Last Updated on 更新日2017.6.15 by
独立している士業の方々のほとんどが個人で働いているのではないでしょうか。または、少人数で取り組んでいる方もいると思います。
独立をして一番の問題となるのが、見込み客の獲得です。そのため、士業で独立されている方のなかには、他の士業の方と提携をしている人も多いです。提携をすることで、見込み客を獲得し、ご自身のビジネスが飛躍的に加速することができます。
だた、提携の仕方に気を付けなければいけません。大切なのは「組み方」です。お互いにどのようなメリットを見出すかをしっかり考え、お互いが納得したうえで一緒にビジネスをしていく必要があります。本記事では、士業の提携に必要なポイントをお伝えしていきます。Webが活かせる時代だからこそ、士業コンビが増えてくることを願っています。
この記事の目次
士業ならではの提携スタイル
定額受注の提携
冒頭でもお伝えした通り、士業の方の多くは個人で仕事をされています。そのため、提携をしている士業の方が多くいらっしゃいます。しかし、提携をするときに注意しなければならないのが、提携するときの心構えです。当然、お互いに利益がないと長期的に継続する提携が成り立ちませんよね。よくあるパターンは、紹介すると、その一部をマージンバックするという方法です。しかし、これはイマイチな方法かもしれません。なぜなら、マージンバックは、裏を返すと定額受注になるためです。
Win-Winな提携
士業は時間サービスです。マージンバックではいくらたくさん受注しても、忙しいだけでほとんど儲かりません。これでは、マージンバックを強いられる側は、心の底からモチベーションが上がりません。何より、他の受注経路ができてしまうと、その提携先とは組み続ける理由がなくなってしまいます。
では、どうするのか?
「お互いに売り上げの上がる仕組みを考えましょう」というのがベストです。こうすることで、お互いにモチベーション高く、継続的に組むことができるのです。
良いマージンバックの提携がある
ちなみに、マージンバックする場合でも、一つだけ良い提携があります。それは、他者と組むことで、単価が上がる場合です。他者のブランドを借りることで、単価が上がり、結果としてマージンを払っても単価があがるのであれば、それは一つの方法かもしれません。もちろん、これは簡単ではありませんが、工夫する方法は何万通りもあるはずです。それを考える努力を忘れてはいけないと思います。
士業の提携では業務領域をカバーし合う
クライアントを紹介
士業は専門性が高い反面、業務領域も広く、全ての領域をカバーすることは不可能です。そのため、業務領域をカバーするという面からみても、士業同士が提携することがお互いにとってのメリットであると言えます。その際に、どのような提携をすれば良いのでしょうか?
お互いのサービス内容だけの提携も良いですが、もっというのであれば、お互いのクライアントも相互に紹介し合えればいいと思いませんか?士業の提携では、このような関係性を持つことが非常に大切になってきます。
士業のコミュニティをもとう
クライアントの悩みは幅広く、一人の士業では、到底カバーしきれません。そこで、相互のクライアントを紹介し合うことで、クライアントに与える価値も高まり、仲間からも仕事を紹介してくれたと感謝されます。このような紹介を常に考えているかどうかで、仕事の広がりが大きく変わっていくかもしれません。
「そんな上手くいくのか?」
と思っている方もいらっしゃるでしょう。しかし、士業同士の提携をはじめ、士業のコミュニティを持っている方が、実際にこのような働き方をしています。ぜひ、士業同士のコミュニティを持つことをオススメします。
ジョイントベンチャーという考え方
見込み客管理までできていますか?
少し話は変わりますが、ご自身の顧客管理はされていますでしょうか?士業のビジネスを成功させるためには、もっとも大切といっても過言ではありません。その中でも特に大切なのが、『見込み客管理』です。既存顧客の管理はできていても、見込み客の管理までできている士業の方は少ないです。ご自身の見込み客管理はしっかりできていますでしょうか?見込み客リストを保有しておくことは、本当に重要です。
提携=ジョイントベンチャー
こう話すと、
「私はまだ見込み客がいません。どうすればいいですか?」
と思う方が多いです。
確かに、見込み客リストをご自身で構築しようと思えば、一定の時間がかかります。もちろん、自社の見込み客リストを構築することは本当に重要です。かといって、自社にリストがなければ何もできないのか?ということはありません。それは、これまで何度もお伝えしてきた提携が大切です。言い換えると、他人のリストを使わせてもらうということです。
マーケティング用語で、これを『ジョイントベンチャー』と言います。簡単に言うと、他の士業の方と組んで事業を成功させていこうという発想です。もしも、ご自身の見込み客リストがなければ、この方法を検討してみてはいかかでしょうか?
士業の提携をするときの注意点
これまで、士業の提携のメリットをお伝えしてきましたが、一つだけ注意点をお伝えいたします。それは、一緒に仕事をしていく相手を慎重に選ばないといけないということです。やはり、仲良くないと上手くいきません。「…なんか、しっくりこないなぁ」と感じる相手は、最初はうまくいくかもしれませんが、長くは続かないケースが多いです。先ほどもお伝えしましたが、他の士業の方々との関係性を築いておくことが大切なのです。
士業が提携に成功するための3つのポイント
士業は孤独?
