Last Updated on 更新日2018.7.3 by
Facebookは他のSNSツールに比べて、ユーザーの年齢層が高く、先生業が対象とする顧客ターゲットが含まれやすいという特徴があります。また、短文のTwitterや写真のInstagramとは異なり、言葉で考えをしっかり伝えられるという点において、先生業との親和性がとても高いツールです。Facebookが提供する様々なサービスの特徴を知り、情報発信のポイントを押さえることで、顧客と関係性を構築して継続的に集客ができる仕組みを作り上げていきましょう。
この記事の目次
Facebook集客に活用できるサービス
Facebookでは先生業と顧客をつなぐのに役立つ、様々なサービスが提供されています。目的やフェーズに応じて使い分けることで、Facebook集客が可能となります。
Facebook集客に活用できるサービス
コミュニティを形成する
先生業において、顧客コミュニティは見込顧客の獲得や既存顧客の満足度において、とても重要です。Facebookで形成できるコミュニティは大きく2種類あります。1つめがFacebookページ(以下「ページ」)でファンを増やす方法、2つ目がFacebookグループ(以下「グループ」)の作成です。
- ページ
ページは、Facebookにログインしていない人でも閲覧でき、Google検索などでも検索対象となります。このため既存顧客だけではなく、潜在顧客へのリーチも可能です。ページに「いいね!」をすると「ファン」と認識されますが、この「ファン」を増やし見込顧客として維持していくことがFacebook集客におけるポイントとなります。顧客からのコメントがあった場合は、素早く返信して信頼感をアップさせていきましょう。
- グループ
質問受付や情報共有などで既存顧客の満足度を向上させ、あなたやメンバーとのコミュニケーションで満足度を高めることができます。本人も知らないうちにグループに追加されていたということがないように、あらかじめ、「Facebookグループを活用して資料共有や質問受付を行います」などの案内を出すか、あるいは参加リクエスト制にしておくといいでしょう。
イベントを作成してFacebook集客を実現
ページやグループで日時を設定してイベントを登録し、「ファン」や「友達」を招待します。招待された人は「参加する」「不参加」「興味あり」を選択することができ、その人とつながった人にも「○○さんは参加予定です」「○○さんは興味があるといっています」と表示されます。これは強力な口コミツールとなり、「友達」の「参加する」を見て申し込んだり、あなたのビジネスを知ったりとFacebook集客を実現できます。難点があるとすれば、「参加する」ボタンは簡単に変更できてしまうことです。
申し込み用のウェブサイトを別で設けておいて、『「参加する」をクリックしてから、以下のURLで申し込みしてください』としておくことで、Facebook集客の拡散力を損なわず、申し込みを確定させる工夫もあります。
Facebook広告を出す
Facebookを使ったことがある方であれば誰でも、ニュースフィードに表示される友達の投稿の間や右側の列に、広告が表示されているのを見たことがあるでしょう。ご自身が「いいね!」をしたり、何かウェブで調べ物をしたりすると、それに関連する広告が出てきて、驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。広告はFacebookページから作成します。ソーシャルアクション(「いいね!」やシェアなど)やウェブサイト訪問などの情報に基づいて、配信先を自在に絞り込むことができます。これにより、最適な顧客層をターゲットに、精度のよい配信を行うことが可能となります。
Facebook集客の効果を高める3つの広告ターゲット設定
Facebookでは広告の配信先を決めるための、3つのターゲット設定(オーディエンス)が用意されています。
カスタムオーディエンス
- カスタムオーディエンスとは、Facebookによると「すでに把握している人をFacebook利用者の中から探し出す機能」です。広告を表示させたい人に表示させることができるため、Facebook集客におけるターゲット精度が向上します。指定の仕方は以下の3種類です。データファイル:指定する電話番号やユーザーIDで絞り込みます。過去の説明会参加者や資料請求者にセミナーの案内をしたいなど、すでに顧客リストを持っている場合に使うことができます。
- ウェブサイトやアプリのデータ:ウェブサイトやアプリで実行された特定のアクションで絞り込みます。どのアクションに特定するかを決め、Facebookピクセルコード(アプリの場合はSDK)と呼ばれるコードを、予めウェブサイトに埋め込んでおく必要があります。
- Facebookでのエンゲージメント:ページで「いいね!」やシェアなどのアクションをした利用者に絞って広告を表示させることができます。①や②のような仕込みは必要ありませんが、普段から、情報発信やコミュニケーションをこまめに行い、ページのファンを獲得しておくことでターゲットが広まります。
コアオーディエンス
コアオーディエンスとは、地域や性別、趣味といったFacebook利用者のアカウント情報を元に広告掲載先を絞る方法です。説明会やセミナーなどを開催する場合に、開催地の近隣市町村を居住地に設定している利用者に広告を出したり、あなたの提供するサービスを必要としていそうな職業や趣味の人に、情報をリーチさせたり、という風に使うことができます。新規顧客の開拓や認知度の向上を目的にしたい場合に有効でしょう。
類似オーディエンス
類似オーディエンスとは、優良顧客と似た傾向を持つ、潜在顧客に広告を届ける方法です。まず優良顧客の一覧から、カスタムオーディエンスを作成します。そして、そのカスタムオーディエンスを元情報とする類似オーディエンスを作成します。この時、類似度を優先するか、リーチ(広告を届ける利用者の数)を優先するかのレベル設定が可能です。
