Last Updated on 更新日2018.7.3 by
先生業としてビジネスを営んでいる方の中には、「集客」にお悩みの方も多いのではないでしょうか。一人で営んでいる先生が、継続的に収益を上げていくには効率的な時間の使い方が不可欠です。対面の営業活動も非常に重要ですが、1日に会う人数は限定されます。
時間の大多数を対面の営業活動に費やしては、ご自身のビジネスに「集客」できそうなお客様に会える確率は低くなってしまいます。大変非効率でご自身が疲弊してしまいますね。
一方、WEBサイトは、24時間いつでも好きな時にお客様が訪問することにより、ご自身が常に携わらなくても、営業活動(集客)ができます。ですから、WEBサイト集客は、先生ビジネスにとって不可欠な存在なのです。
この記事の目次
先生ビジネスにおいて、WEBサイト集客は難しい!?
ここでの先生とは専門的な商品・サービスを提供する方々が対象を指し、士業やカウンセラー、セラピスト等の方々が該当します。先生が提供する商品は以下の特徴があります。
(1)モノだけでもなくサービスだけでもない
(2)専門性が高い
(3)アウトプットがイメージしにくい
(4)高額である
イメージしづらい高額商品…なかなかお客様の財布の紐は堅そうです。これらの理由から、先生ビジネスの価値をお客様に伝えるのはそう簡単ではありません。では、どのように伝え、サイト集客をしていけばよいでしょうか。WEBサイトには1枚のチラシのように文字数や画像の制限がありません(実際はある程度の制限はありますが)。
だから、文字や画像を駆使し丁寧な商品の説明が可能なのです。しかもレイアウトはある程度自由。コンテンツ次第ですから、先生ビジネスの商品がその特徴故に、サイト集客に向かないとは言い切れません。むしろ価値が伝わりにくい商品だからこそ、レイアウト自由なWEBサイト集客をしていくべきなのです。
先生がWEBサイトを活用する上で目指すこと
お客様は一般的に対象を認知し、信頼してからモノを購入します。先生ビジネスの商品はフロントエンド(セミナーや低額の有料コンテンツ提供)からハイエンド(詳細なノウハウ提供や個別サポート、先生ビジネス本来のもの)へと流れていきます。
ハイエンド商品は特性上、お客様が先生を信頼し、対面での提供が不可欠であるため、WEBサイトだけで「契約」まで至ることは困難です。従って、先生ビジネスにおけるWEBサイトの役割は、以下3点の「集客」に絞られるのです。
(1)見込み客を獲得する
(2)見込み客に先生の存在や商品を認知してもらい、コンテンツを通じて信頼性を獲得する
(3)既存顧客と信頼関係を深める
サイト集客はトリプルメディアを意識
では、具体的にどのようにWEBサイト集客をしていけばよいでしょうか。一般的にWEBマーケティングではトリプルメディアを意識するとよいとされています。
トリプルメディアとは
1.オウンドメディア:公式サイトやブログ、メディア等ご自身で運営・発信するもの
2.アーンドメディア:SNSを指し、コンテンツ発信するとともにユーザーと相互にコミュニケーションをはかり、間接的に評判や信頼を獲得するもの
3.ペイドメディア:費用を払い広告を掲載するもの
先生ビジネスは基本的に一人で行うため多額の費用はかけられないと推察します。従って1、2に絞ってみていきます。補足として現在は、オウンドメディアとアーンドメディアの境目が無くなりつつあるといわれています。
1.オウンドメディア
・公式サイト
先生ビジネスのご自身サイトですね。その目的はサイト集客にあたって、先生ビジネスの認知、イメージ向上、商品の紹介です。その目標は、見込み客情報の獲得であり、契約ではありません。
ご自身のターゲット(ペルソナ)、商品(提供できる価値)、USP(独自の強み)が明確になっていることが大前提です。
これらをコンテンツに落とし込んでいくのです。ご自身の作り込んだUSPを反映させ、他の先生と何が違うのか、どんな価値を提供できるのかをメッセージ、写真、動画を活かしてコンテンツを作っていきます。
自己紹介ではなく「あなたの抱える問題を解決していきます」と、問題と解決策をストーリー仕立てで述べていきます。見込み客があたかも相談に乗ってもらい、読後、自身の問題が解決するかもしれないと期待感を持ってもらう構成が重要です。
そこにはご自身のノウハウをふんだんに盛り込み、最後にもっと情報が知りたい場合はメルマガ、セミナーへと誘導し、見込み客情報(メールアドレス等)を獲得することでサイト集客を成功に導きます。
・ブログ
