間違った情報で不幸になっている人が多い状況を少しでも変えていきたい ~足立公認会計士事務所 代表 足立武志さん~

Last Updated on 更新日2019.11.5 by 44@jyuku

「足立公認会計士事務所」代表 足立武志(あだち たけし)さんの名刺には「個人投資家の<困った!>を解決する公認会計士」と書かれています。しかし、足立さんの活動は多彩で、一言で言い尽くすのは難しいのかもしれません。公認会計士・税理士・事業承継士・ファイナンシャルプランナーと多彩な資格を持ち、足立公認会計士事務所での公認会計士・税理士の仕事をベースとしながら、相続事業承継の別会社でも活躍、さらに本の執筆活動、セミナー講師等個人投資家向けの投資教育も精力的に行っています。
現在の多彩な活動、それは、どのように広がってきたのか、独立に至るまでの葛藤や、独立してみてどう変わったのか、これらの活動の根底に流れる思い、志について語っていただきました。

税理士と投資教育の2軸

かなり多彩な活動をされていますが、軸足はどこに置いていますか?

仕事の時間で言うと税理士が長いですね。7割位。あとは投資教育関連と呼んでいますが、個人投資家向けの株に関するメルマガ、ブログ、セミナー、執筆活動などが3割位でしょうか。外部発信は株のことばかりなので、税理士の仕事をしていないのではないか、と勘違いしている人が多いんですよ。税理士の仕事で発信というのはあまりないので。
今はこの2つの事業がそれぞれ独立してビジネスとして成立しているんですが、今後はこれをうまくリンクさせていきたいと思っています。

投資教育の接点から税理士としての営業にはすぐつながるように思えますが?

もともと投資教育をはじめたのは、最終的には税務としてのお客様につながれば、という考えもあったんですが、それがなかなか難しくて。私の投資関連の塾に来る人はサラリーマンの方が多いんですよ。サラリーマンは税理士を必要としませんよね。本当は個人事業主、お医者さんとか富裕層の人に株式投資を教えるというのが出来れば一番いいんですが。これからの課題、目標ですね。

税理士としてのキャリアスタート

どういう経緯で公認会計士・税理士を目指されたんですか?

 数字が好きなんですよね。例えば新聞の株価欄。普通の人は、あの数字の羅列だけ見ても楽しくもなんともないと思うんですけど、私はあれを見てるだけで楽しい。そういうこともあって中学生の時には数字を扱う仕事がいいのかなと思って税理士に興味を覚えました。高校時代には資格のことも調べて、公認会計士をとると税理士資格も得られるということや(公認会計士登録をすると、税理士試験を受けなくても税理士登録が可能となる。)、税理士は1年ではまず合格出来ないけど、公認会計士は1年で合格することも可能とか、そういうことを知って、それなら公認会計士を取得するのがいいなと。それで大学受験も商学部か経営学部しか受けてないんですよ。大学入学後も1年生の6月から専門学校に行って勉強したので、大学4年で合格して、その10月には学生ながら非常勤という形で監査法人で働き始めましたね。監査法人には3、4年いました。

その後、監査法人で資格登録要件を満たして、会計事務所へ転職ですね?

 そうですね。会計事務所に転職後、法人化し共同代表になって、いったんそこの後継者ということになりました。ただ、所長と考え方が食い違ったりすることもあり、何か違うかなと思い始めました。組織の中で変えようとしたんですけど、変えることができなかったんですよね。限界を感じました。かといって営業に自信なかったので、独立したい気持ちもありましたが、どうしようかモヤモヤしていました。

投資教育をはじめたきっかけ

その後、独立されますが、その前から執筆活動や、投資教育関連を始めていますよね?

 そうですね。本を書くきっかけは、10年以上前ですけど、本を書くことになっていた友人が急に海外出張になって、代わりにやってという話でした。その後、私のことを出版社に売り込んでくれるプロデューサーのような人と知り合って、その人が投資関連の本なら足立という出来る人がいますと営業してくれて。また、一冊目が幸運なことに入門書だったんですよ。入門書というのは売れるんですよ。だからそれ以降の出版もスムーズに進めることが出来ました。
楽天証券のコラムを始めたのもそのプロデューサーの方がきっかけですね。楽天証券のコラムは500回超えて続いています。考えてみると、人の縁が大きいですね。普通、本の企画書を書いて出版社に持ち込んでも門前払いですから。

公認会計士足立武志ブログ(https://kabushiki-adachi.com/

独立~志師塾との出会い~

独立のきっかけは?

独立について10年位モヤモヤしてましたが、自分で動かないといけないな、と模索しはじめたときにネットだったと思いますが、志師塾の存在を知りました。税理士として食べていくことを考えたときに他の税理士と差別化しないとうまくいかないと思っていて、そのヒントを得ようと志師塾に行ったんです。志師塾に通っている中で講師の人に独立についても背中を押してもらいました。きっかけをつかめないでいたのを、後ろから「行け」といった感じで。
あと、会計事務所の勤め先に残るにせよ、独立するにせよ、結局、営業はしなくてはいけないんだと気付いて、それなら自分のやりたいようにやるのがいいと思ったのもあります。どうしてもやらなくてはいけないなら飛び出したほうがいいと思えたんですよね。

独立してみてどうでしたか?