Facebook集客のゴールを設定しよう
上述のサービスや機能を使ってFacebook集客を行う場合、重要なのはゴールの設定です。
ケースA 認知度を高めてウェブサイトへの訪問者を増やしたい
・ウェブサイトへのリンクを記載した広告を活用する
・オーディエンスの設定は、コアオーディエンスまたは類似オーディエンス
・効果の測定は、(広告経由ウェブサイト訪問者数)/(広告表示したオーディエンス数)
ケースB 新サービスの提供が開始するので、既存顧客のアップセルやクロスセルを促すことを目的に、体験セミナーを行いたい
・Facebookページでイベント作成して既存顧客を招待
・個別での声かけも含めてソーシャルアクションを喚起
・効果の測定は、(体験セミナー参加者数)/(イベント招待者数)
というような方法です。Facebook集客は効果測定を行うことまで考慮した上で、ウェブサイトや他SNSでの集客の中でのFacebook集客の位置づけを、事前に定義しておきましょう。
購買ファネル(パーチェスファネル)に応じて発信する
ファネル(funnel)とは「漏斗」という意味で、購買ファネル(パーチェスファネル)とは消費者が商品やサービスを認知してから、購買にいたるまでの行動プロセスにおいて、対象が少しずつ絞り込まれていく様子を示したものです。それぞれの段階で、対象とする顧客層は変わってきます。ページや広告でFacebook集客を行おうとする場合は、購買ファネルの段階に応じたメッセージを発信するようにしましょう。
新規顧客(認知)
新規顧客に対しては、その人の興味を満たしたり課題を解決したりできるのだということを直感的に理解してもらうことが必要です。ウェブには「3秒ルール」があると言われています。人間は、見た情報が自分にとって有用な情報かどうかを3秒で判断しているというものです。人が1秒に読める文字数は、映画の字幕で4文字、静止画で10文字と言われています。伝えたいメッセージは一番目がとまる最初の部分に、20文字以内程度に凝縮して興味を引くようにしましょう。また、広告で新たにFacebook集客を行う場合には、既存顧客は配信先から除外し、新規顧客に絞るようにしましょう。
見込顧客(興味・関心、探索)
a) 興味・関心
見込顧客を顧客にするため、頻度よりも継続的を意識して情報発信を行いましょう。見込み度合いがそこまで高くない段階での強引な勧誘は逆効果です。まずは見込顧客の興味や課題に関連する情報を定期的に提供し、コミュニケーションをはかります。できるだけオリジナルのコンテンツを提供することで、他社との差別化ポイントを訴求することも必要です。また、時に高付加価値のサービスとなる先生業においては、顧客は、「先生は信頼できる人物なのか」、「自分と相性は合うのか」など、過去の投稿や他の顧客の評判を探索しています。ページの更新が宣伝ばかりでは訪問者は減ってしまいます。「先生」としての人間性が伝わるような日常の出来事、既存顧客とのコミュニケーションの様子といった投稿も少し織り交ぜていくとよいでしょう。
b) 探索
オンラインのコミュニケーションで見込み度合いが高まってきた見込顧客に対しては、動機付けをして購買への転換を図りましょう。たとえば、申込特典(割引やプレゼント、人数限定など)を付ける、フロントセミナーへの招待やお試し価格での体験を通じて、オフラインでの関係性を構築するなどの方法が考えられます。
既存顧客(購入)
商品やサービスを購入してくれた顧客には、アンケートやヒアリングで満足度を調査し、顧客のアフターフォローやコンテンツの改善に努めたいところです。一般的に、新規顧客を獲得するためには既存顧客を維持する数倍のコストがかかると言われてます。Facebook集客を活用しているケースでは、既存顧客の囲い込みができれば、Facebookでの「いいね!」やシェアでよい評判を拡散してもらえることも期待できます。また契約したサービスへの満足度が高まれば、より上位のサービスや関連サービスの購買に繋がり、顧客が最初の契約から終わりまでの期間にもたらす顧客生涯価値を高めることができるからです。
インサイト昨日を活用しFacebook集客効果を高める
ページ:利用者がオンラインの時間帯に投稿する
見込顧客や既存顧客を対象にFacebook集客を行う場合、利用者がFacebookオンラインの時間帯にページ更新を行うことで、閲覧してもらえる確率が高まります。ページ上部にある「インサイト」をクリックし、インサイトページ左側「投稿」の中の「ファンがオンラインの時間帯」セクションで、最適なタイミングを確認しましょう。
ページ:投稿ごとのリーチを確認する
Facebookにどれだけ優れた機能が用意されていたとしても、Facebook集客が最初から抜群の効果を上げるとは期待しない方がよいでしょう。利用者の反応を見ながら、よりよい方法を探っていかなくてはいけません。投稿に対する利用者の反応状況は、ページ上部の「インサイト」をクリックして下にスクロールすると、利用者に表示された数や投稿に対するアクション状況が集計されたものを確認することができます。反応をこまめに確認しながら、投稿の内容、時間帯、頻度などを最適化しFacebook集客効果を高めてください。
さいごに
Facebookをこれからはじめようとする方には、ページや広告の機能が多く、横文字ばかりで難しく感じられるかもしれません。しかし、Facebookの管理画面は、設定項目などもわかりやすく、直感的な操作で作成できるように工夫されています。解説本をくまなく読むより実際に作成した方が、理解が進むこともあります。ぜひアカウントを取得して一度試してみていただきたいと思います。
文:鱧谷 友樹(中小企業診断士)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部