FP技能士、AFP、CFPの資格取得にかかる費用とは?

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Last Updated on 更新日2021.9.13 by 川口 翔平

資格は先生業にとってご自身の能力を裏付ける大切な肩書です。「ファイナンシャルプランナー」は業務独占資格ではないため、資格を持たずともファイナンシャルプランナーを名乗り、業務を行うことができます。しかし、資格はお客様の信頼を獲得する重要な判断基準の一つになります。

独立・開業したばかりである場合、取得しておいた方が有利になるかもしれません。ファイナンシャルプランナーに関する資格には、国家資格である「FP技能士」と、民間資格である「AFP」,「CFP」が存在します。本記事では、それぞれのファイナンシャルプランナーの資格取得費用と維持費用を、モデルケースを交えてお伝えしていきます。

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格概要

日本では、ファイナンシャルプランナーに関する資格は大きく分けると3種類あります。まずは「FP技能士」です。これは国家資格であり、能力に応じて、1級、2級、3級の3つの等級があります。

3級は誰でも受検ができますが、問われる知識は基本的なものが多く、難易度も高くないため、実務でその肩書きを使用するには物足りないかもしれません。それに対して2級は受験資格があり、2年以上の実務経験を有する者、後述する「AFP認定研修」の修了者、あるいは3級FP技能試験検定合格者のいずれかに該当する必要があります。2級、3級ともに、学科試験と実技試験の両方に合格することが必要となります。

1級も、学科試験と実技試験の両方がありますが、最終的には実技試験に合格する必要があります。学科試験の受検資格は、2級FP技能試験検定に合格しかつ1年以上のFP業務の実務経験を有する者、あるいは5年以上のFP業務の実務経験を有する者になります。実技試験の受検資格者は、1級FP技能試験検定の学科試験合格者、CFP認定者、あるいはCFPの審査試験6科目合格者、のいずれかになります。

合格すると、級に応じて、「○級FP技能士」と名乗ることができます。

次に「AFP」です。これはアフィリテッド・ファイナンシャルプランナーと称される民間資格(日本FP協会の認定資格)であり、級はありません。AFPは、日本FP協会が認定した教育機関が実施する「AFP認定研修」を修了し、2級FP技能検定に合格した後、日本FP協会に登録することで、名乗ることができます。

最後に「CFP」です。これは、サーティファイドファイナンシャルプランナーと称される民間資格(日本FP協会の認定資格)であり、こちらも級はありません。CFPは、AFP認定者になった後、CFP資格審査試験に合格し、CFPエントリー研修を受講・修了し、3年以上の実務経験があれば名乗ることができます。

日本FP協会の認定資格と技能検定の関係(イメージ)

出典:日本FP協会ホームページ
図:日本FP協会の認定資格と技能検定の関係(イメージ)

さらに、AFPとCFPは資格を更新するために、所定の要件を満たす必要があります。

こうしてみると、ファイナンシャルプランナーの資格を取得・維持するためには、筆記試験だけではなく、研修の受講や実務経験が必要になります。そのための費用について、ざっと見ていきましょう。

資格を取得するための費用

資格を取得するための費用は、合格点に達するのに必要な知識を身に付けるための費用と、受検するために必要な費用(受検手数料)に分けられます。そして、合格点に達するためには、相当量の勉強が必要となりますが、その勉強方法は、通学、通信教育、独学に分けられます。

合格点に達するのに必要な知識を身に付けるための費用

通学の費用

予備校に通って知識を身に付ける方法です。講師から直接教えてもらい、仲間と一緒に学べるため、疑問点がすぐに解決し、モチベーションを保てるでしょう。ある大手予備校に通った場合、その費用は3級では20,000 円、2級では100,000円、1級では200,000円前後となっています。なお、2級対策用コースが「AFP認定研修」を兼ねている場合、2級合格後、AFPに登録する資格を得ることができます。

費用には、受講料だけではなく教材費も含まれていますが、直前対策セミナーや模擬試験の費用は別途必要になる場合もあります。なお、職場や自宅からの交通費も費用として考慮しておく必要があります。

