Last Updated on 更新日2019.4.28 by 44@jyuku
「イベントは、目的であってはならない。1つの目的を達成するための手段なんです」イベントのあり方について真剣に語る鍵原吉浩さん。現在、イベントプロデューサーとして活躍されています。お客様のイベント企画・営業・運営・進行演出・撤収までを全てプロデュース支援されるお仕事をされています。そんな鍵原さんも志師塾の卒業生。今回は、現在のお仕事や志師塾との出会いから学んだこと、今後のことなどをインタビューしました。
この記事の目次
イベントプロデュースのお仕事とは
鍵原さんは、株式会社アイ・オー・ワンの代表取締役であり、主にイベントプロデュ―ス事業を展開されています。「笑顔溢れるところに集客あり」という信念を大切にされ、今までに1,000件以上のイベントを成功に導いてきた凄腕プロデューサーです。
イベントプロデュースは、博覧会や展示会などの企画立案から開催に至るイベント全体の統括を行うことが主な仕事です。クライアントから、どのようなイベントを開催したいのかをヒアリングし、プランの提案からイベント運営までをフルサポートされています。
イベントを成功させるためには、事前の準備が不可欠。開催規模・開催場所の条件に合わせた法律や条例の確認、保健所への届出、JASRACへの楽曲使用の届出、イベントを実施するために必要な情報収集や行政機関への申請など、法令順守やライセンス管理の対応は、絶対に疎かにはできません。万が一、手を抜いて大きな問題を起こしてしまうと、信頼を失ってしまうので、常に緊張感を持って準備をされています。必要とされる労力や裁量も大きい分、やりがいも大きい、といいます。
自身でイベントプロデュースをする為に脱サラを決心
現在、イベントプロデューサーとしてご活躍される鍵原さんは、大学卒業後、旅行会社に就職されて外回りの営業をご担当されます。主に修学旅行等、学生団体向けに企画提案をされました。そこではお客様との親密な関係性を構築するため、徹底的に営業ノウハウを叩きこまれました。
その後、商業施設等で集客イベントを運営するイベント会社に転職。大型博覧会の会場運営や、イベントプロデュースを担当され、企画ノウハウを学ばれました。
2つの会社を通して、イベントプロデューサーに必要なノウハウを習得された鍵原さん。しかし、どちらの会社も専門性が高いため、リサーチ・企画・営業・運営・撤収の全てを自身でプロデュースできる機会はありませんでした。鍵原さんは、限定的な仕事に満足できなくなり、自身の能力がどこまで通用するのか試すために脱サラを決心。株式会社アイ・オー・ワンの設立に踏み切りました。
事業が軌道にのるまで
設立当初、特に苦労されたのは新規開拓営業でした。インターネット環境が整っていない当時は、パンフレットや名刺等を営業ツールにして、広告代理店等を中心に営業活動を展開。しかし断られる事も多く、モチベーションが維持できずに落ち込むことも。「新規開拓を成功させるためにはどうしたらいいのか」マーケティングの基礎から学び直し、イベント業界で成功された方からお話を伺い、行動方法や行動思考を改めて学んだといいます。
志師塾との出会い
志師塾を知ったのは、今年の1月。知り合いから、「先生業に特化しており、Web集客する仕組みづくりを教えている塾がある」と紹介を受けた事がきっかけで試しに説明会へ。説明会では、教材に記載されている単語の一字一句を、きちっと教える講師の姿勢に感銘を受けたといいます。「イベント業で学んできたスキルを活かして、セミナーを開催する先生方をサポートしたい。」同期の受講生がセミナー開催時にどのような部分で悩まれているのかをヒアリングして自分は何ができるのかを考えたいと思い、入塾を決心されました。
志師塾に入塾して体験されたこと
志師塾を受講して印象に残っているカリキュラムは、第一印象が大きく変わる「自己紹介の方法」でした。テーマや伝える相手に合わせて、いくつか自己紹介するパターンを用意します。毎回の課題で一人一人が自己紹介をするワークがあり、6回の講義内で経験を積むことで自分の強みとなる武器が何なのか見えてきたそうです。
