集客は戦略的に! セミナー開催における集客ノウハウ

Last Updated on 更新日2018.7.3 by

先生業にとってセミナーは、営業手法の一つであり、自分自身がその道のプロとしての実績を積む方法でもあり、さらにノウハウを高単価に提供するためのベースをつくる手法でもある非常に重要なツールです。

近年セミナー開催のハードルが下がり、多くのセミナーが開催されています。2018年4月には、大手セミナーポータルサイトの「ストリートアカデミー」が日本経済新聞に取り上げられました。登録先生は13,000人に上り、個々人の経験やスキルを活かしたセミナーを開催しています。そうしたセミナーが多数存在している中で、セミナーの集客を成功させるためには、ただやみくもに動くのではなく、狙いをもって取り組みを進める必要があります。

本記事では、先生業にとって集客ツールでもあり、高単価で契約を結ぶうえでもポイントとなるセミナーについて、自主開催する際の集客手法をご紹介します。

 

セミナー集客の際に意識したい方程式

 

セミナーの集客、皆さんはどのように進めようと考えますか? ポータルサイトへの登録、ダイレクトメールやチラシの発送など、様々な施策を思い浮かべるかもしれません。いずれの方法も集客においては有効な方法であり、どんどん実践すべき手法であると言えます。

一方で、せっかくの集客施策も、ただやみくもに取り組んでも効果は薄まってしまうものです。セミナー集客をより戦略的に、より効果的に行うために覚えておきたい方程式をご紹介します。

 

集客数=Σ(集客施策の閲覧数×申込率)

 

上記の集客方程式を分解して検討することで、狙いをもったセミナー集客が可能となるのです。具体的に確認してみましょう。

 

  • 集客施策の閲覧数・・・集客施策とは、セミナーポータルサイトへの投稿やダイレクトメールやチラシの発送などを指します。閲覧数とは、例えばセミナーポータルサイトにおいてはご自身のセミナー紹介ページのページビューを指し、ダイレクトメールやチラシであれば相手に内容を読んでもらえた数を指します。
  • 申込率・・・先程の施策を閲覧してくれた方々が実際に申し込みに至る確率を指します。
  • Σ・・・集客施策そのものの数を指します。複数のセミナーポータルサイトへの登録やダイレクトメールやチラシなどの施策数自体を増やします。

 

以降、各項目について、その考え方や具体的な方法を紹介していきます。

集客施策の閲覧数を向上させる

まずはセミナーの内容を受講対象の方々に認知してもらうための方法をご紹介します。

セミナーの存在に気付かせ、開催案内の内容を認知してもらうためには

練りに練ったセミナー企画。資料もトークも準備万端。練習の成果を披露するぞ! しかし、そもそもセミナー自体の存在に気づいてもらわなければ、当然のことながら申し込んでもらうことはできません。セミナー開催にあたっては、まずはご自身の開催するセミナーの存在を認知してもらう必要があるのです。

ひらめき

マーケティングの分野においては、消費者の購買行動プロセスとして「AISAS」モデルがしばしば持ち出されます。これは、2004年に広告代理店大手の電通が提唱した消費者の購買行動プロセスであり、以下の一連の流れを示したものです。

A(Attention):認知・注意・・・対象品の存在を認知する

I(Interest):興味・関心・・・対象品が自分に関係あるものとして興味を示す

S(Search):探索・・・購入前に検索サービスで対象品の情報を調べる

A(Action):行動・・・対象品を購入する

S(Share):共有・・・ブログやSNS、クチコミサイトなどで対象品の情報(感想など)を投稿する

 

自主開催セミナーにおいては、まずは受講対象の方々にご自身のセミナーの存在を認知してもらい(Attention)、そのセミナーが受講対象の方々に関係あるものとして興味を持ってもらう(Interest)プロセスを検討する必要があります。その結果として、詳細な開催案内情報を調べてもらう(Search)ことにつながり、それが「集客施策の閲覧数」を上げることになるのです。

それでは、どのような手順で進めれば良いのでしょうか? ポイントをご紹介します。

あなたの想定するお客様は誰か?

昨今、消費者は膨大な情報に晒されています。そうした環境下では、いかに「自分に関係のある商品である」ことを訴求するかがポイントになります。逆に言うと、「自分には関係ない」と思われた商品は、瞬く間にスルーされてしまい、消費者にとっては存在していないものとなってしまうのです。皆さんも経験があるのではないでしょうか?

