駆け出しの税理士が顧問契約獲得するための営業方法

現在、全国の税理士登録者数は、右肩上がりで増加しています。日税連発行税理士界の発表によると、2018年11月末日時点での資格別税理士登録者数は77,327人。ここ20年間で約22%増加しています。税理士業界は、顧問契約の獲得競争が激化しており、自ら営業をしないと新規顧客獲得が厳しい現状です。
しかし、事業承継や消費税改正、所得拡大税制など、税理士を必要とするニーズも多くあります。開業して間もない税理士でも、自身の強みを活かした営業活動をすることで、顧客獲得することは十分可能です。本稿では、税理士業界の今と、駆け出し税理士でも顧客獲得出来る営業方法についてご説明いたします。

競争が激化する税理士業界

冒頭でも説明した通り、税理士業界は競争が激化しており、開業後から3年以内に廃業する税理士も少なくありません。競争が激化する理由は3点挙げられます。
(1)日本国内の企業数減少
 2017年版中小企業白書によると、2009年時点で国内に420万社あった企業は、2014年には382万社と減少しており、顧客となる企業自体が減ってきています。また、起業後10年間で約3割の企業が退出しており、廃業・解散による顧問契約解除などのリスクもあります。
(2)ディスカウントセールス
 税理士が提供するサービスは以下が中心です。
①月次監査
②記帳代行
③決算書作成
④税務署等への申告業務
⑤税務調査立ち合い
中でも「記帳代行」は、人件費の安い海外勢の参入により付加価値を付けづらいサービスになってしまっています。また、税理士の独占業務である「税務署等への申告」も格安価格で代行する税理士も増えてきており、価格面での訴求した営業は難しい現状です。
(3)税理士登録制度
 税理士の資格は、税理士試験に合格してから登録する以外に、弁護士や公認会計士の資格があれば、試験免除で登録する方法があります。そのため、他の士業が税理士登録するケースが増えており、税理士登録者増加を助長しています。

営業を仕掛ける前に準備すること

税理士業界で新規顧問契約を獲得するためには、営業活動は必要不可欠です。ターゲットを絞り、上手に営業を仕掛けていく必要があります。ターゲットを明確にする為の手法を説明いたします。
(1)自身の経験を棚卸し
 まず、自分の強みを明確にするために、自身の過去を棚卸していきます。
・資格やスキル(※税理士合格科目、他の士業の資格やスキル)
・実績(※経験した職種・執筆・講演会など)
・実体験による経験など
 これらを、紙や付箋に書きだしてみましょう。書き出した資格や実績などを組み合わせて、自身の強みとなる要素や、競合と差別化できる要素を検証していきます。
(2)ドメイン(事業領域)の明確化
税理士事務所を開業し、自身の強みを活かした事業を継続していく為には、ドメイン(事業領域)を明確にする必要があります。ドメイン(事業領域)を明確にするする手法として、エイベルが提唱した3つの軸を類型化する考え方があります。
・顧客層
・機能
・技術
つまり、「どのような顧客層を対象にし、その顧客にはどのようなニーズがあり、そのニーズに応えるにはどのような技術が必要か」といった観点で、ドメインを定義していきます。例えば、事業承継のニーズに応える税理士事務所を想定した場合は、
・顧客層(事業承継の悩みを抱える経営者)
・機能(事業承継の申告等支援と経営者のサポート)
 ・技術(相続税・贈与税に関わる適切な税額算出とスムーズな税務申告)
等と組み合わせていきます。ドメインを定義するテクニックの一つとして、是非活用してください。
(3)ターゲット・マーケティング
 ターゲット・マーケティングとは、ドメイン(事業領域)の中からターゲットを絞るために行うマーケティングの手法です。ターゲット・マーケティングは、①市場細分化「セグメンテーション」②標的市場の設定「ターゲティング」③市場ポジショニング「ポジショニング」の順にターゲットを絞っていきます。