また、自身が実際にWEB集客の構成を作り上げるのですが、先生や同期からアドバイスを貰うワークを通じて、客観的な視点からも自身の講座内容をブラッシュアップすることができました。コンテンツ量・ビジネスの成約に繋がる講義内容など、ワークを続けていくことで大きな経験となりました。また、講師による個別相談の時間もあり、講義内で腑に落ちないことがあれば、気軽に相談することができました。
志師塾を卒業して
また、鍵原さんは、自身のポジショニングについて明確にすることができたといいます。志師塾に入塾する前は、自身のポジショニングを定めることができていませんでした。志師塾では志の高い講師や受講生の方々と意見を交換する機会も多く、中には自身の考えとは全く違う切り口で話す人もおり、自身の立ち位置が見えてきたそうです。
また、高い志を持つ仲間ができたといいます。志師塾を終えた同期の有志で、月に一回勉強会を開催。一人一人の活動内容を報告し、参加者全員がコンサルタントとしてフィードバックや助言をし合ったり、更に深堀りした内容を勉強会のテーマとして取り上げ、各自が実践したことを発表し、意見交換をしているそうです。「全員が事業を成功するまで勉強会は続けたい」同期生とは切磋琢磨し、お互いを高めていきたい、といいます。
同期の仲間は、経営者や個人事業主の方がほとんど。経営者としての悩みは共通した部分が多く、仲間同士で相談できる関係は、鍵原さんにとって本当に心の支えになっています。
講師としての活動
鍵原さんは、イベントプロデューサーの他に、講師としてもご活動をされています。主に自主セミナーを開催される方に向けて講座を開き、会場の手配、セミナー集客に必要なこと、アピールの方法、などをレクチャーされています。講義後には、個別相談の時間を設けて、参加者の悩みに沿って解決する為のエッセンスを伝えています。志師塾に入塾されてからは、講座内容もブラッシュアップされてより多くの集客に繋がっているといいます。
鍵原さんの強み
鍵原さんの強みは、なんと言ってもイベント業界で長く培ってきた経験や知識です。規模が大きくなれば、告知宣伝の仕方から会場の準備、当日の運営、進行演出・撤収まで、下準備する内容も異なってきます。鍵原さんは、10人規模でも、10,000人規模でも状況に合わせて大会運営・講演できる空間づくりをサポートで出来ることを強みにされています。
鍵原さんが考えるイベントについて
イベント開催の相談に来る人の中には、イベント自体を目的に捉えて考えている方がいるそうです。ですが鍵原さんは、「イベントはあくまで目的を達成するための手段」と考えています。イベント自体を目的にしてしまうと、イベントを終えた後に何も残りません。「イベントを何のためにするのか。何を伝えたいのか」イベント開催の意義は、ターゲットとなるお客様に、実際に体験をしてもらって知ってもらうこと。体験を通してメッセージを伝える事にやる意義があるそうです。
今後について
鍵原さんは、「講師業としてステップアップしていく先生方を支援していきたい。」というビジョンがあります。カリスマ性のある仲間や志師塾で共にしてきた仲間が、将来さらに大きい会場で講演しているかもしれない。どんな講演会やイベントにするのか講師にヒアリングを行い、今まで培ってきたイベント運営ノウハウを掛け合わせて一緒に最高の場をプロデュースしていきたい、といいます。
取材を終えて
今回のインタビューを通して、鍵原さんからイベントに対する熱意を感じるお話をいただくことができました。イベントを成功させる為に積みあげているものがあると感じました。また、志師塾同期との「出会い」を大切にされていると思いました。今後も、更にご活躍される鍵原さんを注目していきたいと思います。
文:内田喬也(中小企業診断士)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部