よって、ご自身のセミナーについても、ターゲットとなる受講者の方々に「自分に関係がある」と思わせることがポイントとなります。具体的には受講者の目に最初に映る「セミナーのタイトル」を工夫することが重要です。その結果、例えばセミナーポータルサイトにおけるご自身のページの閲覧数増加につながりますし、DMであれば捨てられずに内容を確認してもらいやすくなるのです。

ターゲットとなる受講者の方々の注意・関心を引き出すセミナーのタイトルを検討する上で重要なのが、ご自身のセミナーのターゲット像の絞り込み――ペルソナの設定です。

マスカレード ~仮面舞踏会~

ペルソナとは、ジオグラフィック(地理学的属性)やデモグラフィック(人口統計学的属性)などの従来のターゲット想定とは異なり、あたかも実際に存在する人物のように、年齢や性別、家族構成、職業、休みの日の過ごし方、価値観などの設定をします。ペルソナは、当該品の典型的なユーザー像を指し、そのペルソナが好むような商品を企画するのです。

セミナーの集客においては、想定するペルソナがどのような時間帯ならセミナーに参加しやすいのか、開催場所はどの地域を好むのか、どのような価格帯が好まれるのか、どのような悩みを抱えているのかなどを検討し、セミナーを設計していきます。そして、セミナーのタイトルも、想定するペルソナが思わず申し込みたくなるようなものを検討するのです。さらに、集客施策も想定するペルソナの目に止まりやすい手法を検討するのです。

あなたがアクセスしたいと想定されるペルソナは、どのような人物像でしょうか?

ペルソナが反応するキャッチコピーの検討

セミナーの集客において、その成果に大きく影響を与える要素として、セミナータイトルが挙げられます。想定するペルソナが「自分に関係がある」「受講しなければ」と思えるようなキャッチーなタイトルを検討するのです。そうでなければ、せっかくセミナーの集客施策を実行しても、その他多くの情報の中に埋もれてしまい、肝心のセミナー内容の確認までたどり着かないという事態になってしまいます。

ビジネスアイデアのイメージ

キャッチーなタイトルを検討する具体的なコツとしては、例えば以下のような切り口があります。

  • 自分事化・・・具体的には「あなた」という単語を使用すると良いでしょう。例えば「あなたの周りでこんなことありませんか?」といった表現を記載し、ペルソナの周囲で起こっていそうな事象を記載するなどです。
  • 数字の活用・・・数字を入れることで具体的になります。具体的には、「2時間で押さえる」「△△をするための3つのステップ」などです。
  • アフターの提示・・・想定するペルソナがなりたい姿を記載します。集客においてはとても大事な要素となります。
  • 感情に訴える・・・人間は物事を決定する際には、感情で決定すると言われます。例えば「注意喚起」のイメージで検討すると感情に訴えやすくなります(「知らないと損をする」などの表現です)。

 

いかがでしょうか。普通のセミナータイトルもわずかな工夫でキャッチーなセミナータイトルとすることが可能です。ペルソナが興味を惹かれるセミナータイトル、ぜひ検討してみてください。

こうした方法により閲覧数の増加を図ります。閲覧数が増えたら、次は申し込み率を増やすべく、告知文を検討します。

申込率を向上させる

続いてセミナー内容を閲覧してもらった後、申し込みに至る確率を増やすための方法をご紹介します。集客上ポイントとなるのは、ペルソナが反応する要素をいかに告知文の中に盛り込むかです。

告知文の検討

告知文とは、セミナーの基本情報(開催日や開催場所)や内容などを紹介するための文章のことです。先程から登場しているペルソナをイメージし、ペルソナが是非とも参加したくなるような文章を検討します。要素としては、以下の内容を盛り込みます。

