【卒業生インタビュー】 最高のコミュニケーションツールとしてのゴルフの普及へ ~株式会社KAZUゴルフプランニング 中村和哉さん~

Last Updated on 更新日2019.10.29 by

某大手ゴルフスクールでレッスンプロとして研鑽を重ね2000年に独立、株式会社KAZUゴルフプランニングを創業した中村和哉(なかむら かずや)さん。現在はゴルフスクール経営、ゴルフスタジオ経営、ゴルフ指導者派遣、ゴルフスクール設立コンサルティング、経営者向け「仕事のゴルフデビュー講座」、ビジネス交流会へのゴルフコミュニティー構築支援など、ゴルフを軸に幅広く事業展開し、4ヶ所のゴルフスクールと400名もの生徒を抱えています。
独立からこれまで二度あったという危機を乗り越え、現在のご活躍に至るまでの軌跡をご紹介します。

ゴルフを軸に多彩な事業展開

2000年に中村さんが創業した株式会社KAZUゴルフプランニング。ゴルフスクール経営に留まらず、
ゴルフ指導者派遣、ゴルフスクール設立コンサルティング、経営者向け「仕事のゴルフデビュー講座」、ビジネス交流会へのゴルフコミュニティー構築支援など多彩な事業を展開しています。ゴルフは、「ビギナーの方はご遠慮ください」がゴルフ場の基本姿勢であり、一人で始めるにはハードルの高いスポーツです。中村さんは、初心者でも楽しめることを大切にすることで、仕事でゴルフが必要となる経営者含め多くの生徒から絶大な支持を受けています。

ゴルフとの出合い 〜プロを夢見て〜

中村さんのゴルフとの出合いは、小学校6年生の頃から父親にゴルフを習い始めたことがきっかけです。本格的に始めたのは父親の転勤で北海道に住み始めた高校生の頃でした。家の近くのゴルフ場でキャディのアルバイトを始め、所属プロから教わり始めたことでメキメキと上達。その年の北海道高校ゴルフ選手権で優勝し、プロを夢見るようになります。当時、大学への進学コースにいながら両親の反対を押し切り、ゴルフ場にプロ研修生として就職します。

ゴルフ指導者として開花

プロを目指して競技に打ち込んでいたものの、身体の故障などで自分の競技成績が上がらない中、24歳の時に先輩の勧めで東京のゴルフスクールでレッスンを始めます。すると、人に教える適性が開花し、瞬く間にスクールの業績トップになります。なぜ早々に業績トップになれたのでしょうか。当時中村さんは、他の指導者と比べ、プロの資格を持っていなかったことがコンプレックスでした。その分、お客様向けサービスや集客で差別化をしていました。スクール周辺地域で出勤前にポスティングをしたり、インドア以外の練習場へお客様を連れて行くなど楽しむ企画を実行したり、工夫と努力を重ねていました。そして29歳の時にプロ資格も取得し、技術面でも自信をつけていきました。

独立後の経営危機を救ったインターネットによる集客

5年間のインドアゴルフスタジオの店長経験を経て、いよいよ34歳の時に株式会社KAZUゴルフプランニングを創業します。
しかし、独立時はバブル景気が弾け、デフレ景気に世の中が突入した時代。ゴルフ参加人口も減少し、当初は集客に苦労しました。資金も尽きかけ、もうだめかと思われた2002年のタイミングで、国のインターネット施策の後押しもあり、各家庭にブロードバンドが普及しました。当時、中村さん自身がホームページを作れたこともあり、当時はまだ珍しかったインターネットによる集客を始めましたがどこの練習場に営業に行っても「ホームページなんかでお客が来るわけないだろう!!」と笑われる時代でした。その後、ブロードバンドの普及によりホームページが認知されるようになり、体験受講の問い合わせが爆発的に増えました。