冒頭で、士業の方々は個人で活動されている方が多いとお伝えしました。しかし、言い方を変えれば『孤独』ということになるでしょう。実際、朝から一言も話さない一日があるかもしれません。そのような環境だと、不安や心配になり、良い発想が生まれませんよね。(そうでない方ももちろんいらっしゃいます。)そういった意味でも、士業同士の提携や、仲間づくりが大切になります。
士業は提携が苦手
ただ、もう一つの特徴があります。士業の方々に多いのが、士業同士の提携や仲間づくりが『苦手』ということです。次のような上手くいかない事例を多く見てきました。
- 自分の利益ばかりを主張する
- プライドが高く、相手の話を聞かない
- 理屈ばかりでいって、なかなか進まない
いかかでしょうか?もしかすると、心当たりある方もいらっしゃるかと思います。
上手く提携するための秘策がある
しかし、中には上手く提携している士業の方々もいます。例えば次のような提携です。
- 相続対策チーム
- 起業支援チーム
- 中小企業支援チーム
など、共通も目的を持った士業の方々が集まったチームが上手く提携しています。では、どのようにすれば士業の提携を成功させることができるのでしょうか?そのポイントは次の3つです。
- 共通ターゲット
- 先に貢献
- 信頼貯金
士業提携の秘策1:共通のターゲット
共通のターゲットとは、簡単に言いますと、提携する士業同士でターゲットとするお客様が共通であるということです。当たり前かもしれませんが、意外とここが抜けているケースが多いです。
「なんとなく近い領域だから、何か一緒にやりましょう」
では、ほぼ上手くいきません。特に、『何を提供するのか』といいたサービス内容が似ている場合によく起こりがちなミスです。何を提供するかが似通っているのではなく、『誰に提供するのか』が共通であることがポイントです。このターゲットが共通ではない場合、ほとんどのケースで上手くいかないのでご注意していただければと思います。
士業提携の秘策2:先に貢献
先に貢献とは、仲間から『仕事をもらう・流してもらう』という発想ではダメだということです。一緒に仕事をしようという場合、多くの士業の方々は、相手からお客様が流れてくれることを期待します。もちろん、お客様を紹介してもらうのは悪いことではありません。しかし、その心構えだけでは提携が長く続きません。そのような心構えでは、まずは相手に『先に貢献』することが重要なポイントです。自分のお客様や知人の中で、仲間に紹介できる人がいらっしゃいませんか?まずは、その紹介を先に行うことが重要です。
士業提携の秘策3:信頼貯金
信頼貯金とは、仲間との関係性のことを言います。まったく信頼のない状態で仕事を提携しても、うまくいきませんよね。私は、信頼は貯金と同じことだと考えています。先に引き出そうとしても、預け入れがなければ引き出せないのが貯金。それと同じで、仕事を紹介してほしいなど信頼が必要なケースがあれば、先に信頼貯金を増やしておく必要があるのです。こうした信頼貯金を貯めておくために、仲間のセミナーに参加したり、懇親会での交流や1対1での深い話をしたり…日々の細かい積み重ねで、信頼貯金を積み重ねていきましょう。
士業の提携により事業を成長させる3つのポイント
「士業として、事業を成長させたいですか?」
この質問に対して「いいえ」と答える人の方が少ないのではないでしょうか?ここでは、士業の提携により事業を成長させるためのポイントをお伝えします。そのポイントは次の3つです。
- 志宣言
- 仲間の存在
- レバレッジのためのWeb活用
志宣言
志宣言とは、
「自分自身の志を明確にして、多くの人に伝えることができているかどうか」
ということです。
「できる・できない」よりも「やりたい・やりたくない」といった視点で考えてみることが大切になってきます。『社会的な価値』を掲げることによって、そこに人が集まってくるのです。「どうせ、私には無理だから…」と言っていたり、思っていたりすると、成果につながってこないでしょう。
仲間の存在
特に士業の方々の場合、自分の時間がリソースになっていることが多いです。この時間の制約が、事業の上限になっているということはありませんか?それよりも大きい事を成し遂げようと思っていれば、自分の時間ではなく、他人の時間を(良い意味で)巻き込むことが大切になってきます。
「ご自身の志を手伝ってくれる人を巻き込めていますか?」
お金で巻き込むか、想いで巻き込むか。想いに共感してくれる人に手伝ってほしいと思いますよね。ここで、想いで巻き込む事例を紹介します。
探検家のアーネスト・シャクルトンの事例です。
彼は、南極への探検の仲間を集めるために、こうした広告を打ち出しました。
「求む男子。至難の旅。僅かな報酬。極寒。暗黒の長い日々。絶えざる危険。生還の保証なし。成功の暁には名誉と称賛を得る。」
この応募に応じて、なんと5,000名以上の人が応募したとも言われています。お金よりも『想い』で、上手に人を集めていますよね。もし、ご自身で仲間を集めるとしたら、どのような方法で集めますか?
レバレッジのためのWeb活用
志も定まり、仲間も集まったら、事業の成長を達成するために、加速させていかなければいけません。その方法として、Webというものはレバレッジの効きやすいツールです。士業の方々のなかで、その業界で一気に有名になっているところは、Webを上手に活用して成果をあげています。しかし、Webは価値を伝えるツールでしかありません。そのため、価値を明確にすることが何よりもやらなければいけないことです。ただ、その価値がいったん定まったら、それを加速させるための位置づけとしてWebを上手に活用しることで、成果が加速します。
まとめ
本記事では、士業の提携に必要なポイントをお伝えしてきました。提携のためには、仲間や士業コミュニティを増やしていくこと。そこで、想いに共感してもらう人と一緒に成長していくために、ご自身の価値を明確にしておくことが何よりも大切だということです。
繰り返しになりますが、実際に提携をすることで、見込み客を獲得し、ご自身のビジネスを飛躍的に加速させている方はいらっしゃいます。本記事をキッカケとして、お互いに納得のいく提携をしてビジネスを成長させていく士業の方が増えていくことを願っています。
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