Last Updated on 更新日2018.3.30 by
セミナー運営をしていると、その難しさに気付きますよね。セミナーを受講している時は、
「ここはこうした方が良い」
「自分のセミナーだったらこうしよう」
など、ご自身がセミナーを運営している様子を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思います。しかし、いざセミナーを運営してみると、
「こうしよう!と思っていたことができなかった。」
「お客さんとの距離が遠かったかな。」
と、さまざまな反省点が浮かんできた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょか?本記事では、セミナー運営において見込み客との関係をうまく構築する方法をお伝えいたします。
この記事の目次
セミナー運営での関係構築1:接触頻度が大切
士業はリアルで勝負
他の記事では、Web集客などのWebを活用する方法についてお伝えしておりますが、士業というビジネスの特性を考えると「Webだけで注文」というのは、なかなか難しいと思います。やはり、リアルの世界で会わないと契約までつなげられないのが、士業の方々の仕事の特徴ではないでしょうか。士業の方々の商品は、目に見えない無形のサービスで、なおかつ高額である場合で多いでしょう。さらに、人によってサービスの内容もレベルもばらつきがあるものをWeb上で簡単にクリックして購入しないと思います。
セミナーでは先生ポジションをとる
Web上で購入しないのであれば、リアルでどのように顧客の獲得を図るのか…その手段として、士業にはセミナーを活用するという方法があります。実際に、多くの士業の方が、何らかのセミナー講師を経験されていると思います。
セミナーで「お客様との関係性を作ること」が大変だと感じませんでしょうか?
(ここでの関係性とは、先生と生徒という関係をいいます。)
先生ポジションを確保することで、値下げを要求されずに、適正な価格で受注することができるようになります。
接触頻度を高める
ただし、セミナー講師を単純にやるだけでは、なかなかお客様と関係性を築くことはできません。では、どのように関係性を構築するのでしょうか?セミナーの運営という観点からいうと、セミナーの受講生と講師との関係性を高めるには、接触頻度がとても大切になります。接触内容よりも接触頻度が大切ということは、ゼイオンス効果という心理学に基づいています。つまり、接触頻度を重ねるほど、関係性が強まるということです。
接触のタイミングはセミナーが始まる前から
「接触頻度を重ねるといっても、セミナーは本番でしか会えないですよね?」
と思う方もいらっしゃると思います。そんなことはありません。実は、セミナーの申込の時点で接触は始まっています。具体的には、次のような接触のタイミングがあげられます。
- セミナー申込をしていただいたタイミング
- セミナー料金の入金のタイミング
- セミナーの直前案内のタイミング
- セミナー受講後のフォローのタイミング
改めて振り返ってみると、接触のタイミングは意外とあると感じませんか?このようなタイミングをうまく活用していきましょう。こういった接触頻度を高めることが、セミナー運営の観点から、関係性を強化するための第一歩と考えてみてください。
セミナー運営での関係構築2:雰囲気を作る
セミナー運営での見込み客との関係構築は、セミナー当日から始まることではないということをご理解いただけたでしょうか?では、実際のセミナー当日ではどのようなポイントに注意すればいいのか、お伝えしますね。
セミナーでは講師も受講生も緊張している
セミナー当日、ご自身はもちろん、受講生も緊張していることが多いです。実際、受講生としてセミナーに参加した際に感じたことがあるかと思います。受講生は、多くの場合
「いきなり当たられたらどうしよう」
「他の受講生から変に思われたらどうしよう」
など、不安をいだいている方もいらっしゃいます。まずは、このような緊張を解いてあげることが、セミナーで関係を構築するには重要になります。
緊張を解くための3つのポイント
では、どのように緊張を解いてあげれば良いのでしょうか?緊張を解くためのポイントは次の3つです。
- 事前の名刺交換
- アイスブレーク
- 会場の雰囲気を作る
それぞれについて、順を追って説明させていただきますね。
事前に名刺交換をしよう
「え?名刺交換って、セミナーの終了後にするのでは?」と思った方もいらっしゃるかと思います。しかし、セミナーの終了後に名刺を交換しなければいけないルールはどこにもありません。これは、関係性を構築するという観点からすると、とても有効な方法です。
どのような受講生が参加しているのかがわかる
どのような点が有効かといいますと、セミナーの始まる前に名刺交換をすることによって、参加している受講生がどのような感じの方なのかが分かるということです。セミナーの始まる前ですので、1人あたり1分程度しかお話ができません。しかし、それだけでもその方の目線・しぐさなどで、どのようなタイプの人なのかを感じ取ることができます。これは、セミナー中に受講生に質問を投げかけるときなどに重要な情報になります。
名刺交換が受講生の緊張を解く
もう一つの有効なポイントとしては、セミナーの始まる前に名刺交換をすることで、参加している受講生の緊張を解くことができます。さきほどもお伝えした通り、一部の方を除き、だいたいの受講生の方はセミナー開始時に緊張しています。
「何を見て参加されましたか?」
と、簡単に質問することで、人は緊張感が緩和されていきます。その結果、セミナーの内容にしっかり入ってこれるのです。セミナー開始直前には、「名刺交換」をする。ぜひ覚えていただき、さっそく実践していただければと思います。
アイスブレークをする
セミナーが始まる前に名刺交換をすることで、受講生の緊張を解くとお伝えしました。しかし、緊張を解くだけではいい関係を構築しているとは言えません。では、どのようなことを工夫すれば良いのでしょうか?