独立について先輩の税理士にも相談していましたが、先輩は独立したらどうにかなると言うんですよね。そうは言うけども、先輩の時代は税理士というだけで仕事がポンポン来た時代、でも今は競争も激しくなっているし、環境が違うし、時代が違うでしょうと思ってました。でも結局自分が独立したら、先輩の言う通りなんとか順調にやっているので、その通りだったなと。
私の場合、一番良かったのは、モヤモヤしていた時期に株の本を出版したり、楽天証券のコラムだとか、投資教育関連の情報発信を始めて、続けてきたのは良かったと思います。これがあったのでメルマガをやっても読者がついてきてくれるし、ある程度知名度も持ててました。ある意味成功しやすい状況にあったけど、自分自身ではどうやったら今の形にできるのかわかってなかったところで、志師塾で学んで、ひとつひとつがつながって、収益の流れを作れるようになったのが大きいですね。

「志師塾」で学んだこと

志師塾で学んだこととは?

 WEBで集客するという仕組みを学びました。それまで、メルマガをやるといってもどうやっていいのか、わかっていませんでした。志師塾で学んだことを活かして実際にメルマガを使って集客出来るようになったのは役に立っています。また、営業的なこと、集客についてのやり方を知った上で、うまくいく戦略、プランを考えられました。私も、多くの専門家も専門性を高めれば客が来ると思っている。でも、それが世に伝わらないと絶対にお客様は来ない。そういう他の業界では当たり前にやっていることが、士業の業界ってやらなくてもお客様がついてきたので、やってなかったんですよね。ようやく今になって例えば税理士もどんどん人が増えて、顧客となる法人の数も減って競争が激しくなって、営業的なことを考えるようになってますけど、まだまだ一般の業界より遅れている。逆に言うとうまくできると、わっといきますよね。そういう意味では、やり方しだいで、若い人が一気にのし上がれる、面白さがありますよ。専門知識も必要ですが、それと平行して営業的なことをやっているか、やり方を知っているか、知らないか、が大切なんです。みんなやり方わかってないから、ネットの値下げ競争に巻き込まれちゃうんですよね。
 あと、志師塾で得たものという意味では、人脈というのも大きいですね。卒業生含めて1,400人位いるのかな。大所帯になっていて、そこに行かないと出会えなかった人と出会えて、仕事につながることもあります。
 

相続関連にも進出

株式投資以外に相続についてもブログ書かれていますね?

今、税理士の業界では法人の分野は完全に伸び悩んでいるんですよね。顧問料も10年で30%位安くなっている。また、あらたに開拓しようとしても既存の企業にはほとんど税理士がいますから、行くところは新規開業になるんですよね。その新規開業は、会社作ると言う情報があると、税理士からDMが30通位来るんですよ。その時点でレッドオーシャンですよね。さらに新規開業だからそんなにお金もらえないんですよね。そこに力入れても自分が疲弊するだけで、結果として法人マーケットは厳しい状況なんですよ。
一方、相続はお亡くなりになる方は増えているので伸びている、税理士が知り合いにいないという人も多いので、相続のマーケットは税理士以外もどんどん入っているんですよ。その意味ではレッドオーシャンですが、伸びているマーケットなのでやりやすい、やり方次第でどんどんとれるところが違いますね。

今後の夢、志

これからの夢、こうしていきたいという思いはありますか?

結局、株の情報発信をしているのも、相続関係の仕事をしているのも、間違った情報とかを信じて不幸になっている人が多い現状をなんとかしたいという思いなんです。相続では、いろんな人がマーケットに入ってきて自分のことしか考えない業者もたくさんいて、そういう人にだまされて不幸になる人がいる。株の方も、そもそも正しいやり方を教えてくれる場所がない。学校でも教えてくれないし、証券会社に行ったら変な商品買わされたり、結局9割の人がうまくいっていない。この環境を変えたい、今の状況を少しでも良い方向に変えたい、そういう思いが強いですね。
 そのためにも、規模だけ大きくすることは考えていなくて、専門性を高めつつ足りないところは、専門家同士で連携したほうがいいと思うんですよね。規模を大きくしようとすると職員に給料を払うために色々やらなくてはいけなくなって、それがお客様の役に立つならいいけど、ならないものだと、違うなと思うんですよ。

先生業で独立を検討している人へのメッセージ

これから先生業で独立しようとしている人にメッセージありますか?

私はすごく慎重派で、石橋を叩きまくって壊しちゃう位の性格なので、先輩になんとかなると言われても信じられなかったのですが、結果としてなんとかなっています。なので志というか思いがあれば、飛び出したほうが悶々としているよりいいだろうなと思います。当然ね、志師塾なりで、戦略を考えて、うまくいく可能性を高めた上で、勝負にでるという感じでね。たぶん、やる気があれば手を差し伸べてくれる人もいるはずなので、ちゃんと志があって、こういうことをやっていきたいという思いがあれば、みんなうまく行くと思うんですよね。

取材を終えて

今回の取材前に足立さんのプロフィール、ブログ、執筆された本を拝見して、そのご活躍ぶりを知っていたので、独立までに悶々とした時期を過ごされていたというのが意外な印象でした。それが志師塾に通うことで、それまでの活動がつながっていき、これをきっかけとして独立されました。「人生が変わった」と言われてましたが、独立前からブレない志を抱きつつ、戦略的にビジネスを進められてきたからこそ、出会いやチャンスを活かせるのだろうと思います。
「当然ビジネスの部分も考えてますけど、困っている人をなんとかしたいって思いもあるから、忙しくても頑張って働けている。お金のためだけだったら、『必ず儲かります。』って言って投資用不動産なり金融商品なりを売っていればいいですからね。でも私はそれはしたくないんです。」と語る足立さんは非常に楽しそうで、益々のご活躍が期待できそうです。

文:浅沼 哲雄(中小企業診断士)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部

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