費用:
3級:20,000円程度
2級・AFP:100,000円程度
1級・CFP:200,000円程度
その他、通学のための交通費が必要

通信教育の費用

送られてくるテキストやDVDを見ながら自宅で学習する方法です。自分のペースで学習ができ、課題を提出することでフィードバックも得られるため、自由ですが孤独にならずに済むことができるでしょう。費用ですが、「AFP認定研修」を兼ねている2級対策用コースでは70,000円程度、1級、CFPそれぞれで150,000円前後となります。

費用:
2級・AFP:70,000円程度
1級:150,000円程度
CFP:150,000円程度

独学の費用

自分でテキストや問題集、過去問を選択して購入し学習する方法です。もっとも費用を安く抑えることができるでしょう。ファイナンシャルプランナーのテキストは書店でよく見かけることができます。ただし、級が高くなるにつれて試験範囲が広くなり、教材の選択肢も狭まるため、その費用は増加していきます。特にCFPは6科目あり、それぞれの科目に対して教材を揃えると、相当の費用になります。

費用(テキスト+問題集+過去問題集):
3級:7,000円程度
2級・AFP:7,000円程度
1級:13,000円程度
CFP:50,000円程度

受検するために必要な費用(受検手数料)

試験を主催する機関は、日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)の2つがありますが、受検手数料はどちらの機関で受検しても同じです。試験問題は、学科は共通ですが、実技は科目が選択式のためか異なります。

費用となる受検手数料ですが、3級は、学科は3,000円、実技も3,000円で計6,000円、2級では学科は4,200円、実技は4,500円で計8,700円です。1級ですが、学科はきんざいのみ主催しており、その費用は8,900円となっています。実技試験はきんざいで受検する場合は25,000円、日本FP協会で受検する場合は20,000円です。

なお、AFPは2級合格と「AFP認定研修」修了が取得要件です。「AFP認定研修」の費用は、認定機関や受講方法(通学か通信)、2級対策用を兼ねているかどうかで費用は異なります。2級対策用が含まれておらず通学で受講する場合、その費用は25,000円程度です。

CFPは、日本FP協会が主催し、6科目の合格が必要です。受検手数料として、1科目5,400円、6科目同時に受検する場合は27,000円の費用が掛かります。

費用:
3級:6,000円
2級:8,700円
AFP:25,000円程度
1級学科:8,900円
1級実技:20,000円(きんざいで受検)・25,000円(日本FP協会で受検)
CFP:27,000円(6科目同時受検の場合)

資格を維持するための費用

FP技能士には資格更新要件はありません。すなわち、資格維持のための費用はかかりません。しかし、AFPとCFPにはそれがあります。つまり、資格を維持するために費用がかかります。

AFPの資格維持にかかる費用

AFPとして認定されるには、日本FP協会に入会する必要があり、入会費として10,000円、年会費として12,000円の費用が生じます。AFP資格を更新するためには、定められた継続教育期間ごとに15単位以上の継続教育単位を取得しなければなりません。単位としては、FPジャーナルと呼ばれる会報に記載されている継続教育テストへの応募や、研修講座の受講、あるいは執筆活動や講師などが該当します。例えば、講座を受講した場合、種類にもよりますが7.5単位で15,000円程度の費用が生じます。

CFPの資格維持にかかる費用

CFPとして認定される場合にも、日本FP協会に入会する必要があります。AFPと同じで、入会費として10,000円、年会費として12,000円の費用が生じます。ただし、CFPの場合、新規登録時に登録料として5,000円、年会費とは別にCFP会費として年8,000円の納入が必要です。なお、AFPと同じく、資格を更新するためには、定められた継続教育期間ごとに30単位以上の継続教育単位を取得しなければなりません。例えば、講座を受講した場合、種類にもよりますが7.5単位でおおよそ15,000円程度の費用が生じます。

費用(初年度:入会費+年会費):
FP技能士:なし
AFP:22,000円
CFP:13,000円

費用(次年度以降:年会費+継続教育)
FP技能士:なし
AFP:12,000円+30,000円程度
CFP:20,000円+60,000円程度

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実務経験を補うための費用

FPの資格費用

ファイナンシャルプランナーの受検資格として、実務経験があります。FP2級では2年以上、FP1級の学科試験では2級を取得していない場合5年以上、CFPでは3年以上の実務経験が必要です。

