資格がなくてもカウンセラーになるには何をすべき?

心理カウンセラー、キャリアカウンセラー、スクールカウンセラー・・・。カウンセラーと名のつく職業は他にも多くの種類があります。学生時代に不登校やいじめの現場にあったり、社会においても周囲とのコミュニケーションに悩んだりした方も多いでしょう。

社会においては人口減少やIT技術の発展を受け、企業は収益確保の手段を、増員による生産量増加から、一人当たりの生産性向上に頼らざるを得なくなっています。どの業界・企業においては高い生産性が求められ、労働者は業務に集中して高い成果を上げることが必須とされています。
また、スマホの普及などのITツールの進展は、いつでもどこでも仕事ができる環境を作り出しています。移動時間などの隙間時間を利用してメールチェックをしたり、休日に顧客からの電話を受けたりしたことある方もいらっしゃるでしょう。常に「仕事への臨戦態勢」を維持していることで、人々は知らず知らずのうちに「疲弊社会」の住人へと移行しているのです。

そのほか、人々の価値観は多様化しています。個性の尊重は、ある面では人間関係の希薄化に繋がります。特に若者を中心に、相手のプライベートに踏み込むことをよしとしない傾向も進んでいます。

このような背景もあり、人々がインターネットなどを通じて見知らぬ他人に悩みを相談する機会も増えています。以前に比べ、プロであるカウンセラーに支援を求めることも一般的になってきました。カウンセラーのニーズは年々高まっているといえるでしょう。

カウンセラーに資格は必要?

カウンセリングが身近になったことで、カウンセラーという職業に興味を持つ方もいらっしゃるかと思います。カウンセラーになるには、どのような手段があるのでしょうか。

未経験の方がカウンセラーになるには、カウンセラー養成講座などに通うのが手っ取り早いといえます。全国各地で心理カウンセラー、メンタルカウンセラーなど、カウンセラーの名前を挙げた民間のスクールや講座が数多く開催されています。
たしかに資格があったほうがクライアントからの信頼性は高まります。各種のスクールや講座は資格関連団体が運営しているケースが多いことから、それらの団体を通じ、カウンセラー案件の紹介を受ける機会も増えます。スクールを卒業することで、より短期間でカウンセラーとして仕事をすることが可能だといえます。

しかし、本来「カウンセラー」は資格ありきの職業ではありません。「私はカウンセラーです」と名乗れば、その日から誰もがカウンセラーになることができるのです。
ここでは「資格がないけれどもカウンセラーになりたい」「学校に通わずにカウンセラーになるにはどうしたらいいか」とお考えの方に、スクールに通わず、資格をとることなくカウンセラーになるための方法をお伝えします

カウンセラーとしての活動領域を設定する

カウンセラーとして仕事を始める前にしなければならないのが、ターゲット層や専門などの活動領域の設定です。
ターゲット層・専門は、どのようなクライアントに対し、どういったカウンセリングをするのか、どんなカウンセラーになりたいのかというイメージを元に決めます。
これらのイメージは、もともと皆様が「カウンセラーになりたい」と思ったきっかけにヒントがあるかもしれません。そのほかに、これまでのさまざまな経験から、活動領域を決めることをお勧めします。

具体的に決めるのは、下記のような内容です。

 誰にカウンセリングをするか

カウンセリングをする相手であるクライアントが「どんな人物か」ということを決めます。クライアントの年齢層や性別、仕事、どのような環境にいる人か、などをイメージしましょう。

どのようなテーマでカウンセリングをするか

恋愛や結婚、就職活動や転職・キャリアアップなどの仕事関係、ご近所付き合いや家族・親戚・友人などとの人間関係、クライアント自身の心など、カウンセリングの専門分野・得意分野を決めます。

 どのようにカウンセリングを行うか

一般的なカウンセリングは対面で行われますが、ツールとして電話やメール、SNSなどを使うことも想定されます。
電話やメールは遠距離のクライアントに対してもカウンセリングができ、双方の居住地に縛られないというメリットがあります。家から出ることができないクライアントは、自宅でカウンセリングが受けられることにメリットを感じるかもしれません。