少人数制ゴルフスクールで差別化

独立後は、バブル景気の時代では主流だった60分12名以上というお客様にとってコストパフォーマンスの悪い団体レッスンではなく、60分定員3名の超少人数制ゴルフスクールを創設しました。指導者1人で丁寧に教えることができる定員人数にしたことで、顧客満足度が高まりリピーターが増えました。
このようなサービスの差別化が口コミとリピートを呼び、月に70人近い体験レッスン受講者がスクールに来場するようになりました。その後、6年間で15ヶ所、在籍生徒数800人に達するスクールにまで成長しました。

不当な顧客引き抜きによる二度目の経営危機

生徒数増加に伴い、会員付加価値を設けるためにゴルフクラブをカスタマイズするアッセンブリー事業を始めたものの失敗してしまいました。その後、リーマンショックの影響やインターネットも当たり前の世の中になったことで業績が低迷し始めます。会社の業績が下がり始めると離れていくスタッフも出てくるのが世の常です。自社のレッスンプロ4人が170人という大量顧客を不当に引き抜き、独立するという事態が起こりました。引き抜きにより売上が3分の1も減り、以降の数年間は社員の雇用を守るために自身の資産を取り崩した時期もあったほど経営不振が続くどん底期でした。

事業立て直しに向けた試行錯誤と志師塾との出合い

二度目の経営危機を経験し、長年にわたり顧客と同時に指導者も育てながら作ってきた会社がこんなにあっさりひっくり返されるようでは、この先の成功などありえないと中村さんは考え、集客導線や事業創造のあり方を試行錯誤しました。2014年より大手フィットネスクラブへのゴルフ指導者派遣やゴルフスクール設立のコンサルティング事業を開始し、静岡県浜松市にある2つの企業から「初心者専門のゴルフスクール設立」というコンサルティングの依頼が入ります。指導者の求人から地元のゴルフ場との提携までスクールシステムの構築支援を行い大成功に導くことができました。さらなるコンテンツ創造のために、中村さんは2017年1月に志師塾WEB集客講座の28期生となりました。

志師塾の仲間の協力も得た経営者向けゴルフ講座作り

志師塾で学ぶ傍ら、経営者や士業の方を対象に「仕事のゴルフデビュー講座」というたった3カ月でコースデビューが実現できるカリキュラムを作りました。6回の講座を受けるだけで誰と回っても迷惑をかけないゴルフができるようになる、他にはない講座です。ゴルフというのは一般的には初心者が敬遠されがちな珍しいスポーツです。コースに出る楽しさを味わってもらうために、2時間15分でハーフラウンドを回るための特別ルールを作り、早々にラウンド体験ができるプログラムとしました。また、粗相を引き起こさないための仕事のゴルフに必要な54通りのプレーマナーを構築。「目配り」「気配り」「心配り」の観点から、分かりやすくまとめて指導しました。志師塾の仲間達がテスト生として参画し、実際に3か月で効果が表れたことを確認し、2018年4月に「仕事のゴルフ塾」として事業を開始しました。

志師塾から始まったゴルフコミュニティー作り

志師塾卒業生の集いの中のゴルフコミュニティー作りを手掛け、2017年5月に第1回目コンペを開催しました。2019年9月には第5回目の開催を迎えます。初心者と上級者が一緒になって楽しめる今までになかったゴルフコンペの噂を聞きつけ、現在では異業種交流会「TEX」(経営者50名在籍)、経営者ビジネス交流会「守成クラブ新東京セントラル」(経営者200名在籍)、「銀座倫理法人会」(会員200名在籍)のゴルフ部設立と運営を預かる他、他団体、他会場からのゴルフ部設立依頼が後を立たなくなりました。