どのような経験が「実務経験」として申請できるかということですが、日本FP協会によると、証券会社や保険会社、銀行、クレジット会社などの金融機関に勤めていた経験や、税理士、弁護士、司法書士、行政書士などで資産に関する相談業務に従事した経験が通算2年以上あると、実務経験として認められることがあるそうです。

もし実務経験が全くない場合や不足している場合、認定教育機関が実施する「みなし実務研修」、あるいは日本FP協会が実施するプロフェッショナルFP研修やレジデンシーコースを受講・修了することで、「みなし実務経験」として申請することができます。ただし、実務経験として「みなし実務経験」の申請が有効なのは、CFP試験のみなのでご注意ください。

全く実務経験がない場合でも、「みなし実務経験」を3年分取得することで、CFPの登録資格を得ることができます。その費用は、認定教育機関の場合、おおよそ85,000円程度となっています。

費用(みなし実務研修3年分):
CFP:85,000円程度

モデルケース別費用

次に、ファイナンシャルプランナーの資格取得を目指す先生が、目的とする資格やこれまでの実務経験に応じて、どれくらい費用がかかるかを、モデルを交えてみていきたいと思います。

○モデル1

・ファイナンシャルプランニングの実務経験(2年以上)がある先生が、AFPを名乗るために必要な費用

前職や業務などですでに実務経験がある先生を想定しています。このモデルに該当する先生の場合、AFPを名乗るためのプロセスは以下の通りです。

AFP認定研修(通信:70,000円)
→2級FP技能検定受験(受検手数料:8,700円)
→日本FP協会にAFP登録(初年度:入会費10,000+年会費12,000円)
→継続教育研修(次年度:年会費12,000円+継続教育30,000円)

計:142,700円

実務経験があるため、FP2級の受検資格は満たしています。ただし、AFP登録のためには「AFP認定研修」を修了し、日本FP協会に入会しなくてはなりません.なお、年会費や教育研修費用は毎年生じます。また、実務経験を有していても試験対策が必要ですので、AFP認定研修を利用して知識を整理するのが良いでしょう。

○モデル2

・ファイナンシャルプランニングの実務経験(3年以上)がある先生が、CFPを名乗るために必要な費用

このモデルに該当する先生の場合、CFPを名乗るためのプロセスは以下の通りです。

AFP認定研修(通信:70,000円)
→2級FP技能検定受験(受検手数料:8,700円)
→日本FP協会にAFP登録(初年度:入会費10,000+年会費12,000円)
→CFP試験対策(独学:50,000円)
→CFP試験受検(27,000円)
→日本FP協会にCFP登録(初年度登録料5,000円+CFP年会費8,000円)
→継続教育研修(次年度:年会費20,000円+継続教育60,000円)

計:270,700円

CFP登録の条件としてAFPとして認定されていなければならないので、プロセスはAFP登録までモデル1の先生と同じです。CFP試験は6科目あり、実務経験者といえども試験対策は必要です。

○モデル3

・ファイナンシャルプランニングの実務経験がない先生が「1級FP技能士」を取得するために必要な費用

このモデルに該当する先生の場合、CFPを名乗るためのプロセスは以下の通りです。

AFP認定研修(通信:70,000円)
→2級FP技能検定受検(受検手数料:8,700円)
→日本FP協会にAFP登録(初年度:入会費10,000+年会費12,000円)
→CFP試験対策(独学:50,000円)
→CFP試験受検(受検手数料:27,000円)
→1級FP技能検定受験(受検手数料:25,000円)

計:202,700円

実は、ファイナンシャルプランナーとしての実務経験がなくてもFP技能士1級は取得可能です。FP1級を取得するためには、その実技試験に合格しなければなりませんが、実務試験の受検資格の1つにCFP試験合格があります。

最後に

ファイナンシャルプランナーの資格の概要、取得費用と維持費用についてお伝えしてきました。記事に記載した各費用は一例にすぎませんが、おおよそそれらに必要な費用をイメージできたのではないでしょうか。

しかしながら、資格はあくまでもご自身の能力を証明するための指標。費用をかけて資格だけ取得しても集客ができるとは限りません。せっかく身に付けた能力をうまく活かすために、志師塾のセミナーでWeb集客の基本を学んでみてはいかがでしょうか。

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