弁護士としての働き方「企業内弁護士」のメリット・デメリット

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かつては弁護士といえば顧問弁護士が一般的でしたが、近年、企業内弁護士が増加しており、多方面から注目を集めています。

今回の記事では、企業内弁護士が増えている背景を紹介しながら、そのメリット・デメリットについて検証していきます。
弁護士の先生や弁護士資格の取得を目指している方々に参考にしていただけたら幸いです。

 企業内弁護士とは

企業内弁護士とは、会社が直接雇用する専任の弁護士のことです。「社内弁護士」・「インハウス・ローヤー」などとも呼ばれます(インハウス・ローヤーは行政庁に勤務する行政庁内弁護士も含みます)。弁護士資格保有者が新卒として、あるいは管理職あるいはその候補として中途採用されるケースもあります。

 企業内弁護士の仕事内容は

企業内弁護士の仕事内容は多岐にわたるので一概には言えませんが、活躍するフィールドによって以下のように分類できます。

大手企業

大手企業ではコンプライアンス業務や国際法務などの書類作成・チェック・管理、他の従業員への法律教育、雇用問題の対応、株主総会対策など、多岐にわたる業務に従事します。特に、金融機関ではM&A業務や与信・受信業務の紛争処理、監査部門など弁護士ならではの活躍が期待される場面が多くあります。

外資系企業

外資系企業では、本国と日本国内との法律や権利に関するチェックや外国語での契約書締結、海外本社からの日本の法令に関する問い合わせなど、法律知識・経験+語学力を発揮しての活躍が期待されています。

その他

私立の学校法人などでいじめに対しての予防対策や発生時の対応を行ったり、社内や業界のルールが整備されていないベンチャー企業にて法律の専門家としてのスキルを発揮したりするケースが最近増加しています。

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 企業が弁護士を雇用する必要性・背景について

企業活動のグローバル化や不正や不祥事のリスク管理の観点から、近年コンプライアンスが重要視されるようになりました。法令違反の際の社会的リスクは非常に大きく、重大な違反があった場合は巨大企業といえども社会から大バッシングを受けてしまいます。リスクが複雑・多様化する中で、対応・対策を間違った場合には、取り返しのつかない事態にもなりかねません。

このようなリスクに対して的確かつ迅速に対応するために、自社や業界について専門的な知識を持った弁護士を雇用する必要性が高まっているのです。

企業内弁護士数の推移について

こうした背景から、企業内弁護士の人数は近年飛躍的に増加しています。
日本組織内弁護士協会の調べによると、2001年9月にはわずか66名だった企業内弁護士が2017年には1,931人にまで増加しています。特に東京ではその傾向は顕著であり、登録弁護士全体における会社内弁護士の割合は10%近くにも上ります。修習期40台以降の若い弁護士に企業内弁護士を選択する割合が高いことからも、こうした傾向は今後継続していくものと思われます。

企業内弁護士のメリット・デメリット

企業内弁護士のメリット・デメリットについて、企業側・弁護士側の両面から見ていきましょう。

企業が弁護士を雇用するメリット

企業側からは以下のようなメリットが考えられます。

コスト削減

顧問弁護士に依頼する場合、作業時間や拘束時間によっては費用が高くかかってしまいます。企業内弁護士を雇用する場合は、コストの削減・安定化を図ることができます。

問題発生に対して的確・迅速に対応するため

社内弁護士は、組織や業界の状況を把握しているためトラブルに対して迅速に対応できます。

コンプライアンスの順守

法律違反をした場合弁護士資格がはく奪されてしまうので、社内弁護士はコンプライアンスに則った行動をします。

弁護士の情報力の活用

特に弁護士事務所で就労経験のある企業内弁護士の場合、幅広い人脈や知識の活用が期待できます。

企業としての信頼度のアップ

企業内法律家が社内にいるということは対外的に大きな信用になります。

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企業内弁護士として働くメリット

企業内弁護士としてのメリットは以下の通りです。

ワークライフバランスの向上

弁護士事務所に勤務する弁護士の多くが、労働時間が長期化したり、休日がしっかり確保できていなかったりする傾向があります。企業では就労環境が整備されていることが多いので、休日が確保できます。2018年2月の日本組織内弁護士協会が取ったアンケートによると、80%以上の企業内弁護士は1日当たりの労働時間が10時間以内におさまっています(図表1)。

あなたの1日の平均的な勤務時間は何時間くらいですか?
(図表1)

選択肢 人数 割合
8時間未満 41 11.8%
8時間~9時間未満 130 37.4%
9時間~10時間未満 121 34.8%
10時間~12時間未満 48 13.8%
12時間~14時間未満 8 2.3%
14時間以上 0 0%

収入の安定

「稼げない弁護士」という言葉を耳にしますが、日弁連が2014年に行った「弁護士実勢調査」によると、収入が200万円を下回っている弁護士が全体の17%以上存在します。一方、企業に就職した弁護士は基本給が確保されます。2016年に日本組織内弁護士協会が行ったアンケートによると、収入が250万円未満の企業内弁護士は1人もいません。

仕事の多様化

一般企業で仕事をすることで、法律問題だけでなく営利活動など幅広い業務にあたることができます。社内弁護士自身の可能性を高め、社会人としてのスキルの向上が期待できます。また、人工知能(AI)などの台頭によって将来仕事が奪われる可能性について指摘がされていますが、社会的スキルを向上させることや企業に就職されることにより社会的に不安定な立場に置かれるリスクを軽減できます。

企業内弁護士として働くデメリット

デメリットと考えられる点について案内します。

年収が減少する可能性がある

稼げない弁護士が一定数いるとはいえ、弁護士の平均年収を比較すると企業内弁護士の方が平均年収は低く、年収としては下がる可能性が高くなります。以下が平均年収を比較したデータです。

弁護士実勢調査(2014年) 組織内弁護士協会アンケート(2016年)
平均年収 2,402万円 1,143万円

ただし、年収としては下がっても時間当たりの収入を計算するとよくなる場合もあることや、企業の福利厚生などを踏まえると額面ほどの違いはないかもしれません。

法律事務所への復帰や独立は困難になる

いったん、企業内弁護士として就職した場合には、法律事務所への復帰や独立は困難になります。毎年弁護士資格者が多く排出される一方で、弁護士事務所からの離職者は決して多くないからです。法律事務所で対応する案件と、企業内弁護士が担当する案件とでは、若干守備範囲が異なるという事情もあります。
頼れる人脈がない限りは、企業内弁護士として仕事を続けていくことになる方が多いでしょう。

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まとめ

社会情勢の変化を受けて、弁護士の先生も働き方が非常に多様化しています。企業内弁護士として就職して専門性を発揮し、企業の中で管理職に就いたり重要な任務を任されたりするのも一つの成功のスタイルといえるでしょう。

企業内弁護士には、安定した立場でワークライフバランスを取りながら、社会的スキルを高めていけるというメリットがあります。一方で年収が下がってしまう可能性があることや、独立や法律事務所への復帰が難しいというデメリットもあります。
弁護士の先生や、ロースクールを卒業し弁護士資格を持った方は、メリット・デメリットを踏まえながら、転職先・就職先の選択肢として、検討されてみてはいかがでしょうか?

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