公式サイト更新は頻繁にできませんが、専門家としてのノウハウ、業界情報、先生ビジネスの商品情報(メリット)、お客様のエピソード、それにまつわる裏話等、公式サイトのコンテンツを補完し、見込み客の先生に対する認識をアップデートさせる役割があります。こまめな更新は読者を見込み客に変え、サイト集客に繋がります。
・メールマガジン
セミナー参加者やブログの読者登録した見込み客に対し、継続的に情報を発信していきます。SNS全盛期においてメールマガジンは、以前ほどサイト集客に効果はないと思われがちですが、住所(アドレス)に直接配信されるため、見込み客と先生の心理的な距離感をぐっと縮めることができます。
内容は先生ビジネスに絡んだ日々のネタ、最新の専門情報まで幅広く、継続して配信するのがよいとされています。公式サイトによる集客を補強するツールにあたります。
2.アーンドメディア
SNSは、公式サイトへ誘導する強力なサイト集客ツールです。ですから具体的なSNSのご説明の前に、全般的な特徴を述べておきます。SNSはオウンドメディアを補完し、SNSユーザーをオウンドメディアへ繋ぐ役割を担っています。様々なSNSが存在しますが、共通するのは以下3つの機能です。
(1)人を集める
(2)投稿を好んで読んでもらい、相互にコミュニケーションを取る
(3)商品を認知し、広めてもらう
SNSを活用することで、オウンドメディアにたどり着かないユーザーを見込み客に変えることができます。また、既存顧客に対しては、継続的なコミュニケーションツールとして信頼関係の維持を図ります。
SNSユーザーの特徴をWEBサイト集客に活かす
一般的にSNS記事に対するユーザーの態度は、積極的な情報収集ではなく流し読み程度といわれています。ですから、先生ビジネスに関連する内容を「興味があればお読みくださいね」と軽くお勧めするのがよいとされています。積極的にオウンドメディアやセミナーへ誘う強引な投稿は敬遠され、サイト集客につながりません。
投稿記事にオウンドメディアのリンクは貼っても「参考程度」にクリックしたもらう程度で認識しておくとよいです。
WEBサイト集客としては遠回りのようにみえますが、先生ビジネスは、究極的には相談解決型であり「売らない」ビジネスです。ですから、受注変動を回避するには、顧客との長期的な信頼関係を作っていくことが最も重要なのです。そのためにSNSが存在するのです。
いずれのSNSを利用しても、継続して情報発信し続けることが不可欠です。
サイト集客に効果的なSNS
基本無料(Facebook広告は有料)、登録は実名です。メインユーザー層は30~40代です。実名登録のためフェイク情報が少なく、炎上しにくい特徴があります。Twitterと比べて専門的な情報を、写真や動画を使って長文で発信できます。
以下の機能を活用できます。
- 「イベント告知」イベント、セミナー情報の案内
- 「タイムライン」文章、写真、動画を発信、返信機能で相互にコミュニケーションを取る
- 「いいね!」「シェア」読者が記事に対しアクション
中でもイベント告知はユーザーに直接告知できるため、WEBサイト集客に非常に役立ちます。また、タイムラインを利用して専門的な情報を発信し、実名の読者と相互にコミュニケーションを図り、他SNSよりも強い信頼関係を構築できます。その結果、サイト集客をアップすることに繋がるのです。
140字のメッセージ(ツイート)で成り立つSNSです。無料で複数のアカウントを作成できます。登録は匿名、実名のどちらも可能です。メインユーザー層は10~20代です。
以下3つの機能を活用し、フォロワー(指示してくれる人)を増やしていきます。
- 「ツイート」メッセージを発信
- 「リプライ」他人のツイートに返信や質問
- 「リツイート」自分が気になったツイートを他人に広める
Twitterはリアルタイムな情報が好まれ、リツイートによる拡散性の強さが特徴です。良くも悪くも情報が一気に広まるためメリット・デメリットはありますが、先生ビジネスにおいては専門情報を気軽に発信できます。最新の専門情報を頻繁にアップすれば、先生の専門性を担保でき、サイト集客の強力な助っ人になります。
先生の商品ごとに複数のアカウントを利用して、1つは時事ネタ、もう1つはご自身の商品について等情報発信源を使い分けることもできます。
最近では写真や動画をメインにした情報発信も活発です。画像や動画は文字よりも視覚に訴える要素が大きく、印象に残りやすいです。Instagramも他SNSと同様にフォロワーを増やし、相互にコミュニケーションを取ることで関係性を深めていきます。画像がメインとなるため、サイト集客においてはご自身のビジネスと親和性があるか見極めが必要になります。
集客できるWEBサイトはどうやって作る?