一方で、電話やメールを利用したカウンセリングは顔が見えない相手と対応することになるため、対面カウンセリングに比べ情報量が少なくなります。スカイプを利用したオンラインカウンセリングは電話・メールに比べリアルタイムで話ができますが、細かな表情の読み取りや、画面に表示されていないところの情報を得ることができず、対面カウンセリングの情報量には及びません。
また、メールやSNSを利用したカウンセリングでは、文字を中心としたやり取りになります。クライアント自身もカウンセラーの意図を読み取りにくくなるほか、文章が保存され後まで残るため、文章の読み取り方によってはクレームに繋がりやすいともいえます。
カウンセリング手法については、想定したターゲット層にニーズがある手法やご自身が得意な手法を採用することをおすすめします。

収益性も念頭において

カウンセラーとして独り立ちすることを考えるのであれば、想定単価も念頭に置くことも重要です。

たとえば、女子高校生や女子中学生の恋愛カウンセラーとして仕事をする場合、若いクライアントに1時間当たり5,000円という費用を請求することは、カリスマカウンセラーにならない限り難しいでしょう。
一方で、経営者向けのメンタルカウンセラーであれば、提供するサービスによっては1時間当たり1万円という単価でのカウンセリングも可能になります。

そのほか、対象となる顧客の絶対数や顧客関係の継続性についても留意しましょう。上記の例であれば、女子高生の人数は大変多いため、経営者をターゲットとするよりもクライアントを見つけやすいともいえます。
しかし、女子高生が5年後、大学生や社会人になったときに悩みを恋愛カウンセラーに相談する可能性は高いとはいえません。年齢を重ね自身で解決できるようになったり、別の解決策を見つけていたり、あるいは恋愛の悩みそのものがなくなっていたりする可能性もあるからです。経営者向けのカウンセラーであれば、信頼関係の構築により、クライアントとのお付き合いが10年、20年となることも考えられます。

このように、カウンセラービジネスを行ううえでは、収益性について検討することも重要になります。

活動領域はできるだけ絞る

さて、みなさんの活動領域はどのように設定されたでしょうか?ここまでに挙げた要素を掛け合わせることで、「30代独身女性への恋愛カウンセラー」、「小学生を持つ親への教育支援カウンセラー」、「企業経営者を対象としたメンタルカウンセラー」、「SNSで相談できる、人間関係をうまく築けない人への心理カウンセリング」といった活動領域、活動テーマができたと思います。

可能であれば、活動領域の範囲はできるだけ絞ったほうがよいでしょう。
例えばカウンセリングの領域を「30代独身女性への恋愛カウンセラー」と設定したと仮定します。さらに領域を絞ることで、「お金持ちと結婚したい30代独身女性の恋愛カウンセラー」や、「30代で恋愛未経験の女性への恋愛カウンセラー」などの活動領域が考えられます。

「活動領域を狭くするとクライアントが少なくなり、収入に繋がらないのでは・・・」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。たしかにクライアントを「女性」と絞れば、男性を顧客とする機会は減ります。

では、少し考えてみましょう。皆さんなら、次の2名のカウンセラーのうち、どちらのカウンセラーを信頼するでしょうか。
カウンセラーAさん:「私はあらゆる人のどんな悩みの相談にも寄り添います」
カウンセラーBさん:「これまで恋愛に悩む30代の女性をサポートしてきました」

クライアントが恋愛に悩む30代女性であれば、間違いなくBさんにカウンセリングを依頼するでしょう。特定のサービスを希望している人に、「オールマイティ」は必要ないのです。すべての人を顧客にする必要はありません。顧客がカウンセラーであるあなたを必要としてくれればよいのです。

カウンセラーとしての力をつける

次に、カウンセラーとしての力量について考えてみましょう。
カウンセラーとして仕事をしていくためには、当然ながら、見合ったカウンセリングスキルが必要です。カウンセラーとしての実践経験がない方は、自分で機会を見つけながら、カウンセリングスキルを身につけていかなければなりません。なお、すでにカウンセラーとしてのスキルや実績に自信があるのであれば、この項目は飛ばしていただいてもかまいません。

