Last Updated on 更新日2018.11.19 by
2015年志師塾「WEB集客講座」の卒業生であり、現在、企業の管理職に対する研修や女性管理職を作る研修など、チームビルディングに関わる研修講師の仕事に携わる内山瑞穂(うちやまみずほ)さんにお話を伺いました。内山さんは、2017年ゼロから立ち上げた志師塾の「WEB自主制作講座」の講師も務めており、常に受講生一人ひとりに向き合った指導を行っています。
内山さんの志師塾との出会いや学び、「WEB自主制作講座」の講師としての奮闘や想いについて、お話を伺いました。
この記事の目次
ITコンサルから研修講師に
内山さんは、もともとITコンサルティングの業務に従事していました。ITは日進月歩の世界です。そのため常に新しい情報を仕入れておく必要があり、自宅にいてもずっとパソコンとにらめっこする状態が続いていました。体は非常にタフで、当時は1日20時間ぐらい仕事をしていることもありました。
しかし、このようなスタイルで仕事を続けているのでは、「私も家族も疲弊してしまう」と思い、「長く続けられる企業の研修講師を中心とした仕事にシフトしよう」と思いはじめました。その後、企業研修の講師として、自己啓発の研修や管理職向けの研修、女性リーダー向けの研修など、チームビルディングに関わる幅広い研修をしてきました。
志師塾への参加のきっかけ
ITコンサルティングの仕事を少しずつ断りながら、比較的順調に研修講師の仕事へシフトを進めていった内山さんですが、「自分のビジネスをきちんと仕組み化したい」と思い、2015年1月からの3ヶ月間、志師塾「WEB集客講座」を受講します。志師塾への参加の目的は、当時、自分の仕事があまりにも多岐に渡っていたことから、きちんと仕組み化して、人に伝えられるようにするには、どのような手順を踏めばいいのか、今一度、整理するために勉強することでした。
WEB集客講座は、「先生業としてのビジネスの考え方、自身のマーケティングを勉強するために受講した」という内山さんの目的にマッチしていました。
「何よりもITコンサルティングの時代は、長時間の仕事をしていたため本当に大変でした。ある程度年齢を重ねてもできる管理職向けの研修講師の仕事を広げるために、ホームページからの集客に力を入れていきたかった。」内山さんは、そのように当時を振り返り話してくれました。
レジュメや動画は今でも財産
受講時メイン講師だった五十嵐和也塾長が弁を振るう「WEB集客講座」は、毎回毎回が衝撃で心に響いたと、内山さんは振り返ります。「先生業の集客の考え方」「お客様選定の考え方」「マーケティング視点での考え方」など、講座が終了して3年経った今でも、講座のレジュメや動画は財産になっています。「家で料理しながら」「新しい仕事に取り組む前」「少し仕事で失敗したとき、試行錯誤しているとき」など、ことあるごとに動画を見ては、内山さんの仕事に気づきを与えてくれています。
内山さんは、その講座の密度の濃さを「一つ一つエッセンスが小さな卵の中にギュッと詰め込まれているよう感じです。そして、今でも必要な度に、お湯をかけると一気に広がるんです」と表現してくれました。
多くを語らずとも依頼が舞い込む
「WEB集客講座」に通うことで、ビジネスの財産を得た結果、卒業後は企業の社員研修の仕事は比較的すぐに受注できるようになりました。一方で、企業からのニーズが多い女性リーダーに対する研修や女性リーダーを育成する研修を行っていましたが、「これだけでは、なかなか自分を売りきれない」という気持ちも抱いていました。
そこで、取り組みはじめたのは、法人会や商工会が主催する中小企業の社長を対象とした「女性に嫌われない方法」というミニ講座でした。そこには志師塾で学んだ「お客様が一番悩んでいることに、突き刺さることを提示して、そこからテーマを広げていく」という考え方が反映されていました。
企業の50代の男性にとっては、「女性社員との話し方がすごく苦手だとか、変な気を遣ってしまうとか、そもそも家でも娘が話をしてくれない、奥さんが相手をしてくれない」というようないろいろな女性に関する悩みがあるのです。決して、小難しい話ではなく、「どのようにすれば女性にモテるのか」というような話をすると、ミニ講座に参加した方からは、「うちの女性達に教えてくれませんか」「うちの男性の管理職向けに女性の上手なフォローの仕方を研修してくれませんか」など、自分のプロフィールや得意分野の多くを語らずとも研修講師を依頼されるようになっていきました。この「多くを語らずとも依頼が舞い込む仕組み」こそが、WEB集客講座で学んだ一番の成果だと内山さんは話します。
WEB自主制作講座の立上げ
WEB集客講座の3ヶ月間が終了した後も、内山さんは卒業生同士で毎月開催される勉強会への参加を続けていました。すると、内山さんがWEBコンサルティングをしていることを知っている同期の仲間に、「内容やコンテンツは非常にいいものなのに、集客ができず困っている人」「サービスの内容をうまくホームページで伝えきれない人」「ブログで情報発信したいが、どのようにしたらいいのか困っている人」などがおり、勉強会などで質問をいただいていたそうです。
