ファイナンシャルプランナーの営業に大切な3つのキーワード

少子高齢化や長引く低金利、個人所得に関する税制改正などにより、個人のお金に関する心配や課題が増えている中、ファイナンシャルプランナーに対する期待は高まっていると言えます。顧客に営業を行うには、一般的に「誰に」「何を」「どのように」行うのかを考えますが、ファイナンシャルプランナーの顧客の多くは一般個人ですので、顧客の専門知識は高くなく、顧客により知識の差に大きなばらつきありま
す。そこで、ファイナンシャルプランナーが営業する際には「ターゲット」×「わかりやすさ」×「信頼感」の3つが大切と考えられます。

専門性を磨き「ターゲット」を絞る

ファイナンシャルプランニング領域は、ライフプランニング、金融資産運用、不動産運用、リスクと保険、承継・相続などとても幅が広いですが、専門性を高め「ターゲット」を絞るほど、求める顧客にリーチします。顧客からすると、相談したい内容に専門性があり、実績豊富な先生から話を伺いたいと思うでしょう。「ターゲット」を絞ると声がかかりづらいのは、と心配されるかもしれませんが、実績を積むことで、関連する顧客から声がかかるようになります。初めに専門性をしっかり定めることが、成功の秘訣です。

自身のセールスポイントや強みから、「これだ」と言えるものを明確にします。例えば、自身の子育てや転勤などの経験から、教育資金や住宅取得資金の領域を強みにしたり、宅地建物取引業免許とのダブルライセンスから、不動産運用を中心としてアピールしたりすることが、他のファイナンシャルプランナーとの差別化になります。

次に、「ターゲット」を絞ります。例えば、専門性がライフプランニングで、住宅取得による借り入れ計画シミュレーション、住宅取得資金などの贈与税の非課税制度の活用、個人型確定拠出年金(iDeCo)やNISAの活用などの相談が得意であれば、20~40代の独身や共働き夫婦、子育て世代へのアプローチが有効です。ホームページを作成する際には、「ターゲット」を意識して、イラストなどを使用して親しみやすさが伝わるように演出したり、具体的な事例を掲載したりして、相談してみたいと感じてもらう工夫をします。また、SNSを使っている世代ですので、SNSを活用して情報を随時アップデートしていくことが、潜在顧客へ近づき、相談につながりやすくなります。

また、「ターゲット」を社会の関心の高い特定の分野に絞ることで、市場ニーズとマッチできます。例えば、事業承継や相続です。「事業承継マニュアル」によると、中小企業経営者の多くは、70歳前後になっています(出所:中小企業庁2017年3月)。引退年齢が間近に迫っているため、国としても事業承継の際の贈与税・相続税を猶予する事業承継税制を設けています。企業の事業承継は、主に税理士や中小企業診断士などの専門家が対応しますが、経営者個人のリタイヤメントプランニングや保険、相続のアドバイスが必要です。そこで、他の専門家や公的機関との連携による営業活動をしてみましょう。事業承継や相続は案件ごとに異なるため、経験の豊富さや事例のホームページなどへの掲載や執筆が強みになります。顧客は年配の方が想定されますので、相談者の思いをしっかりヒアリングすることから始めましょう。

自身の専門性を高め、「ターゲット」を絞ることが、ファイナンシャルプランナーが営業する上での第一ステップです。

顧客のレベルに合わせて「わかりやすさ」を心掛ける

企業の人事担当や公的機関の担当者が顧客の場合もありますが、サービスを提供する最終顧客は一般個人ですので、「わかりやすさ」が大切です。顧客に営業する時だけではなく、顧客にサービスを提供している際も「わかりやすさ」を心掛けましょう。顧客に「相談してよかった」と思ってもらうことが、次の顧客の紹介につながりますので、ファイナンシャルプランナーの業務自体が営業行為と言えます。わかりやすくするポイントは以下の通りです。

・専門用語を使わないこと
・比較すること
・資料を見やすくすること
・ゆっくり話すこと

難しい試験に合格したファイナンシャルプランナーは、専門知識が豊富ですし、知識のアップデートや補充を欠かさない方も多いでしょう。そのため、配慮はしているつもりでも、知らず知らずのうちに専門用語を使っているかもしれません。例えば、ライフプラン表に出てくるキャッシュフローという言葉は、理解している顧客もいるかもしれませんが、耳慣れないと感じる顧客もいるかもしれません。「収入」と「支出」と言えば、十分に通じます。また、可処分所得は、年収から所得税、住民税、社会保険料を差し引いたものですが、「手取り」と言うと、わかりやすいでしょう。顧客の知識レベルに合わせた言葉使いをしましょう。

