Last Updated on 更新日2020.1.27 by 44@jyuku
【成功事例インタビュー】ドン底からNo.1営業コンサルタントに~高杉 亮太朗~
会社員時代、保険のセールスで300名中No.1の成約件数や、展示会出展をしている企業の支援・コンサルティングを遂行するという、輝かしい実績を持つ高杉 亮太朗さん。
現在は独立し、心理学・コピーライティング・NLPなどを駆使した紹介営業コンサルタントとして、多くの企業にコンサルティング・研修を行っています。また、その傍ら、志師塾(先生業のための専門ビジネススクール)で講師として登壇もされています。自らのノウハウを惜しみなく伝え、顧客に脚光を浴びてもらうことが、経営理念。その人生を追いました。
この記事の目次
セールスに成功する人の共通要因を分析した若手時代
高杉さんの社会人のスタートは、JCBカードでの営業でした。最初は、顧客にひたすら電話をかけることが仕事。しかし、何百回も電話をかけるものの、まったく成約がとれない日が続き、高杉さんは悩みます。
「なぜ売れないんだろう? どうしたら売れるようになるのだろう? これはちゃんと分析しないといけない。」
そこから高杉さんのストイックな生活が始まりました。誰よりも朝早く出社し、顧客との会話を録音した音声を何度も聴き、文字起こして、トップセールスのトークを分析します。時には、だれか人を捕まえてトークのロールプレイングをすることも。
こうした研究者のような日々を何年も続けているうちに、
「この順番では話せば、お客様はこう返すんだな」
と気づき、それまで抽象的だったセールスというものが体系的に整理されていく感覚を持つようになったのです。その感覚をより具体化すべく、検証と実践を繰り返していった結果、自分なりの顧客獲得の手法が確立されていきました。
そして、入社5年目にして、300人いたセールスの中で、トップをとるまでになったのです。
次なる新天地を求めて
トップセールスとなった高杉さんの名声は知れわたり、ある展示会の主催会社からヘッドハンティングを受けます。
「ついに次のステージだ!という感覚はありましたね。」
個人向け(BtoC)で成果を出した高杉さんが、法人向け(BtoB)にも挑戦したいと思っていた矢先のこと、その展示会の主催会社への転職を決意します。そこでのミッションは、出展企業の獲得と、その企業の展示会を成功させる仕掛けづくりでした。
展示会は、イベントの内容ごとに出店企業や顧客が変わるため、営業方法も千差万別。そこで、どのような言葉が刺さるかなど、臨機応変に変えていく必要があります。高杉さんは、営業戦略の立案やマネジメント、アルバイトに語らせるトークの開発まで、幅広くサポートしました。その結果、それまで培った高杉さんの顧客獲得スキルがいかんなく発揮され、多くの成功事例を輩出したのです。
そして独立へ
「いくつもの展示会を手掛けているうちに、参加している中小企業の社長さんたちに、尊敬の念を持つようになりました。彼らにしてみれば、展示会というのはそれまで何年もかけて開発してきた自社製品の発表の場なんですね。その一瞬に欠けるパワー・集大成を、自信に満ちた表情で語る社長に、まるでスポットライトが当たっているように見えました。そうした社長たちの姿が、とてもかっこいいと思ったのです。」
自分がこれまで生きてきたことや、こだわってきたこと、磨いてきたこと。
それを使って人にサービスを提供することの素晴らしさ。展示会の社長たちの姿を見て、高杉さんは自分もそうなりたいと思うようになります。これが、独立するきっかけでした。
現実を思い知った独立直後
営業コンサルタントとして独立に踏み切った高杉さん。とはいっても最初から顧客がついているわけではありません。顧客を得ようと、たくさんの異業種交流会に積極的に参加します。
「”営業ノウハウをたくさん持っている”という自負はありました。しかし、ある異業種交流会で『あなたは胡散臭い』とはっきり言われてしまったのです。自分自身の価値が伝わらない。それがとても悔しかったですね。」
このときの高杉さんは、とにかく顧客を得ようと、意気込んでいました。まずは実績を作るため、料金を格安に設定。これを「モニターチャレンジ」と名付け、1コマ1時間のコンサルティングを合計9回受けてもらうコンテンツを開発したのです。全9回のコンサルティングを受けてもらって、料金はたったの21,600円。3か月間のプログラムなので、一人につき1カ月あたり7,000円という計算でした。