  • セミナーのタイトル・・・集客で最も大事な部分です。前節で紹介した切り口を用いて、キャッチーなタイトルを検討しましょう。
  • セミナーの内容・・・こちらも集客において大事な部分です。どのようなことを教えるのか、どのような形態で進行するのか(講義中心、ワークショップ形式など)を記載します。後程ご紹介する切り口も意識し、読み進めるうちに申し込みたくなるような内容を検討しましょう。
  • タイムテーブル・・・セミナーの目次のようなものです。あまり細かすぎず、概要がわかるようにすると良いでしょう。
  • 期待効果・・・想定するペルソナの悩みが解決し、ありたい姿を実現した状態を記載します。セミナーコンテンツを検討する際にも、期待効果を意識することがとても大切です。例えば「競合との差別化ポイントを踏まえた自店PRポイントが見つかる」などです。
  • 受講対象者(ターゲットイメージ)・・・ペルソナが「あるある!」と思うようなターゲットイメージを記載すると良いでしょう。例えば「商品には自信があるのに思ったより売り上げが伸びず困っている方」などです。
  • 講師プロフィール・・・講師のプロフィールも宣伝です。なぜ自分が登壇するのか、そのコンテンツにふさわしい講師なのか。自分自身のキャッチフレーズや経験、実績を記載し、アピールしましょう。
  • 開催日時・・・ペルソナが参加しやすい日程を検討し記載します。受付開始時間(開場時間)と開始時間の両方がわかるようにすると良いでしょう。
  • 開催場所・・・ペルソナが参加しやすい場所を検討し記載します。基本的には住所とビル名を記載すれば大丈夫ですが、入り口付近の様子やエレベーターの有無、付近にコンビニなどがあるかを記載しておくと親切ですね。
  • 料金・・・ペルソナが参加しやすい料金を検討し記載します。安ければ良いとは限りません。むしろ低価格セミナーには参加しない受講者もいます。ご自身の想定するペルソナに合った料金はいくらなのかを考えましょう。
  • 持ち物・・・特にPCなどが必要な場合は記載しましょう。
分析資料と向かい合う人の手

上記の中でも「セミナーの内容」については、前述したキャッチーなタイトルを検討する際の切り口も有効ですし、加えて以下の手法も効果的です。

  • 問いかける・・・セミナーを受講すると答えられるような質問を読み手に投げかけることで、受講することの必要性を考えさせる。
  • セミナーの一部分を紹介する・・・ほんの一部分だけ内容を教えることで、もっと知りたいと思わせるようにする。
  • 限定性・・・申し込みに際して、期間限定で特典があるなどを示します。早割なども該当しますが、早割期間後は集客力が落ちる傾向がありますので、早割期間後は早割をしていたことに気づかれないようにする等の工夫が必要です。
  • 過去受講者の声・・・集客力に与える影響が大きいです。アンケートで声を集めるようにしましょう。

 

こうした方法を活用しながら、どのようなセミナーを開催するのかが伝わるような文章を検討することで、申し込み率の向上を図ります。

施策数を増やす

これまで閲覧数の増加、申し込み率の向上に向けた方法をご紹介しました。両者を意識的に強化することで、申込数の増加を図ることが可能となります。 ここでは、そうした状態で施策数を増やす方法をご紹介します。

セミナーポータルサイトの活用

世の中には多くのセミナーポータルサイトが存在します。セミナーズ、peatix、ストリートアカデミー、セミナー情報.com、こくちーずなど、集客に役立つサイトが存在しますが、サイトごとに以下のようなポイントで特徴が異なるので、その違いを意識して活用すると良いでしょう。

  • 会員登録の有無
  • 登録している層の違い
  • 決済機能の有無
  • 手数料の有無

パソコンと手

その他施策

多くの手法が存在します。集客においては、何れも想定されるペルソナにアクセスしやすい方法を活用することが大切です。

  • ダイレクトメールやチラシ
  • ご自身のメディア(ホームページやブログ、SNS、メールマガジンなど)
  • 他の先生と協力して集客する(他の先生のセミナー運営をサポートする代わりにチラシを置かせてもらうなど)
  • 異業種交流会への参加

 

自主開催セミナーにおいては集客がどうしても課題となりますが、その方法は多岐に渡ります。閲覧数の向上、申し込み率の向上を図ったうえで、集客施策は積極的に実行していきましょう。

上昇グラフと人

集客結果を評価し次につなげましょう

最後に、実際にセミナーを開催した後も、その集客がどうだったのかを振り返ることで、質を向上させることが可能となります。具体的には、受講者に対するアンケート調査により、集客施策を見直すことが可能となります。

  • どうやってセミナーを知ったのか(閲覧数向上に向けた質問)
  • 申し込みの決め手は何か(申し込み率向上に向けた質問)
  • すぐに申し込んだか、なぜすぐに申し込まなかったか(申し込み率向上に向けた質問)

上記の質問をアンケートに加え、ご自身で回答をストックすることで、集客においてもPDCAを回して取り組むことが可能となります。皆さんのセミナー集客が成功されることを祈っております。

文:北田健太(中小企業診断士)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部

 

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