ファイナンシャルプランナー(FP)のための効率的な集客システム構築方法

Last Updated on 更新日2019.5.13 by 44@jyuku

先生業のビジネスを継続するうえで、集客は避けて通れない活動です。ファイナンシャルプランナー(FP)であっても、それは例外ではありません。しかしながら、多くの実績を積み、顧客の課題を解決する能力が高いファイナンシャルプランナー(FP)であっても、簡単に集客ができるとは限りません。実は、ファイナンシャルプランナー(FP)の先生が効率的に集客する方法が存在します。時間を割かず効率的に見込み客を集めるにはどうすればよいのでしょうか。本記事では、ファイナンシャルプランナー(FP)である先生が実行すべき集客の方法をご紹介します。

集客とはなにかを理解しよう

ファイナンシャルプランナー(FP)に限らず、先生はなぜ集客をする必要があるのでしょうか。それは、新規顧客を獲得し、先生のビジネスを発展させていくためです。そのためには、将来顧客になりうる見込み客に、先生のサービスを知ってもらう必要があります。サービスの一つである、個別相談サービスには、以下の特徴があります。

・無形である(形がない)
・高額である

まず、個別相談には目に見える形がありません。生産と消費が同時に行われるというサービス特有の特徴があります。目に見えないので、その効果は伝わりにくいことが多いです。
また、個別相談はたいてい高額です。個別相談は顧客ごとにカスタマイズされたサービスであるので、一度に大量に生産できず、単価が上がるからです。

見込み客の立場から考えると、形がなく高額である先生のサービスを簡単には購入できないでしょう。先生がそのハードルを下げるためには、見込み客にサービスの必要性を伝え、直接会って説明することで理解していただく必要があります。
そして、先生の立場から考えると、集客は効率的に行う必要があります。そうでなければ、先生はサービスの開発に注力する時間を確保できず、質が低下してしまいます。効率的な集客の仕組みはWebを使って構築することができます。

このように、サービスの特徴、購入者である見込み客の立場、提供者である先生の立場を考えると、ファイナンシャルプランナー(FP) が行うべき集客というプロセスは以下の3つの手順に集約することができます。

1. 優良な見込み客のリストを集めること (メールアドレスを収集する)
2. 見込み客との関係性を構築すること(先生の専門性と人間性を伝える)
3. 関係性のあるリストから、目の前に連れてくる(無料セミナーへ誘導する)

そして、それぞれの手順を実行するために、ファイナンシャルプランナー(FP)が採るべき行動を紹介していきます。

集客のプロセスを理解しよう

見込み客のリストを収集する

集客の第一歩は、見込み客のリストを収集することです。見込み客が先生に問い合わせをする経路には何があるでしょうか。それは大きく分けて2つあります。Web経由とリアル経由です。

Web経由とは、見込み客がWeb上にある先生のブログやSNS、あるいは広告などの情報を見て問い合わせを行うことです。リアル経由とは、見込み客が既存顧客の口コミや先生の人脈を伝って問い合わせを行うことです。もし、ファイナンシャルプランナー(FP)が独立前に勤めていた企業で培った人脈があり、あるいは既存顧客の口コミを十分に期待できるのであれば、それらを活用することで見込み客を獲得できるでしょう。

しかし、優良な見込み客のリストを効率的に集めるという点ではWeb経由のほうが有利です。なぜなら、Webで仕組みを構築したほうが、リストの収集や管理を自動化できるからです。そしてその仕組みを、見込み客のメールアドレスを収集するランディングページで作ります。

ランディングページとは、1つの商品やサービスを売るための縦長のページです。先生のブログや広告を見て、アクセスしたときに最初に現れます。ランディングページの構成は、上から順に大きく分けて次のようになっています。

1.興味づけ
2.価値教育
3.行動要請

♦ 見込み客の興味を引き付ける
まずは、訪れた見込み客の興味を引き付けましょう。そのために、そのサービスが誰向けのメッセージであるかを明確にし、見込み客が享受するメリットを具体的に提示します。ここでは例として、ファイナンシャルプランナー(FP)のサービスを、「成人した引きこもりの子を抱える親の資産管理サポート」としましょう。

見込み客となるターゲットは、60代から70代の引きこもりの子供がいる親になりますので、ランディングページの最上部(ヘッダー)には、「40代の引きこもりの子の将来が心配な親の方へ」などとします。

メリットには、先生のサービスを受けるとどのような状態になれるかを具体的に書きます。たとえば、「親が亡くなった後でも、子が経済的に困窮しないで済む資産管理ノウハウがあります」と表現すると、見込み客は資産管理ができるようになると思うでしょう。さらに、「どれくらいの資産を子に残せばよいかわからない」、あるいは「働いている兄弟姉妹がいるが、相続をどのようにすればよいか悩んでいる」など、共感できる悩みを入れておけば、見込み客の興味を引き付けることができます。

♦ 見込み客に先生の価値を教える
次に、なぜ見込み客は先生のサービスを受けることが必要か、なぜ先生でなければいけないのかを認識させる必要があります。先生のこれまでの実績や、見込み客が抱える問題、先生のサービス内容を具体的に表現し、サービスを受けたくなる特典、価格などを盛り込みましょう。

先生の実績としては、ファイナンシャルプランナー(FP)としての業務実績や資格のほかに、これまでの挫折体験やそこからの成功体験などプロフィールを盛り込みます。例えば、「自分の長男が就職活動に失敗して10年以上引きこもり、経済的な問題で家庭崩壊の危機に直面した。しかし、こうした悩みを相談できる専門家がいなかったため、自分で勉強してファイナンシャルプランナー(FP)になり、同じ悩みを持つ親のサポートを続けている」などの記述があれば、見込み客は先生に共感することができます。取材実績や顧客の声があれば、それらも盛り込みましょう。

