名刺の肩書きをどのように決めていますか?
一般的には、役職や資格名が入る名刺をよく見ますよね。ほんの十数文字の肩書きですが、この肩書きを工夫するだけで相手に与える印象が変わるとしたらどうでしょうか?少しの工夫で、お客様に与える影響は確実に変わります。ここで少しご紹介します。
- 話声ボイストレーナー
- 女性向け通販コンサルタント
- 36歳からの起業プロデューサー
⇒名刺の肩書き例一覧はコチラ
いかがでしょうか?少しの違いで、相手に与える印象は大きく変わってくるのがご理解いただけたと思います。本記事では、資格取得者の現状・悩みと実際の事例をご紹介したうえで、どのようにすれば上記のような肩書きを考えることができるのかお伝えさせていただきます。
名刺の肩書きに資格はどう役立つ?
名刺を作成したことがある方は、なんとなくイメージできるかと思いますが、名刺の肩書きの欄に何を入れればいいのか悩んだ経験はありませんか?
- 資格名称
- 役職
- 部署名
ごく一般的には、上記のような内容が記載されていると思います。特に、独立されている方や個人事業主の方々は『資格名称』が記載されているのをよく見かけます。そのため、『資格名称』が記載されている名刺が『普通』という認識があるように感じています。
「資格をとれば、○○さんのようになれる!」
「資格をとれば仕事がもらえる!」
「この資格をとれば名刺の肩書きにのせられる!」
と思っている方が多いように思います。私もそう思っていました。しかし、これからご紹介する社長の話を聞いてとても驚きました。
資格を持っているだけでは仕事がこない?
ある社長の話です。これまでの自己投資を通じてさまざまな資格を取得してきたそうです。
- 中小企業診断士
- MBA
- システムアナリスト
- 日本チームビルディング協会 認定ファシリテーター
- 全米NLP協会認定プラクティショナー
- LABプロファイルプラクティショナー
- 一級販売士
- ソフトウェア開発技術者
- 初級システムアドミニストレータ
どれも名刺の肩書きによくあるような資格名ですね。
さて、これらの資格を見てどのように感じたでしょうか?
「なんか凄そう!!!」
と感じた方もいるかもしれませんが、多くの方は次のように思ったのではないでしょうか?
「たくさん資格は持っているようだけど、それで何ができるんですか?」
資格を多く取得している方のほとんどが、それを武器として使えていないのが現状です。
わかっていても資格を取ってしまう
このような現状をわかっていながらも、資格取得に走る人があとを絶ちません。その資格を取ったら、名刺に肩書きとして記載することができたり、何かとてつもないことができるような予感がしたりするのです。それは、資格を取得するときに「この資格はスゴイ!」と教えられるからです。ご紹介している社長も「中小企業診断士を取れば、あなたの世界は変わります!!!」と言われたそうです。働きながらも、中小企業診断士を2年頑張って取得。そして、資格を武器にして見込み客のところ行ってみると…
「中小企業診断士ですか?それがどうされましたか?」
と言われたそうです。
資格取得はスタートライン
「資格だけでは仕事にならない…」
この経験から、徐々にそのことに気付き始めたそうです。もちろん、独占業務がある場合には資格は必要です。それがなければ、違法になってしますのです。しかし、資格を取っただけでは、スタートラインに立っただけです。その資格をどのように活かしていけばいいか、そこを考えることが重要です。名刺の肩書きに資格名を記載するということは、それだけの責任もあります。そのため、資格ではない『選ばれる理由』を作りこむことが大切だということです。にもかかわらず、多くの人が資格依存になっているように感じます。
先ほどもお伝えしましたが、「資格があれば大丈夫!」、「名刺の肩書きにこの資格名を載せたい!」と思っている方が多いのです。繰り返しになりますが、資格は入口にしかすぎません。それを『どう活かすか』の方が重要です。
資格をとってもやりたいことが分からない?
また、資格を取れば取るほど、結局自分が何者なのか?わかりにくくなっていく人もいるそうです。もしかすると、色々な資格が記載してある名刺を受け取ったことがある方もいらっしゃるかと思います。ここで、資格をたくさん持っていた方の話をご紹介します。
この方は、50個以上の資格を取得しているにもかかわらず「私は、なにがやりたいんだろう…?」と悩んでいたそうです。結局その方は、資格には全く関係ないことをビジネスにしたそうです。「なんのために頑張って資格を取ったんだろう…」と言っていた言葉がとても印象的でした。
資格は本当に役に立たないのか?