さて、様々なメディアの特徴を述べてきましたが、公式サイトはご自身で作成されますか?専門家に依頼しますか?どちらがよいかは一概には言えません。高額ですが専門家に依頼すると見栄えのよいものができます。一方でWordPress等を利用すれば、過去に比べればご自身でサイトを簡単に作成できます。
ですが、やはりコストに余裕があるならば、公式サイトは「顔」でもありますから専門家に依頼して、ブログやSNSはご自身で作成というのが、サイト集客においては効果的かといえます。
WEBサイト作りは商品づくりの一環です。見込み客、顧客の反応をみながらPDCAを意識し、サイト集客がアップできるように常にアップデートをしていかなければなりません。
サイト集客で意識すべき技術的側面
WEBサイト作りにはいくつか注意点があります。
・ランディングページ
商品やサービスを売ることに特化した1枚のページです。先生ビジネスでは、見込み客情報の獲得が該当します。商品説明、無料のノウハウ提供等の紹介から低額のセミナーや冊子等の申込まで、ひとつのページで完結しており、「縦長のページ」と呼ばれています。先生側は特定ターゲットに絞ってページを作成でき、読み手側はスクロールするだけで負担が少ないというメリットがあります。
このランディングページで商品、USPをどれだけ表現できるかがWEBサイト集客の成否に大きく影響します。
・アクセス解析
サイト集客を成功させるには分析が不可欠です。WEBサイト内で仮定したとおりにユーザーが行動したか、ランディングページまで行き付いたかを把握しなければ、より効果的なサイトへ更新できません。最近はgoogleアナリティクスを利用して無料で分析できます。サイトのアクセス数、セッション数、ユーザーの属性、経路分析、ページごとのビュー数を把握することができます。
・コンバージョン
サイト集客の目標値ですね。WEBサイトの存在意義、サイトを使ってどうしていきたいのかを明確した上で、サイト訪問数、ランディングページでの顧客情報獲得数など具体的な数値を設定します。
リアルとWEBは必ず連動を
WEBサイトを通じて、見込み客に「先生の話をもっと聞きたい、実際に会ってみたい」「仕事をお願いできるだろうか」と認識してもらい、フロントエンド商品である「セミナー」へ出席してもらえれば「サイト集客」の第一段階は成功といえます。
そして、セミナーへ出席した見込み客が、リアルの場では個別相談、WEB上ではメールマガジンを購読し、SNSを通じてコミュニティに参加することで関係性を深め、「自分が抱える問題を解決してくれるかもしれない」と価格以上の期待価値を持ってもらえれば、バックエンド商品の購買へ繋がり、サイト集客は大成功です。
まとめ
先生方が効率的にビジネスを行うにあたって、WEBサイトは強力な集客パートナーです。自動的にサイト集客ができるサイクルが確立できれば、受注変動を平準化でき、安定した収益を見込めます。今後の活動計画も立てやすくなります。サイト集客は、配信コンテンツを通じて、見込み客発掘と彼らとの信頼関係構築が不可欠です。情報発信はご自身の営業活動であり、ご自身の商品価値づくりの一端です。ある程度の時間を使って積極的にサイト集客していきましょう。
文:藤﨑麻美子(中小企業診断士)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部