当時、志師塾には、「ホームページの作り方」というカリキュラムはありませんでしたが、「それでも困っている仲間がいるなら何とか力になりたい」という想いから、2017年の夏、WEB制作の強化研修として、SEO対策や無料でホームページ制作ができる研修を内山さん自身が講師となり開催しました。そして、単発のつもりで行った研修が、非常に好評だったため2017年の11月から「WEB自主制作講座」がついに始まったのでした。
開けたパンドラの箱
「本当にゼロからの開始でした。」
内山さんは、自身がゼロから講座のレジュメを作り、受講生がもう一度繰り返して学ぶための動画も作り、実際に3ヶ月間運営するのは、これだけ大変なことかとあらためて感じました。朝9時や夜中3時に、スカイプを使い、受講生とやりとりをしたこともあったそうです。
ホームページを作るというのは想像以上に大変な作業です。制作は、キャプション、キャッチーなコピー、文章の並び、写真の配置など、考えれば考えるほど深いものです。ホームページ自体は、テンプレートがあり入力方法や手順は決まっているのですが、受講生一人ひとりによって目的も違う、目標も違う、お客様のターゲットも違うため、それらを一様に伝えることは不可能なことです。
「受講生ととことん向き合うことで、受講生のホームページもできあがり、講師としても楽しくなってくる。中途半端なことではできないな。」内山さんはそう思い始めていました。
内山さんは、「私の仕事の仕組みやビジネスの仕組みを教えてもらったのは志師塾だった。そこで出会った仲間が本気で受講しているのだから、個別相談でしっかり対応するしかない」と、とことん受講生と向き合う覚悟を決めました。そして1期が終了する頃には、中途半端なことではできないと、新規で依頼を受ける企業研修は、ほとんど断らせざるを得なくなりました。
「私、パンドラの箱を開けちゃったんですね。」
新規で仕事を獲るために通った志師塾ですが、志師塾で出会った仲間のためにはじめた自身の講座により、新規の仕事を断ることになったのでした。
常に前向きに考え、受講生の背中を押す
内山さんが講師を務める「WEB自主制作講座」は、「WEB集客講座」などの志師塾のコアとなっている講座を受講した人でないと参加できません。これは、WEB集客講座で「集客とは何か」「お客様の選定とはどのようなことか」という志師塾のコアの考え方を学んだ上で参加した方が、理解が進むためです。
「WEB自主制作講座」の受講生の困りごとは、個々にバラバラです。しかし、ホームページを制作するという点では、オープンになるからこその言葉遣いや掲載写真など、新しいことに取り組むがゆえの不安なこと、迷うことなど共通点が非常に多いのです。それは、売上というお金に直結するものだからこその迷いでもあったりします。
内山さんは講師として、「迷っていてもしょうがないので、まずはオープンにしてみましょう。決めるのは閲覧してくださるお客様ですから。違ったらまた修正すればいいじゃないですか」と、常に前向きに考え、受講生の背中を押しています。
「WEB自主制作講座の“自主制作”は、“自主修正”でもあるのです」と時には優しく励まし、時には厳しい言葉もかけながら、3ヶ月間講座が行われていくのです。
私の成果は関わった方々や企業の成果
内山さんが仕事を通じて何より成果と語るのは、関わった方々から「ホームページの力で、お客様からの問い合わせが10倍になりました。売上も対前年比で2倍や3倍になりました」という声をいただいたときだそうです。また「WEB自主制作講座」でも、自身はあくまでも研修の講師であり、「受講生の成果が私の成果」だと思っています。
また、内山さん自身も「WEB自主制作講座」の講師を務めることで、考え方が少し変わったと言います。「私がナンセンスだと思うのは、長く続ける研修ではなく、自己の収益向上のために長引かせること。卒業させないコンサルティングです。そのため企業向けの管理職研修は性質上、短期間で成果をあげなければならないため、受講者となかなか濃い関係にならないことが多かった。
でもこの講座は、3ヶ月間の長い間、受講生と個別相談しながら密に接して、一生懸命考えている人達と一緒になって取り組むことで濃い関係になる。なんと言っても“情”の移り方がハンパないんです。」ドライにできず、他人のためにとことん一所懸命なってしまう内山さんの性格と仕事がマッチした講座でした。
WEB制作は完了というものが無く、常に新しい情報を得る必要があるため、「WEB自主制作講座」の卒業生のために研究会を定期的に行い、研鑽をしています。
「研究会では、facebookを活用して情報発信や定期的に情報交換を行いつつ、今後の課題や改善策を検討する仮説検証会みたい場にしたいですね」と、内山さんは最後まで自分のことではなく「受講生のために何をすべきか」を語ってくれました。
取材を終えて
今回お話を伺った内山さんは、志師塾「WEB自主制作講座」の講師を務めるに至った経緯を「パンドラの箱を開けてしまった」を表現されていました。これは、受講生のニーズが高く、講座の運営はとても大変と分かっていながら飛び込んだ世界だったことはもちろん、「受講生のために何をすべきか」を常に考え、とことん一所懸命になる性格がマッチしたものでした。
インタビュー中も「WEB自主制作講座」についてお話をされる時が、一番輝いていたのが印象的でした。
これからも内山さんは、講師として常に前向きに考え、受講生の背中を押し続けていきます。
文:佐藤 智人(中小企業診断士)/ 編集:志師塾「ビジネス百科」編集部