Last Updated on 更新日2019.1.10 by
セミナーは先生にとっては重要な営業手法の一つです。セミナーにより見込み客が来場する機会を活用して、見込み客との個別相談につなげ、高額受注を進めやすくなります。
近年ではセミナーの開催や集客に当たってのハードルも下がり、多くの先生がセミナーを開催しています。一方で、多くの先生の中からあなたを選んで頂く必要がありますし、やみくもに集客するのでなく体系的に集客を行う必要も出てきます。本記事では、セミナーの企画から終了までを通じて、どのようにして集客を行っていくのかについてご紹介します。
この記事の目次
セミナーの内容の明確化
集客に先立って、セミナー自体の内容を明確化することが重要です。セミナー内容の明確化により、どのような方法で集客する必要があるかを明確化することができます。
参加者像を決める
最初に、セミナーの参加者像を決めます。
例えば、単に「集客に困っているコンサルタント」というだけでなく、「ライバルが増えて顧客が減ったために、新しくWebを活用して集客しようとしている店舗経営コンサルタント」といった形で、その対象読者が具体的に思い浮かぶような対象読者を一人設定します。
この記事では、このような対象読者を「小人」と呼ぶことにします。「小人」を設定することで、「どのようなセミナーを開催すればよいだろう」「どのように集客すればよいだろう」という判断は、「「小人」がより喜ぶだろうか」ということを基に行えばよくなり、参加者像に届きやすいセミナーを開催しやすくなります。
セミナーの開催テーマを決める
次に、「小人」にとって必要な情報を提供するためのセミナーの開催テーマを決めます。そのためには、「「小人」が今、どのようなことに悩んでいるだろうか」ということを洗い出します。
次に、「「小人」は、どのような結果が得られたら満足するだろうか」ということも洗い出します。ここで洗い出した「「小人」にとっての結果と悩みの差」を、あなたのセミナーで解決するということを考えて、セミナーの開催テーマを決めます。セミナーの開催テーマを決めるに当たっては、絶対価値 (なぜ、そのセミナーに参加するのか) と、相対価値 (なぜ、他の先生ではなくあなたのセミナーに参加するのか) についても明確化することが重要です。
キャッチコピーを決める
「小人」とセミナーの開催テーマを決めたら、セミナーのキャッチコピーを決めます。「小人」にセミナーに気づいてもらい参加したいと思ってもらうためには、インパクトがあるキャッチコピーに決めることが重要です。インパクトを出すためには、以下の3点が重要となります。
・「小人」にとってのメリットを提示すること
・具体的なメッセージであること
・「小人」が自分のこととして受け止められるメッセージであること
ここで、「小人」を具体的に設定することで、訴求したいメッセージを具体的に決めやすくなります。「「小人」はこういうことにメリットを感じるんだろう」「「小人」はここまで具体化したらセミナーの興味がわくだろう」「「小人」はこういうキャッチコピーなら自分のことと受け止めてくれるだろう」といったことを考えやすくなります。
実施内容の概略を決める
セミナーの開催テーマやキャッチコピーが決まったら、セミナーの実施内容の概略を決めます。セミナーの実施内容の詳細まで検討すると集客期間を十分に確保できないおそれがあるため、集客のために最低限必要な情報を決めます。例えば、以下のような項目を決めます。
・セミナーの名称
・日時 (懇親会を実施する場合は懇親会の時間も)
・開催場所
・セミナーの内容の概略
・参加費 (懇親会参加費が別費用であれば懇親会の参加費も)
・参加対象者
・講師のプロフィール
・主催者の連絡先
・申込方法 (後述)
ここで、「セミナーの内容の概略」をどの程度詳しく決めるか、が問題になります。「小人」の興味を引けることが前提ですが、講義を行うのか、外部講師をお呼びするのか、グループディスカッションなどの実習を行うのか、などを決めます。そして各内容の順序も決めておいた方がよいでしょう。
セミナー申込経路を複数準備する
セミナーの全体像を決める過程で、セミナーの申込経路も併せて準備します。どのようにすれば、「小人」がセミナーの存在に気づいて申し込んでくれるかを検討しながら準備します。例えば、「小人」は、以下のようなことを望んでいるかもしれません。
・セミナーの申し込みや参加費の支払を、簡単に済ませたい
・有益なセミナーであれば、自分のもとにすぐに情報が届いてほしい
・受けたいセミナーの情報が、検索で表示されてほしい
「小人」にとってのメリットを考えながら、複数の申込経路を組み合わせて準備しましょう。
セミナーポータルサイトの活用
現在では、セミナーズ、peatix、ストリートアカデミー、セミナー情報.com、こくちーずなど、集客に役立つサイトが存在します。サイトごとに以下のようなポイントで特徴が 異なるので、その違いを意識して活用すると良いでしょう。
・会員登録の有無
・決済機能の有無
・手数料の有無
これらのセミナーポータルサイトでは、申込フォームを設定することが可能となっています。自由質問を活用して、参加者のプロフィールや要望事項を事前に収集しましょう。これにより、当初に設定した「小人」像が妥当かを検証可能となり、セミナーの品質が向上します。更に、メールアドレスの収集とともにあなたからの今後の情報提供の可否を質問することで、情報の発信先を確保でき、今後のあなた自身の集客をスムーズに進めることが可能になります。