制度名など難しい言葉を使わなければいけない時は、内容を説明することに加え、他の制度との違いなどを比較するとわかりやすくなります。例えば、最近導入する企業が増えている確定拠出年金(DC)を説明するとします。この制度の内容を説明しても、すぐに理解することは難しいものです。そこで、年金額が報酬と勤続年数により確定している従来の確定給付年金(DB)との違いを説明することで、わかりやすくなります。
 
顧客に提示する資料も工夫をしましょう。ポイントは見える化です。ライフプラン表はライフイベントにもとづき、平均寿命である90歳くらいまで描きますが、収入や支出の数字の羅列では、短時間で重要なポイントが伝わりません。そこで、収入と支出、貯蓄残高はグラフで表示した上で、住宅購入により貯蓄残高が大きく下がるところや退職により収入が減るところなど、ライフイベントでの転機は印や色でハイライトします。また、ファイナンシャルプランニングにおけるサマリーを用意して、説明のポイントを箇条書きで示すことで、大切なメッセージがわかりやすく印象づけられます。

顧客と面談する際は、ゆっくり話します。初めて聞く情報をすぐに理解することは難しいものです。普段聞き慣れない用語が含まれているかもしれません。そのため、顧客に説明する際は、少し遅いかなと思うくらいゆっくり話し、顧客の表情を見て理解度を確認しながら、話を進めることです。顧客も質問しやすくなり、より理解が深まります。

ファイナンシャルプランナーと顧客では、思っている以上に情報の非対称性があります。保険の説明を受けた時や不動産の賃貸契約の時など、説明がわかりにくい感じたことは一度や二度は誰でもあるのではないでしょうか。顧客の立場に合わせた気配りにより、顧客の満足度が向上するでしょう。

「信頼感」を醸成し、最強の営業ツールにする

顧客が商品の購入やサービスの提供を受ける際に重視するポイントは何でしょうか。品質や価格、納期、実績などを考慮した上で、最終的な判断の要素になるものが「信頼感」です。重要な買い物になればなるほど、失敗したくないという気持ちが強くなり、「信頼感」に対する要望は強くなります。

「信頼感」はどのように醸成するのでしょうか。「信頼感」は自分の行動の結果による相手からの評価ですので、自分で「信頼してください」とアピールしても、説得力はありません。「信頼感」を得るには、業務に対する品質、価格、納期をしっかり守り、実績を一つひとつ積み上げることです。結果として、「信頼感」が醸成され、この人に仕事を依頼しても大丈夫と思ってもらえることで、顧客からリピートの依頼や知り合いの紹介など、次の仕事の獲得につながります。信頼できない人に仕事を依頼することは決してありませんので、「信頼感」の獲得が最強の営業ツールとなります。

日本FP協会の調査によると、ファイナンシャルプランナーの営業方法は、上位から、取引先・知人からの紹介 76.9%、自らのホームページの拡充 28.2%、自主開催セミナーの実施 23.1%、ソーシャルメディア(SNS)の活用 17.3%、業務広告の出稿 5.7%、その他 6.0%となっています(出所:日本FP協会「平成23年ファイナンシャル・プランナー業務調査」)。取引先・知人から紹介を受けるためには、「信頼感」が大切ですので、この調査からも「信頼感」の重要性を確認することができます。

「ターゲット」×「わかりやすさ」×「信頼感」の3つで顧客満足度向上

専門性を深め「ターゲット」を絞ることで、自身の強みを発揮できるようになります。顧客に対して、「わかりやすさ」を第一にサービスを提供することで、「信頼感」を得ることにつながります。「信頼感」を醸成できれば、顧客満足度が向上し、既存顧客からの紹介により、顧客獲得につながります。今回ご紹介した営業方法に取り組み、顧客に貢献できるファイナンシャルプランナーになりましょう。

文/木下岳之(中小企業診断士) 編集/志師塾「先生ビジネス百科」編集部

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