カウンセリングスキルは、日々の生活を通じて身につけることも可能です。
独立前で、現在会社に勤務している方であれば、勤務先でのメンター業務に携わったり、率先して後輩の相談に乗ったり、飲み会などで同僚や上司の話を聴くような「擬似カウンセリング」の機会を作ることができるでしょう。
仕事をしていない主婦の方も、家族や友人、ママ友へのカウンセリングを行うつもりで日々の会話をしてみましょう。そのほか、NPOなどでカウンセリングボランティアを募集しているケースもあります。アンテナを張ると、カウンセラーの経験を積む機会が意外と多くあることに気付くでしょう。

これらの擬似カウンセリングにおいては、クライアント役である相手の表情を観察しながら会話をするように心がけましょう。意識的に会話を進めることで、これまで気付かなかった話し方や身振り手振りの癖、相手の感情の揺らぎやちょっとした表情の変化を感じ取れるようになってきます。
自分自身においても、無意識の口癖や考え方の癖に気付くでしょう。クライアント役の協力が得られるのであれば、相談内容を録音して聞き直してみましょう。客観的に録音を聴くことで、口癖や話し方、考え方の傾向に気付きやすくなります。
このような口癖や話し方、考え方の癖は思い込みに通じ、カウンセリングに悪影響を与えます。できるだけ早く癖を直すように心がけましょう。

カウンセラー案件の受注につなげるためには

カウンセラーとして実績を積みながら、最初に設定したテーマをもとに、キャッチコピーをつくりましょう。
「恋愛に悩む30代女性を幸せな結婚に導くカウンセラー」、「お母さんも子どもも毎日笑顔に!小学生の子を持つ母の悩みに寄り添う子育てカウンセラー」といった感じです。
名刺にタイトルをつけることで、皆さんは「専門家」としてクライアントから認知されます。

独立カウンセラーとしてのサービス紹介ホームページの製作や、SNSでの広報もこの時期から始めていきましょう。ブログなどを通じた情報提供の継続も必要です。

カウンセラーとして実績を積む

さて、ここからは「プロのカウンセラー」として実績を積んでいきましょう。独立カウンセラーになるためには、この段階以降で失敗はできません。
今後は名前を出して、実際にクライアントからお金をいただきながらプロとしてカウンセリングを行っていきます。費用は「キャンペーン」や「モニター」として多少割引してもかまいませんが、代わりにカウンセリングの口コミや評価について回答してもらいます。この段階では「実績作り」をすすめていくのです。

クライアントがいない、という方にはオンラインカウンセリングサービスやスキルマッチングサイトにカウンセラーとして登録することで、クライアントを獲得しやすくなります。良質なカウンセリングは高い評価の口コミに繋がるため、顧客獲得の好循環に繋がります。

同時にホームページやSNSに、クライアントからの感想や評価を掲載していきます。
サービスメニューや問い合わせフォームなども設定し、新規受注ができる環境を作っていきます。これらを繰り返しながらこつこつと活動をしていくことで、確実に実績数は増え、サービスとしての信頼度も向上していくでしょう。

まとめ

カウンセラーになるには、必ずしも資格は必要ありません。しかしながら、全くの独学でカウンセラーになることはお勧めしません。当初はカウンセラー自身の人柄や経験に基づくカウンセリングで評価や信頼を得ることができるでしょう。しかし、人の心というのは深く、難しいもの。経験に基づくカウンセリングでは限界がでてきます。
適切な対応ができなければ、クライアントの状況を悪化させることになります。最悪の場合、クライアントがその生涯を自分自身で終わらせてしまうということもありえるのです。カウンセラーとは、とても難しい仕事なのです。

プロとして活躍しているカウンセラーは、業務の合間に自分に合った分析手法や心理療法を学び続けています。クライアントを支援し続けるためには、心理学の知識や傾聴・分析スキルを学んでいくことが重要です。そのほか、スーパーバイズを受けるなど、客観的な視点で皆さん自身のスキルを判断してくれる人の存在も必要になってくるでしょう。
すばらしいカウンセラーになるためにも、経験という狭い視野にとらわれずに、幅広い知識を学んでいくようにしましょう。

文:浅葉名津美(中小企業診断士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部

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