Last Updated on 更新日2018.7.3 by
ポストのチラシ、どうしてますか?
あなたのお家のポストに投函されたチラシ、どのように扱っていますか? 自宅の中に持ち込んで、郵便物や検針票は別にして、単なるチラシはそのままゴミ箱へ…としていませんか? マンションによっては集合ポストの近くにゴミ箱が用意されており、投函されたチラシはまったく目を通すことなしに捨てられてしまうことも多いでしょう。
チラシ集客をするためにさまざまなお店や会社が、配布に時間とお金をかけています。それなのに一瞥さえもされずにゴミ箱行きというのは、まったくチラシ集客に繋がることはなく、ムダを発生させているだけです。
では、なぜゴミ箱へ一直線になってしまうのでしょうか。それは、読み手である未来の顧客にとって不利益なものだと考えられているからです。自分に有益なものであるか、無駄なものであるかを顧客は敏感に感じ取っています。同じようにポストに入れられるものでも、宛名という個人を特定したものが書いてある封書やはがきは、一瞥もされずに捨てられてしまうことはないでしょう。
個人名を入れて顧客にとって特別なものに
では、チラシ集客を成功させるためにはどんな工夫が必要なのか考えてみましょう。それは、チラシを読んでくれた人が、自分に向けられたものだと認識をすることの出来るチラシを作ることです。内容が全く同じチラシであっても、「○○様に特別なお知らせです」と手書きで書いてあったらどうでしょうか。
自分のことを知っていてくれる人からのお知らせなんだと、少なくともチラシの存在には気を配ってくれることになります。文章をすべて手書きで書くことは困難でも、○○の部分、つまり顧客の名前だけでも書いてあったら印象がぐんとアップすることになりますよ。
たまたまあなたの事業を求めている人にチラシが渡れば、ビジネスに繋がるかも知れませんが、そんな偶然がそうそうあるわけではありません。そのチラシを保存して、あなたの事業が必要となったときに、チラシの存在=あなたの存在を思い出してもらわなければならないのです。では、あなたのチラシを将来の顧客の記憶に留めてもらうためにはどうしたらよいのでしょうか。
それはチラシを見たとき、つまりあなたがチラシを届けたときに、顧客にアクションを起こしてもらえばいいのです。でも、顧客は簡単にアクションを起こしてくれるわけではありません。顧客にアクションを起こしてもらうためにはどうしたらいいのでしょうか。そのためには、顧客に何らかのメリットを与えるようなチラシである必要があります。
たとえば、あなたが相続に強い税理士だとします。今話題になっている相続税の免税範囲の変更が、どのような影響があり、どのように対策をすれば良いのかについて「簡単なパンフレットを無料でお送りします」とか、「無料でセミナーを受講できます」などのインセンティブを与えることで、まずはあなたにコンタクトを取ることをお薦めしてみましょう。
この顧客のアクション=チラシ集客となるのです。顧客からアクションを起こしてもらうことによって、あなたのことを顧客の記憶に残すことが出来ます。さらに有益な情報が得られたと思ってもらえたら、あなたの事業や会社に好印象を持ってもらえることになります。つまり、本当に必要になったときに、最初に思い出してもらえることに繋がってくるわけです。
一度コンタクトを取ってくれた顧客にとっては、あなたの事業や会社はもう知らないところではなく、よく知っている事業や会社になっているわけです。
繰り返しは必要。しかし、同じものでは嫌われる
そんな一人ひとりをターゲットとしたチラシも、1回の配布ではなかなか効果を発揮することはできません。なぜなら、最初に書いたように、まったく目を通すこともなく、ゴミ箱へ直行させているかも知れないからです。では、2回、3回とチラシを配ればいいのでしょうか。いえ、同じチラシを配っても逆効果になってしまいます。
あなたにも経験はありませんか。毎日のように、同じチラシがポストに入っていると、それを片づける(ゴミ箱へ運ぶ)のが面倒で、そのチラシの配布主を恨みたくなるなんてことが。。。ですから、同じ内容のチラシを繰り返し配ることは、顧客を作るどころか、潜在的な敵を作ってしまうことになりかねません。ではどのようなチラシにすれば、顧客の感情を損ねないものとすること出来るのでしょうか。
1回目のチラシは、顧客にアクションを起こしてもらうことを目的とすることは前に書きました。2回目のチラシは、当然、1回目のチラシでアクションを起こしていただけなかった顧客に配布するものになるわけです。ですから、2回目のチラシには、それを受けた言葉を書くことが必要になります。つまり「お得な情報を逃しているあなたへ」とか、「本当に必要な情報を得るチャンスを逃してしまったあなたへ」などのように、インパクトのある言葉で、有利な情報を逃していることを示すことが必要です。
さらに、「あと○日で無料の情報提供は終了します」など期限を決めることによって、顧客のアクションを促すことも有効です。いつまでも特典が得られるのであれば、「今」アクションを起こさなくてもよいかと思ってしまうのが、人間の性。そして、アクションを起こそうと思ったことを忘れてしまうわけです。
期限を超えると特典が得られなくなることをお知らせすることによって、顧客の素早い行動を促す効果があるのです。
新しい情報の提供で顧客と繋がりを続けよう
こうして顧客からのアクションを促し、コンタクトを取っていただき、顧客にとって知っている事業・会社になりました。しかし、一度だけのコンタクトだけで終わっては、捨てられてしまったチラシと違いがなくなってしまいます。有効なチラシ集客とするために、顧客との繋がりをしっかりと維持していく必要があります。それでは、どのように維持していくのがいいのでしょうか。
コンタクトを取っていただいたことにより、あなたの手元には、顧客の住所やメールアドレス等の情報があるはずです。その情報をもとに、顧客にメリットのある新しい情報を提供していきましょう。定期的に情報をお届けすることによって、すなわちあなたからコンタクトを取り続けることによって顧客との関係を維持していきましょう。
顧客の中にあなたのことが存在続けることで、本当に必要なときに思い出してもらうことに繋がるのです。これまで見てきたように、単に配るだけのチラシはチラシ集客には繋がりません。顧客にとって、特別なチラシであることを分かっていただけるチラシを配り、適切なインセンティブを与えることで、顧客にアクションを取ってもらいましょう。
それをきっかけに継続的にコンタクトを取り、繋がりを維持することで、チラシ集客は効果を発揮することが出来るのです。
文:兵藤 徹(中小企業診断士)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部