続いて、見込み客が抱える問題をより深く書き出します。「年金や預貯金だけでどれくらい生活していけるのか、毎日心配で深く眠れない」、「引きこもりの子供は資産管理が自分でできないので不安だ」、「自分たちがいなくなった後に兄弟姉妹が面倒みてくれるための準備方法を知りたい」、など、悩みをさらに具体的にしましょう。そして先生が、サービスで問題の解決の方向性を伝えることができれば、見込み客は理想の将来のイメージを描くことができます。

そうすると、見込み客はどうやって自分の問題を解決してくれるのだろうと、先生のサービス内容に関心を持つようになります。ここでは、サービス内容をただ羅列するのではなく、見込み客がサービスを受けたくなるような表現にします。たとえば、「預貯金額だけで将来子に残せる資産を試算できる、簡単な方法」、「兄弟姉妹間で遺産相続がもめないための、親が残しておくべき5つの資産情報」などが効果的でしょう。

さらに、特典を付けて参加したくなる気持ちを後押ししましょう。無料メールセミナーの受講や、ノウハウが書かれた小冊子、現状を分析するチェックシートのプレゼントなどが良いでしょう。価格は最後に載せます。価格で比較されることを防止するためです。このような順序で展開すれば、見込み客は先生のサービスが価値あるものだと認識します。

♦ 見込み客がとるべき行動を示す
ランディングページの最後は、見込み客への行動要請です。先生のサービスに興味を持った場合、どのような行動をとればよいかを提示します。メールアドレスを記入して、送信ボタンをクリックしてもらいましょう。こうして、優良な見込み客のリストが構築できます。

見込み客との関係性を構築する

見込み客のリストが獲得できたら、Web上で見込み客との接触回数を増やし、関係性を構築します。そのツールとして、ブログ、SNS、メールマガジン(以下、メルマガ)、ステップメールがあります。

ブログは、先生の専門性を伝えるのに適したツールです。ファイナンシャルプランナー(FP)が持つ専門的なノウハウは、先生にとっては当たり前の知識ですが、見込み客にとっては新たな気づきになるかもしれません。ファイナンシャルプランナー(FP)の視点ならではの生活費を節約するコツや、公的支援制度の紹介、保険の見直し方などは有益な情報だと考えられます。さらに、顧客の悩みや事例、声などを紹介することで、先生の専門性を伝えることができるでしょう。

SNSは、ファイナンシャルプランナー(FP)をはじめとした先生の人間性を伝えるのに適したツールです。先生がファイナンシャルプランナー(FP)の業務を通じて普段考えていること、感じたことを発信していけば、見込み客は先生との距離感を大幅に縮めることができるでしょう。

メルマガは、見込み客にアプローチするのに適した有効なツールです。ブログやSNSでの情報を伝えるためには、見込み客からのアプローチが必要ですが、メルマガでは先生からアプローチすることができます。ブログの記事を簡潔にまとめた内容を、定期的に発信してみましょう。

ステップメールも有効なツールです。ステップメールとは、ある時点を起点として、あらかじめ用意していた複数の内容が違うメールを、スケジュールに沿って順番に配信する仕組みです。このツールを使えば、見込み客から問い合わせがあったタイミングから、メールセミナーを開始することができます。メールセミナーのテーマが例えば、「兄弟姉妹間で遺産相続がもめないための、親が残しておくべき5つの資産情報」であれば、1メールにつき1情報を記載して、数日の間隔をおいて5通配信します。

見込み客を目の前に連れてくる

先生と密接な関係性が構築できた見込み客は、先生であれば自分の問題を解決してくれるに違いないと認識しているでしょう。しかし、初対面で個別に会うにはまだハードルが高そうです。したがってワンクッション置くために、少人数限定で2時間程度の無料セミナーを開催しましょう。セミナーであれば、複数の見込み客が集まるので、1対1と比べてハードルは下がります。その行動を促すために、メールアドレス収集用のランディングページと同様、セミナー集客用のランディングページを作ります。

無料セミナーを開催する目的は、見込み客と個別相談の契約を結ぶことです。なぜ先生のサービスを受けなければならないのか、なぜ先生でなければいけないのかを見込み客に伝えます。セミナーまでに、ブログやSNS、メルマガで伝えていた内容を忘れてしまっている可能性があります。あらためてセミナーの場で、見込み客に問題を認識してもらいましょう。ここで先生のノウハウを惜しみなく伝えてしまうと、見込み客は満足して帰ってしまいます。顧客を獲得するためのコンテンツを作り上げます。

見込み客に主体的に選択してもらう

無料セミナーに参加した見込み客の中には、個別相談を望む人もいます。ただし、先生から契約を迫ると、押し付けになり拒否反応を起こす可能性がありますので、見込み客から提案をさせます。そのために、見込み客に主体的な行動を促すセリフがあります。それは、「お客様がご自身で問題点を解決なさってもよいですが、お手伝いさせて頂くことも可能です。いかがいたしますか」です。選択肢を与えることで、見込み客は主体的に行動することができるのです。

最後に
この記事では、ファイナンシャルプランナー(FP)の集客についてお伝えしました。集客の目的を確認し、そのプロセスについて具体的な方法を交えて紹介しました。Webを使えば、自動的に優良な見込み客を集める仕組みを構築することができます。なるべく集客にかける時間を減らし、サービスコンテンツの作成やブラッシュアップにかける時間を多くとりましょう。

クレジット:
文:大谷 周平(中小企業診断士 2級ファイナンシャル・プランニング技能士)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部

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