①市場細分化「セグメンテーション」
事業領域内で、より具体的にターゲットを絞り込むために、市場細分化「セグメンテーション」を行います。市場を細分化するためには、基準を設定する必要があります。基準を設定する代表的な例に、地理的基準・人口動態基準・心理的基準・行動基準などがあります。
中でも、税理士業界で使用しやすい基準は、人口動態基準です。人口動態基準とは、年齢・ライフサイクルの段階、性別、所得、学歴、世代、などの人口動態的な要素です。

②標的市場の設定「ターゲティング」
 ①で市場細分化したセグメントごとに評価をしていき、潜在的なニーズや、自身の強みを活かせるセグメントを一つ一つ検証していき、更に細分化していきます。そのうちの1つ、または1つ以上の市場セグメントを選択します。
細分化していく方法の一つとして、理想的な顧客像「ペルソナ」を仮に設定して考えるとイメージしやすくなります。
例えば、「東京都八王子市で切削加工業を営み、事業承継の悩みを抱える60代の男性経営者」というように具体的に、実在している可能性が高い「ペルソナ」を設定すると良いでしょう。

③市場ポジショニング「ポジショニング」
②で設定したセグメントに対して、自社のブランドや提供サービス内容がセグメント内でどのようなポジションであれば、差別化できるかを検討します。ポジショニングをするテクニックとして「ポジショニングマップ」使用した考え方があります。ポジショニングマップとは、ある市場に存在する商品やサービスが、その市場においてどのような位置付けにあるのかを、2つの軸を使って検討する考え方です。2つの軸の決め方に決まりはなく、色々当てはめて検討します。

①~③の手順を繰り返し、ターゲット・マーケティングのシナリオを検討し、自分ならではの事業領域を見出していってください。

顧問契約を獲得するための営業手法

ここからは、具体的な営業手法の例をご説明いたします。
(1)講演会やセミナーの実施
 ターゲットに、認知されるきっかけとして開催する講演会やセミナーは、一定数の効果が期待できます。セミナーを通してターゲットの悩みの一部を解決できれば、ターゲットからの信頼が増し、先生と生徒との関係が構築できます。そこからターゲットからの悩みを聞き出し、解決していくために顧問契約する流れも期待できます。
(2)名刺の活用
名刺は、名前、所属、連絡先、過去の実績など自身を表す営業ツールです。講演会やセミナー開催後も、ターゲットに思い出してもらうためには、名刺の活用は不可欠です。必ずターゲットに名刺をお渡ししましょう。
オーソドックスな手法ですが、名刺を渡したターゲットから、新たな相談や仕事の話につながるケースも多くあります。
(3)インターネット上での情報発信
 営業活動は、講演会やセミナー等のオフラインだけではなく、ホームページの開設やSNSでの情報発信などインターネットを活用したオンライン上での営業活動も大きな効果をもたらします。インターネット上であれば、全国に活動エリアを広げることが可能となり、一定数の認知も期待できます。ターゲットに情報提供コラムや、お悩み相談、自身をブランディングする為のホームページを作成するなど、ターゲットに合わせてインターネットを活用しましょう。
(4)書籍等の執筆
 書籍の執筆は労力に対しての報酬が少なく、自費出版は多額のコストがかかることもあります。しかし、執筆された書籍は立派な営業ツールになります。宣伝活動をしなくても、書籍を手に取った方から連絡が来る・講演会やセミナーの依頼を受けるといった機会が増えるかもしれません。機会があれば、是非チャレンジしてみてください。

営業活動で大事なことは、「ターゲットに対して、複数の営業方法を組み合わせる」ことです。複数のメディア、オンライン・オフラインにまたがって営業活動することにより、より多くの人にアプローチができ、興味を持ってもらえる可能性が高くなります。

いかがだったでしょうか。今回は、税理士業界の今と、新規顧客獲得が出来る営業方法について説明しました。今後、営業活動に役立てていただければ幸いです。

文:内田喬也/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部

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