志師塾で得られた気づき

ゴルフを通じたビジネスコミュニティー作りの道に進むきっかけは、志師塾でコミュニティー作りの大切さを気づかされ、運営スタイルを変更したことでした。
それまでの18年間は、開催場所を借り、宣伝広告費をかけて集客し、顧客を育成して育った暁には楽しむ場所(コミュニティー)を提供するというスタイルでした。今は、先に楽しむ場所(コミュニティー)を作り、あらゆるゴルファーを募り、その後にその顧客が求めるコンテンツを与えていくスタイルに変更しました。
他にも、講義を通して集客方法の動向を学ぶことができ、日々顧客ニーズに合わせて成長している志師塾自体も成功モデルとして参考にできたので、志師塾で得たものは大きかったそうです。

運営スタイルの変更からの黒字化

顧客を長い期間かけて育てても、引き抜きやゴルフを辞めたりすると何も残らなくなります。コミュニティーを作ると、お客様も楽しくなり、ゴルフが仕事上必要なものとなるので継続しやすくなります。コミュニティーには多くの見込顧客が既にいるため、レッスン開催場所の選定や指導者の登用も楽になる他、集客導線が日本各地に点在するビジネス交流会になるので、今後の多店舗化も見込めるようになりました。
コンサルティング事業、仕事のゴルフ塾、ゴルフコミュニティー構築支援といった試行錯誤しながら生まれた事業のお陰もあり、現在はようやく黒字化しました。

ゴルフは仕事に役立つ最高のコミュニケーションツール

中村さんにとってゴルフとは、仕事に役立つ最高のコミュニケーションツールだといいます。
日米首脳会談では、ゴルフというツールを通じて多忙を極める両首脳が5時間も同じ時間を過ごしています。プレーを通じて人柄も理解でき、仕事上繋がりたい人と仲良くなる機会も生まれます。ゴルフは言葉のいらないコミュニケーションだといえます。
技術だけを教えるゴルフスクールは世の中に多くあっても、仕事で必要なコミュニケーションやマナー含め教えるゴルフ講座は、中村さんだからこそできる差別化されたコンテンツです。今後は、これからの時代に合った事業といえる経営者向け講座やゴルフコミュニティー構築支援の拡大に力を注ぎたいとのことです。

ゴルフコミュニティーを通じた日本全国へのゴルフ普及へ

今後は、現在ゴルフコミュニティー運営を支援する4ビジネス交流会を結ぶ都心一等地に自社所有のゴルフスタジオを設立し、経営者が気軽に集えるゴルフコミュニティーを設けたいとのことです。ゴルフコミュニティーを通じた日本全国へのゴルフ普及を目指します。
次に、後進の育成です。現在ゴルフレッスンは概ね男性プロの職域は確立されてきていますが、まだまだ女性プロの地位や職域は劣っているのが現状です。接客性において優れている女性プロを登用したスクールビジネスを確立していくとともに、人材育成のための女性ゴルフ指導者の専門学校創設など夢を実現したいとのことでした。
わずか10年で半分以下の市場規模に縮小し、参加人口も3割に減少してきているゴルフ業界。業界が輝きを取り戻すためには経営者の方々にもっとゴルフの素晴らしさを理解してもらい、仕事に役立つ最高のコミュニケーションツールとして必要性をトップダウンで普及していくことが、1番の近道だと語られました。そのために、初心者でも楽しめるゴルフ環境作りを大切にしたいといいます。

前向きな姿勢と自分にしか出来ない事業作りが事業継続のコツ

最後に、中村さんから起業を検討している人に向けたメッセージを頂きました。
1つ目は、独立すると経営が落ち目になることもありますが、常に目線は前にして何でも出来ることをやって欲しいということです。実際に中村さんも二度の経営危機においても諦めず試行錯誤し、何でもチャレンジすることで乗り越えてきました。
2つ目は、自分にしか出来ないことをする、つまり差別化をするということです。世の中を先駆けてのWEB集客、少人数制スクール、経営者向け講座、コミュニティー作りと、集客や事業で差別化をしてきたことが現在の中村さんの成功に繋がっています。

文:地引 智美(中小企業診断士)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部

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