では、資格は全く役に立たないのかでしょうか?名刺の肩書きに、資格名を記載してあるだけでは意味がないモノになってしまうのでしょうか?
いえ、決してそんなことはありません。『信頼証明』として、資格を活用することができます。ここでもう一人、不動産鑑定士の資格を持っている方をご紹介します。(※不動産鑑定士は、弁護士、会計士とならぶ、三大国家資格です。)
この方が何をしているかというと、不動産投資コミュニティを主催しています。このようなコミュニティビジネスを主催するためは、不動産鑑定士が<>必要なわけではありません。にもかかわらず、『不動産鑑定士』という資格を全面に出すことで、お客様からすると安心感を与えられていると考えられます。
資格は信頼の証でもある
このような事例のように、資格を上手く使って成功するためには、そもそものビジネスモデルや選ばれる理由をしっかりと考えておくことが大前提となります。そもそもの価値がないと、信頼証明どころの話ではないためです。資格を取得するめに、ご自身のビジネスモデルについて先に考えてみてください。その結果、必要な資格が分かってきますし、肩書きにも想いがしっかり込められることは間違いありません。
名刺の肩書きに資格を書いてはダメ?
ここまで、名刺の肩書きに『資格名称』を記載していいのかどうかではなく、『資格』そのものの役割と使い方についてお伝えしてきました。では、名刺の肩書きの欄に『資格名称』を記載していいのかどうかについてお伝えしていこうと思います。
もったいない名刺の肩書きとは?
名刺を持っている方はみなさん、名刺には肩書きが記載されていると思います。(中には、記載していない方もいらっしゃいます。)ただ、独立されている方や個人事業主の方々のほとんどが、『もったいない』名刺の肩書きをお持ちです。もしかして、次のようになっていませんか?
- ○○会社代表取締役
- 経営コンサルタント
- ○○認定コーチ
- ○○協会認定カウンセラー
- 行政書士
なにが『もったいない』のか?
これらは、全てもったいない肩書きです。「え?これ普通でしょう?よく名刺の肩書きに見るけど?」と思われた方も多いと思います。では、どこがもったいないのでしょうか?その理由は次の2つです。
- あなたの価値が伝わっていない
- ライバルとの違いが分からない
名刺は、資格名だけでは価値が伝わらない
例えば、『○○認定コーチ』というもので考えてみましょう。この『○○認定コーチ』は、他にも認定資格を取得した人がいると思います。これこそ、名刺によく見る肩書きではないでしょうか。そう考えると、この『○○認定コーチ』という情報だけでは、ライバルの違いが全く分かりませんよね?また、そもそも『コーチ』と言われても、実は多くの人が何をやってくれるのか知らないのです。
他にも、先生業をされている方も同じです。上記の認定コーチと同様、名刺の肩書きにただ資格名だけを記載しているだけでは、ライバルとの違いが分かりません。しかも、行政書士や社会保険労務士といった資格は、名刺を見ただけでお客様が知らないことも多いです。
独自性のある名刺の肩書きを作ろう
先ほどの中小企業診断士の社長の方を例にしてみます。
- 中小企業診断士
- MBA
- 志師塾 塾長
(この社長は、志師塾塾長の五十嵐でした。)
これを見ただけだと、「へぇ~」で終わってしまうのではないでしょうか?
それよりも、先生ビジネスプロデューサーという名刺の肩書きのほうが、よっぽど分かりやすく、価値も伝わると思いませんか?ご自身の独自性を反映した名刺の肩書きを、是非とも作っていただければと思います。
名刺の肩書きを工夫している人は変人?
先ほど『コーチ』の話が出ましたが、多くの人が『コーチ』を知らいないという現状について、ここでもう一つ事例をご紹介します。
コーチの現状
あるコーチの方が言っていたセリフがとても印象的でした。
「コーチングの業界で食えているのは、コーチングを教えているスクールだけだ。」
コーチとして食えていない人が、コーチングを教えていることが多いそうです。
コーチの価値を知らない人が多い?
