そしてプレゼンテーション

プレゼンテーションのステップで最も重要なことは、事前に十分に検討した計画通りに実行することです。
プレゼンテーションは、単なるサービスの特徴を紹介する場ではありません。顧客の問題を解決し、理想の姿に導くことです。したがって、サービスの優位性を訴求する事に終始するのではなく、そのサービスを導入することにより解決される問題点や、もたらされる理想の姿について共有することが重要です。
プレゼンテーションが計画通りに進み、解決策についての合意が形成されたことを確認したら、ここでようやく価格を提示します。その上で、キーマンに対してして懸念点や不満、誤解がないかを確認します。もしクロージングを阻害するような要素があれば、この段階で全て解決しておきましょう。

すべての始まりとなるクロージング

いよいよクロージングです。クロージングは、営業活動の最終段階ですが、決してビジネスの最後ではないという点を忘れずに臨みましょう。
なぜなら、たとえ望まぬ結果になったとしても、そこからまた新しい提案のスタートになり、お互いに貴重な時間や労力を費やして最終段階まで到達した感謝が必要だからです。また、別の見込み客を紹介してもらうきっかけをもらえる可能性もあります。

クロージングにはいくつかのテクニックがあります。ひとつめは、決断を迫った後に沈黙を作ることです。顧客に対して、最後の検討の時間を与えることで正しい決断に導くことが可能になります。また、あらかじめ解決策をふたつ準備しておき、どちらのプランを選ぶか?もし、実行するとするならいつ頃か?と言った時期を確認する方法で仮クロージングを行います。クロージングの最終段階では、次のステップに向けて顧客がすべき行動を洗い出し、依頼・確認を行い終了します。

まとめ

以上、コンサルタントとして営業活動にはプロセスが重要であること。それぞれのステップで留意すべき点について紹介してきました。成約のイメージはつかめましたでしょうか。「効果的な準備ができていれば、今後の集客セミナーの効果を最大限にできる」と感じて頂ければ幸いです。

文:山本哲也(中小企業診断士)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部

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