顧客から選ばれる社労士になるためのマーケティング

社会保険労務士として独立したばかり、あるいはこれから独立予定の先生方の中には、どのように顧客を増やしたらいいかお悩みの方も多いと思います。
一口に顧客と言っても、あなたがサービスを届けたいのは、どのような顧客でしょうか。具体的に思い浮かんでいますか。ターゲットを設定せず、とにかくたくさんの顧客と顧問契約をしたい!というだけでは、効率よく売り上げを伸ばすことは難しいかもしれません。
ここでは、独立社労士が顧客を獲得し安定経営を行う方法をマーケティングの観点からご紹介します。

なぜマーケティングが必要なのか

マーケティングの基本は、「誰に」「何を」「どのように」提供するかを考え、実践することです。サービスを届けたいターゲットを明確にし、そのターゲットのニーズに合ったサービスを提供し、顧客の満足度を高めることがマーケティング活動です。
独立社労士が顧客を獲得するためには、このマーケティングの観点が必要です。それには以下のような理由があります。

(1)サービスの差別化を図るため

現在、約42,000人の登録社労士がおり、様々なサービスを提供しています。(平成30年10月末現在の会員数は 開業23,969人、法人の社員2,407人、勤務等15,578人)また、最近では「働き方改革」が推進されているため、他士業の先生が労務管理や人事のコンサルティングに参入してくるケースも多いようです。今後、社労士の競争環境はさらに厳しくなっていくでしょう。そんな中、漠然と営業するだけではあなたの提供するサービスは埋もれてしまいます。多くの先生の中から自分を選んでもらい、取引を継続してもらうためには、「誰に、何を、どのように」届けるかを明確にし、ターゲット顧客に「これは自分に必要なサービスだ」と納得してもらう必要があるのです。

(2)限られた経営資源を有効活用するため

どんなに優秀な人でも、業務に費やせる時間や労力は限られています。特に、新人のうちは実務的なスキルが未熟な方も多いことでしょう。そのような状況で、あれもこれもと手を広げていると、あなたの経営資源が分散してしまい、専門性が深まらず顧客を満足させるサービスを届けることができません。確実に顧客をつかむためには、具体的なターゲットを設定し、その分野に特化したスキルを獲得するために経営資源を集中させることが大切です。

(3)安定した事務所経営を行うため

売り上げを安定的に確保するためには、適正価格で受注することや、企業と顧問契約を結ぶことが有効です。
サービス価格を下げて顧客数を増やす戦略はあまりお勧めできません。価格を下げてしまえば多くの顧客を確保しなければ売り上げが維持できず、かかったコストすら回収できなくなる恐れがあります。また、価格だけを差別化のポイントにしていると、もっと低価格のサービスが登場した場合にすぐに乗り換えられてしまうでしょう。
安定した事務所経営を行うためには、マーケティングを行い顧客のニーズにマッチしたサービスを届けることで、以下のサイクルを確立することが理想的です。
①顧客の満足度を高める
➁適正価格で長く契約してもらう(顧問契約)
③新たな顧客を紹介してもらう

ターゲットを定めよう

社労士の業務は労務管理に関することなので、マーケティングの「誰に、何を、どのように」のうち「何を」の部分に当たるサービス内容はある程度決まっています。ですから、社労士のマーケティングの第一歩は、「誰にサービスを提供するのか」を明確にすることです。このターゲットが決まれば、顧客に合ったサービス内容(何を)や、宣伝方法など(どのように)がより明確になり、狙った顧客にサービスが届きやすくなるのです。
では、どのような基準でターゲットを定めるのかいくつかご紹介します。

(1)専門性を生かせる分野

あなたの職務経験や専門性などの強みを生かせる分野に注目しましょう。社労士の資格を取得する前に経験したことのある業種はありますか。例えば、飲食店経営にかかわってきた経験があれば、飲食業界をターゲットにするなど、自分の経験から事情がよく分かっている業種はターゲットとしておすすめです。