「前のめり」でセミナーを受講してもらう
ご自身でセミナーを開催するとき、セミナーの冒頭でどのようなことをお話されているでしょうか?実は、セミナーの冒頭の時間はとても大切です。というのも、そのセミナーの会場の雰囲気を左右してしまうからです。人の集中力は、50分しかもたないと言われています。そうした中で、2時間のセミナーを開催し、さらには受講生に「前のめり」になってもらうには、どのような工夫が必要なのでしょうか?
その一つの答えが、「アイスブレーク」なのです。
問題意識を体感していただく
通常のアイスブレークは、「受講生の緊張を解く」ことではないでしょうか?確かに、先ほどお伝えした通り、受講生は緊張しています。その緊張を解くために、簡単なゲームをやったりするセミナーも多くあります。例えば、相互の自己紹介があげられます。しかし、これでは緊張を解くためにはとても有効ですが、「前のめり」になっていただけるかどうか分かりません。ここで、次のような工夫をしていただければと思います。
「セミナーで明らかにする問題意識を体感できるアイスブレーク」
アイスブレークで、受講生が問題意識を体感できれば、自然と「前のめり」になってセミナーを受けてもらうことができます。アイスブレークで、どのようにすれば問題点を明確にできるか、工夫していただければと思います。
会場の雰囲気を作る
ご自身のセミナーを開催する時は、どのような会場の雰囲気を作っていますか?また、会場の雰囲気というと、どのようなことを思い浮かべますでしょうか?
「人数に合った広さの会場にしよう」
「オシャレな会場を選ぼう」
など、いろいろ考えられますね。実は、狭い会場でいいのです。なぜなら、受講生との距離を縮めて関係性を作るということが大切だからです。では、会場の雰囲気づくりとはどのようなことに意識すればいいのでしょうか?次の2つのポイントを意識していただければと思います。
- 相互に話しやすい雰囲気を作る
- プロらしい雰囲気を作る
相互に話しやすい雰囲気を作る
簡単にお伝えしますと、「シーン…」とした雰囲気を作らないようにするということです。特に、セミナーが始まる前に静かすぎると、緊張感は高まってしまいます。そのため、可能な限り音楽をかけることをオススメします。ただ、音響施設がない場合もありますよね。その場合は、普段使用しているスマートフォンやタブレットに音楽をいれておくと良いでしょう。このような、ちょっとした気遣いがあるかどうかで雰囲気は変わってきます。
プロらしい雰囲気を作る
プロらしい雰囲気とはどのようなものでしょうか?例えば、受付や司会のことです。受付は、可能であれば誰かに手伝ってもらう方が良いです。
先生としての印象を与える
先生として振る舞いたいのに、受付のような事務作業をしてしまうと、あまり印象が良くないです。例えば、従業員であったり、過去のセミナー受講生だったりに手伝ってもらいましょう。反対に、セミナーのコミュニティーを持っていれば、まずは自分から事務を手伝いに行きましょう。もちろん、ご自身のセミナーも手伝っていただくよう相互支援が原則です。こうした仲間を見つけることも、とても大切です。受付などは、なるべく講師本人がやらないということは、意外と重要かもしれません。
きっちり運営していると感じてもらう
次に、司会についてです。司会も可能であれば、別の方にお願いしましょう。その際、司会の方に、セミナーの案内と講師の紹介をしていただくと良いです。そうすることで、「きっちりした運営をしているな」と感じてもらうことができます。
このように、話しやすい雰囲気を作ること、かつプロらしい雰囲気を醸し出すことを心がけると、セミナーがうまくいくのではないでしょうか。ちょっとしたことなので、ぜひ心がけてみてください。
セミナー運営での関係構築3:他士業との連携
いよいよ、最後のポイントです。セミナーの講師は一人!という印象を持っている方が多いと思います。しかし、二人の講師でセミナーを開催することである効果を発揮することができます。
単独でセミナーを開催する問題点
ある社労士の方と、行政書士の方がセミナーを開催した事例をご紹介します。
(詳細を明らかにはできませんが、 某業界の社会保険に特化したセミナーです。)
そのセミナーでは、社労士と行政書士で、話す役割を分けていたそうです。行政書士は、その業界の悩みを明確にするという役割。社労士は、その悩みを解決する知恵を持っているという役割。この、「行政書士が悩みを明確にする」というところがポイントです。この事例のように、社会保険のテーマでの悩みを社労士がたくさん話しても、「社会保険の仕事がとりたいからそう言うのですよね?」と、思われても仕方ないですよね。つまり、「営業感」が出てしまうのです。
立場の違う人が話すことの効果
上記の事例のように、二人で話すことにより、
「これはまずい!行動しなければ!」
と思ってもらうための仕掛けになっているのです。
セミナーには、100回参加しても、1回も行動しなければ全く意味がありません。そのため、行動を促すことが、セミナーが本当の意味で役立ったと言えるのではないでしょうか?そのような意味で、上記のような取り組みは良い方向に向かうと思います。ぜひ、他士業の方との連携をしてみてはいかがでしょうか?その際、連携の意味をしっかり考えてから行動するようにしましょう。単に知識を持っているから、というだけで話をするのではなく、「誰」が話をすれば、受講生が行動に移してくれるか。このような視点が、とても大切です。
まとめ
セミナー運営において見込み客との関係をうまく構築する方法を3つお伝えしました。もう一度確認しておきましょう。
- 接触頻度が大切
- 雰囲気を作る
- 他士業との連携
本記事でお伝えしたポイントを一つ一つ見ていくと、意外と取り入れやすいポイントばかりであると思います。しかし、いざ実践してみようと思うと、抜けや漏れが発生してしまいます。そのため、見込み客との接触がスタートして、フォローまでの流れをイメージし、段取りをしっかりしてからセミナーを開催されることをオススメいたします。
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