上手くいっていないコーチの方は、決まって次のように自己紹介をし、名刺を渡すそうです。
「私は、コーチです」
残念ながら、コーチングを受けたことのない人は、このように名刺を渡され自己紹介されても、コーチングの価値が分かりません。さらに、コーチの方はこう言います。
「目標達成をお手伝いできます。」
これでは、いまいちピンとこないのではないでしょうか?しかし、実際にはコーチングはとても有用です。
コーチング業界の当たり前
繰り返しになりますが、これではコーチングを受けたことのない人にとって、自己紹介や名刺を渡しただけでは、その価値は伝わらないんですね。
- ダイエットコーチ
- 恋愛コーチ
この肩書きが名刺に記載されていた方が、価値としては伝わりやすいと思いませんか?しかし、コーチ業界人からすると「変わっていますね?」「
変な名刺の肩書きですね?」と言われてしまいそうです。つまり、コーチ業界では『○○コーチ』ということが普通ではないようなのです。(現在は、ある程度受け入れられているように感じます。)
『普通』にとらわれない名刺の肩書きに!
その業界の『普通』にとらわれてしまうことが、食えない現状につながっているのかもしれません。コーチングという『手段』に着目しすぎて、お客様の『欲求』にフォーカスできていないがために、仕事が取れなくなってしまうのではないでしょうか?繰り返しになりますが、『コーチ』と言って名刺を渡しただけでは、コーチを受けたことがない人にとって、お金を払うことはできないでしょう。その業界の『普通』に引っ張られないことがとても大切です。
『普通』でなくなると、『変人』扱いされる
普通から解放されると、『変わっている人』扱いされるようになります。でも、それでいいんです。選ばれる理由を作るためには、他の人と同じことをやっていては上手くいきません。だからこそ、独自性のある名刺の肩書きにすることで、インパクトを与えることができるのです。
「あなたは、業界の中で変わっている人と思われていますか?」
「『変わった名刺ですね』と言われていますか?」
それが、自分らしさであり、選ばれる理由になります。
どのように『変人』になるのか?
では、どのように『変人』になればいいのでしょうか?どのような名刺の肩書きにすればいいのでしょうか?単なる変人では、仕事は取れません。そうならないためには、自分自身をしっかり棚卸しすることが大切です。そして、顧客のリサーチや競合の調査を必ず行うようにしましょう。
名刺の肩書きにはポジショニングを表す
ここまで、具体的な名刺の肩書きの工夫の仕方についてはあまり触れませんでした。しかし、それには理由があるのです。ここまで読んでお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、ポイントは他とは違う独自のポジションを見つけることが大切だからです。
これをマーケティング用語で『ポジショニング』といいます。つまり、ご自身のポジショニングを表した言葉が名刺の肩書きというわけです。
お客様から選ばれる名刺を作ろう
先ほども、先生業の話が出てきましたので、士業を例に考えてみましょう。何度もお伝えしていますが、『○○士』だけでは残念ながらお客様から選ばれる理由にはなりません。なぜなら、『○○士』という方はたくさんいるからです。その中でも選ばれる名刺に必要なのが肩書きです。オススメは、ポジショニングを表すキーワードを組み合わせることです。
例えば、起業家向けの設立を専門にしている行政書士さんの場合…
『起業設立コーディネーター』といった表現が考えられます。他にも、
- 夢を叶える起業設立コンサルタント
- 社会起業支援家
などが考えられますね。このように、ポジショニングを表す短いキーワードが肩書きになってくるのです。
ポジショニングを活かした名刺の肩書き例一覧
最後に、ポジショニングを表現している名刺の肩書きの例をご紹介させていただきます。
<名刺の肩書きの事例Part1>
- 話声ボイストレーナー
- 士業のための登記パートナー
- 感動相続プロデューサー
- 飲食業界専門人事アドバイザー
- サロン集客コンサルタント
- キャンドルセラピスト
- 人格形成サポートサッカー指導者
- 『ウクレレ時間』クリエーター
- 介護業界の労務管理エキスパート
- 小さな企業の再生請負人
<名刺の肩書きの事例Part2>
- 士業専門イメージコンサルタント
- 月次決算税理士
- 社会起業家売上UP請負人
- 紹介営業トレーナー
- 女性向け通販コンサルタント
- 36歳からの起業プロデューサー
- 非営利会計専門アドバイザー
- 士業御用達の不動産コンサルタント
- マンション境界線トラブルシューター
- ITベンチャーの売掛金回収サポーター
<名刺の肩書きの事例Part3>
- アラフォー女性専門FP
- 外資系専門イメージコンサルタント
- Excel業務改善コンサルタント
- 茶禅コンシェルジュ
- 『億』越えコピーライター
いかがでしたでしょうか?もし、名刺交換の際に上記のような肩書きを見たらどのように感じるでしょうか?
ここでご紹介させていただいた名刺の肩書きはほんの一例ですが、実際に使用されている事例です。この事例を参考にし、ご自身のポジショニングを表現した名刺の肩書きを作っていただけると幸いです。