コンサルティングを受けた顧客のほとんどが、内容に満足し、評価も上々。クチコミがどんどん広まって顧客も増えていき、半年間でクライアントが100名を突破、1日で10回のコンサルティングセッションを休みなしで継続する毎日が続きました。そしてついに、身体も限界を迎え、倒れてしまったのです。
自らの顧客獲得コンサルティングに自信を持って独立したものの、心身ともに疲弊し、苦しいスタートとなりました。
志師塾との出会い
「自分の単価を上げなければならない。でも、どうすれば・・・」
と、高杉さんは悩みます。
そうした時に、高杉さんの目に、一冊の本が飛び込んできました。それが、志師塾塾長の五十嵐和也著『あなたの先生ビジネスは絶対儲かる!』(秀和システム)だったのです。
「体系的でかつ再現性が高い内容が書かれていることに驚きました。これなら単価を上げることができる!そう感じましたね。」
高杉さんは、そのノウハウを学ぼうと、すぐに志師塾への入塾を決断します。
志師塾の講義は、目からウロコの連続でした。特に高杉さんが効果を実感したのは、経営理念から事業コンセプト、販売戦略、Web集客までを一貫するノウハウで、自分のコンテンツを大きくブラッシュアップできたこと。
志師塾の講義を終える頃には、自らの主力商品となる「紹介営業コンサルティング」というコンテンツ開発を実現させます。ここからはトントン拍子でした。顧客の増加はもちろん、志師塾に入る前の単価が5.4倍に上がったのです。しかも、クライアントが喜んでくれる。例えば、ある不動産投資業の方は、高杉さんのコンサルティングで成約件数を2倍に増加させるなど、成果が続出したのです。現在は、紹介営業コンサルティングを軸にしつつも、大手企業の研修講師など、活躍のフィールドを大きく広げてきました。
このように、大活躍していた高杉さん。ある日、志師塾の五十嵐塾長から声をかけられました。
「高杉さんのように、志師塾のノウハウを活用して大活躍している人にこそ、志師塾で教鞭をとってほしい。」
当初、志師塾に生徒として入った高杉さんでしたが、士業やコンサルタント・講師・コーチ業など、いわゆる“先生業”の多くの方が悩んでいる姿を見て、今度はそういった方をサポートしたいという気持ちが高まり、自らの事業に、「志師塾の講師」を加える決断をしたのです。
志師塾の講師の魅力
志師塾では、単なる講義だけではなく、個別のコンサルティングサポートが最大の魅力になっています。この個別サポートをやる魅力について、高杉さんはこう言います。
「1対1のコンサルティングをしている中で、事業コンセプトなどがカチっとハマる瞬間があります。この時、『そっか、おれのやっている仕事は社会の役に立っているんだな』と、目の前がひらけたように笑顔で帰っていく姿をみると、この仕事をしていて良かったと思いますね。」
高杉さんは、「志師塾の講師は、本人の中にある答えを引き出すものだ」とも言います。やりたいこと、できること、求められていること。この3つが重なるところを探すお手伝いをすることなのだと。
「お話を伺っていると、感覚的にその円の重なるところが見えてきます。でも、私から“こうしたらいいよ!”と言ってもダメ。人は自分の頭で考えたことでないと動かですよね、なので、自分で見つけることが大事なのです。その答えまで導くお手伝いをすることが、私の仕事だと考えています。埋蔵金のありかを共に発掘するイメージが近いでしょうか(笑)。このあたりだと思うんだけど・・・。どこにあると思います? といった感じですね。」
今度は“スポットライトを浴びせる”側へ
「世の中には、いいものを持っている人はとても多い。しかし、ビジネスで充分な成果が出せなかったり、日の目を浴びることのない人が多いのも事実です。昔の私自身がそうでしたから。そういった人たちにスポットライトを浴びせられるような支援をしたいと思っています。スポットライトを浴びた人が、また誰かに対して浴びせられる人になる。そのような連鎖ができると日本はもっと元気になると信じています。」
最後に教えてくれたのですが、実は高杉さん、以前にダンサーだった時期があったようです。そこで浴びていたスポットライト。今は営業コンサルタント・講師として、成功を志す多くの方にスポットライトを浴びてもらいたい!という想いで活動をされています。その光を浴びた方が、やがて誰かに光を当てる側となる。そのような連鎖を実現するため、高杉さんは今日も全国を駆け巡っているのです。
文:石井里幸(中小企業診断士)/編集:「先生ビジネス百科」編集部