ソーシャルメディア
Twitter、Facebook、Lineなどのソーシャルメディアは、情報の拡散性に優れていますので、セミナーの存在を多くの方に気づいていただくには有効な手段です。Twitterの「リツイート」やFacebookの「いいね」や「シェア」などで、セミナーや集客方法の是非も見積もることができ、進め方の見直しにも役立ちます。ここでは、投稿の中にセミナーポータルサイトのリンクも含めて申し込みやすくする、セミナーチラシの画像も併せて投稿して気づいてもらいやすくする、といった工夫も有効です。
HP、ブログ
HPやブログをお持ちの場合は、これらを活用することも重要になります。これまで築いてきているあなたの強みや情報発信の内容と結び付けて、今回のセミナーについて「小人」に情報提供することが可能になります。逆に、セミナーの開催情報を通じて、あなたの考え方を伝え、セミナーへの参加を促すことも可能になります。更に、Googleなどの検索エンジンからも検索されやすくなり、多くの方にとって気づきやすくなります。
チラシの作成
セミナーの情報を一目で分かる形で閲覧する、Webだけでなくリアルの場でもセミナーの情報を伝える、といったことを考えると、セミナーのチラシを作成することも重要です。チラシには、セミナーの開催テーマを打ち出すこと、インパクトがあるキャッチコピーを配置すること、どのようなセミナーなのか概略が分かりやすく記載されていることが重要です。そのほかにも、以下の点に留意するとよいでしょう。
・セミナー申込用のページへのリンクも記載します。チラシが紙として配布されることも考慮し、セミナー申込用のページのQRコードもあるとよいでしょう。
・チームでセミナーを企画する場合、セミナーの内容を決めるチームと集客するチーム間での連携が重要です。集客するチームでは、セミナーのテーマや対象者に適した集客方法を選ぶ必要があります。セミナーの内容を決めるチームは、集客の事を意識し、集客に必要な情報を集客するチームに提供する計画も明確化しましょう。
3.セミナー情報を繰り返し周知する
集客のための期間としては、おおむね1か月以上を確保するケースが多いでしょう。その場合、集客開始直後にはセミナーポータルサイト、ソーシャルメディア、HP、ブログ・・・、と頑張って集客を行うかもしれません。ですが、集客期間の後半の申し込みが少なくお悩みになった経験はないでしょうか。
そのような事態を回避するためにも、セミナーの情報をソーシャルメディアやブログなどに定期的に投稿することをお勧めします。ソーシャルメディアでは、過去の投稿はどうしても流れてしまい、検索が難しくなってしまいます。参加見込み者がセミナーに気づきやすくなるためにも、1週間程度を目安とした定期的な投稿が有効になります。
また、一度参加を表明した方についても、他の予定が入ることによりセミナーがキャンセル可能性もあります。そのような事態を予防するためにも、既に参加を表明頂いている方にも、週に一度、メールでセミナー情報の一部を伝えるなど、関係性の構築を開始していきます。
セミナー情報を小出しに伝える
セミナーへの参加を表明された方にとって、申し込んでからセミナーに参加するまでのセミナーの情報は少ないものです。これにより、セミナー参加への不安が増えたり、申込したことを忘れてしまったり、ということも考えられます。セミナー情報の一部を伝えるに当たり、単なる文字情報だけでなく、動画や画像を活用して臨場感がある情報を発信したいところです。
講義の一部を録画し、その動画をYoutubeにアップして、参加を表明された方にメールで伝えれば、講師の人となりやセミナーの様子を伝え、参加に当たっての不安感を払しょくすることができます。セミナーの内容が決まっていなくても、セミナーの準備状況や検討風景の写真をアップすることも可能です。写真のアップを繰り返し行うことにより、時を追うごとにセミナー準備が進んでいることのアピール、チームでセミナーを準備する場合はチームワークや信頼感のアピールにつなげることができます。
施策内容を振り返る
セミナーの実施後に、企画、集客及び本番の内容や集客実績を振り返り、次回以降の集客に結び付けていきます。振り返る際の観点としては、以下のものがあります。
・セミナーの企画から実施まで、スケジュール計画どおりに進めることができたか
・集客の推移は、開始から実施まで順調に増加したか
・各種の施策は、有効に機能したか (施策の実施前後で、想定通りに参加者が増加したか、等)
・参加者アンケートから見て、改善すべき点がないか
今後、継続的にセミナーを開催するに当たり、セミナーの企画、集客の仕組みや各種施策を含めて改善を行います。
まとめ
セミナーの集客方法について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
・セミナーの内容を明確化する
・オンラインのツールやチラシを活用して集客の仕組みを作る
・繰り返し集客する
・参加前の段階で動画や画像で臨場感を演出する
・集客の施策を振り返り、改善を行う
選ばれるセミナーを目指すためにも、有益なセミナー企画し、効果的に集客していきたいものです。
文:小林 健了(中小企業診断士)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部