(2)コネクションを活用できる分野

社労士が顧客を獲得するルートとして多いのが「紹介」です。過去に仕事で取引のあった人や、他士業との連携で紹介を見込める分野をターゲットにするのもおすすめです。例えば「建設業界に強い税理士さんからの紹介を見込める」というのであれば、その分野でのサービスに特化することが効率よく売り上げを増やすポイントになります。

(3)社会的な需要の高まりが期待できる分野

現時点での専門分野やコネクションだけでなく、今後、社会的な需要の高まりが期待できる分野を軸にターゲットを定めることもできます。例えば、深刻化する高齢化や人手不足の問題に注目し、シニアや外国人労働者の人材活用を専門に扱うサービスを提供するとします。その場合、これを必要とする人手不足の業種をターゲットにすることができます。例えば、外国人材の活用を希望するサービス業をターゲットとした場合、企業側へ外国人材活用の方法について研修を行ったり、人材のマッチング、採用、労務管理を一元的にサポートするなど、ニーズに合ったサービスを展開することができます。また、同じ悩みを抱える企業からの依頼が増えれば、ノウハウが蓄積されるため、あなたの専門性も高まるでしょう。

特定の業種に強くなるメリット

ターゲットを設定し、特定の分野を強みにすることで以下のようなメリットがあります。

(1)業界に詳しくなることで質の高いサービスを提供できる

あなたがターゲットとする業種について深く勉強し、業界のトレンドや専門用語に詳しくなれば、経営者と対等に話せるようになります。すると、顧客の深い悩みやニーズに気づき、一緒に解決策を考えることができます。
例えば、業界特有の健康保険組合の活用や、建設業の労災保険の特別加入などを提案することもできるでしょう。
また、助成金、補助金などの活用にも有利です。公的な施策の情報は、日頃からアンテナを張っておかないと一般の企業には届きにくく、十分に活用できていないケースが多くあります。そこで顧客が活用できそうな施策を常にチェックして紹介し、申請のお手伝いをすると喜ばれます。
こういった知識や経験を積み重ねることで、経営者や労働者の気持ちに寄り添ったきめ細やかな専門サービスを提供することができます。

(2)紹介による新規顧客の増加

顧問先に満足度の高いサービスを提供できれば、同業者の方を顧客として紹介して頂けるようになります。口コミや紹介で顧問先が増えるようになれば、集客に必要な労力を本来の労務管理の業務に充てることができますし、広告宣伝費の節約にもなるので効率的です。
また、顧客側もホームページなどで社労士を探すより、知り合いから紹介された社労士の方が安心できるのでお互いのメリットになります。

(3)講演、セミナー、執筆活動への展開

特定の分野に強くなることで将来的に業界からの仕事を受注できる可能性もあります。「○○を専門にやってきました」という実績をうまくアピールすることで、あなた自身のブランド力を高めることができます。
例えば、理容・美容業界の労務管理を専門にやっている社労士が、業界団体の主催する研修の講師をしたり、業界紙の記事の執筆を依頼されたりすることもあるでしょう。あなたの豊富な経験やノウハウが、顧問先だけでなく業界の役に立つのです。

(4)付加価値の高いサービスが可能になり価格競争を回避できる

一般的な給与計算や申請手続きの代行業務は、サービス内容の差別化が難しく、価格競争に巻き込まれる恐れがあります。しかし、付加価値の高いサービスで顧客から信頼を得ている場合や、専門知識を生かした活動で自身のブランド力を高めることができれば、価格ではなく中身を評価してもらえます。「ぜひあなたに仕事をお願いしたい」と顧客から指名してもらえるよう、顧客の役に立つ自分にしかできないサービスを追求していきましょう。

いかがでしたでしょうか。マーケティングの観点からターゲットを設定し特定の分野に強くなることで、社労士としての強みが差別化されます。ある分野の専門家として経験や知識を深め、顧客から頼りにされる社労士を目指しましょう。

文:横井ゆきえ(社会保険労務士・中小企業診断士)/編集:志師塾「ビジネス百科」編集

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