図表を使ったアイデア発想法

Last Updated on 更新日2018.7.3 by

困っていませんか アイデア発想法

こんにちは。早速ですが皆さんはアイデア発想法について悩むことはないでしょうか。「課題をどのように解決に導いていくのか。クライアントや上司に共感を得られるストーリーになっているのだろうか。」友人の中小企業診断士(彼は定年退職後に診断士になって開業したばかりです。)もそんな悩みを抱えていました。

聞いてみると、「ロジカルシンキングは勉強した。フレームワークも使い方はわかってきた。だが、分析の仕方や、レポートのまとめ方に随分迷っている。」と話してくれました。そこでフレームワークとは少し違う、図表を使うアイデア発想法について話をしたところ、大変喜んでもらえました。皆さんにもその話を少し聞いていただきたいと思います。

図表を使うアイデア発想法とは

アイデア発想法といえば、データをカードに書いて、カードをグループごとにまとめるKJ法や、集団で議論をしながらでアイデアを出し合うブレインストーミングなどと並んで、フレームワークは有名です。ロジカルシンキングの研修では必ずテーマとして取り上げられますし、フレームワークを紹介する本もたくさんあります。SWOT(強みと弱み、機会と脅威という切り口を示して内部と外部の環境を表すキーワードを集める)や3C(顧客と競合他社、それに自分の会社を分けて経営課題を考える)、PPM(経営資源の最適配分を考える)などはよくご存知だと思います。

でもフレームワークも万能ではありません。フレームワークを使わなくていい、ということではありません。フレームワークと一緒に使って、より効果的に問題解決できるアイデア発想法を皆さんにご紹介します。それが「図表を使ったアイデア発想法」です。
勉強

多くのフレームワークはモノの見方、切り口を提供してキーワードを集めたり分類したりする道具です。SWOTや3Cはまさにキーワードを収取する手伝いをしてくれます。PPMは、資金を生み出す事業と資金を投資する事業を区別するために有効です。でもそうやって集めたキーワードや事業をどのように分析したら良いのでしょう。この悩みを解決するのが「図表を使うアイデア発想法」です。

わかりやすい例で言います。お料理をするときにどんな材料がいいか考えるやり方、「ある地域の食材を使って料理をするので、肉、魚貝、野菜と食材を探していく」のがフレームワーク。「焼くのか、炒めるのか、煮るのか、生で食べるのか、調理法を考える」のが図表です。フレームワークはキーワードを集め、分類する道具。図表は分析をパターン化し、可視化する道具と言うことができます。

では、どのようなパターン化の方法があるのでしょう。「ストラクチャードコミュニケーション協会」が図表を5つに分類しています。それは、並列、階層、集合、比較、関係です。
「並列」はいくつかの要素を分類したり順に並べ、「階層」は要素を上下の関係に、「集合」は個々の要素が交差したり包含したりする関係を示します。「比較」は文字通り様々な尺度で比較し、「関係」は相互の関係性と時間の経過による変化を表します。
図表

「図表を使ったアイデア発想法」を使ってみる

「図表を使ったアイデア発想法」はどのように使うのでしょうか。先程の友人は中小企業診断士になる前、定年後をどのように過ごすか考えました。その時の発想の流れを振り返りながら図表にしてもらいました。

「図表を使うアイデア発想法」事例①並列
彼は定年後の働き方を書き出してみました。継続雇用で会社に残るのか、別の会社に転職するのか、それとも独立するか。ボランティアという道も考えました。定年後の働き方を順番に並べた図です。どんな働き方があるのか、まずは並べてみる。これも図表を使うアイデア発想法のひとつです。

「図表を使うアイデア発想法」事例②比較
次に働き方の違いを整理するためにこんな絵を書いてみました。経済的な収入と組織内か独立志向か。どの様な価値観に自分は惹かれるのか。これはフレームワークにもあるポジショニングマップですね。実はフレームワークにも図表化するものもあります。
ポジショニングマップ

ここでは紹介しきれませんが「図表を使うアイデア発想法」で他にも書いてもらいました。
定年後どの様に働くのか、悩みの変化を時系列に整理した図【推移】では、考えがどの様に変化をしてきたか分かり易くなりました。
やりたいこととできること【集合】は要素同士の関係性が見えて箇条書きより分かり易くなりました。「サラリーマン時代の経験のうち何がプロとして通用するのか一番悩んだ」と彼は振り返ります。そんな時この図表を使えば判断が早くなったと思います。

診断士に登録した後、一人前になるためのステップ【階層】も書いてみました。これから身につけるべきスキルやノウハウをどのように獲得するか3年間の基本計画ができました。
会話
図表を書き終えた後、彼は言いました。「このアイデア発想法を知っていたら決心するのも早かった。何よりうちのカミさんに、私がどんなことに興味があるか、なぜ独立して働きたいのか分かってもらうが余程楽だった。」そうです。「図表を使ったアイデア発想法」のもう一つの良いところは相手に理解してもらうのも易しくなるということです。直感的に理解できる「図表を使ったアイデア発想法」を使えば奥様だけでなく、中小企業診断士としてクライアントに彼の提案を理解していただくのもずっと楽になるでしょう。

以上が「図表を使ったアイデア発想法」の概要です。アイデア発想法に図表を使う方法はたくさんの本で紹介されています。ぜひ身につけてみてはいかがでしょうか。

文:山口 良明(中小企業診断士)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部

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