ファイナンシャルプランナー、マーケティングの考え方とは?

マーケティングは企業にとって、ビジネスを行う上で欠かすことができない活動です。それはファイナンシャルプランナーの先生にとっても例外ではありません。著名な経営学者であったピーター・ドラッカーによると、マーケティングの理想は「売り込みを不要にすること」です。つまり、マーケティングは売れる仕組みを作り上げる活動だといえます。マーケティング活動を上手に行うことで簡単に集客し、高単価の案件を受注するファイナンシャルプランナーの先生がいる一方、集客すら苦労している先生も多くいます。本記事では、ファイナンシャルプランナーである先生に、マーケティングの方法をご紹介します。

顧客を定義する

ビジネスの目的は「顧客の創造」です。顧客の創造に欠かせない基本的な活動がマーケティングです。そしてマーケティングの基本は顧客志向です。顧客志向とは、顧客のニーズを満たすことをビジネス活動の起点にするという考え方です。
 顧客志向を考えるうえで、最初に確認しておくべき重要なことが2点あります。まず、先生にとって顧客は誰になりますか。顧客を定義せずに、顧客を深く理解することはできません。次に、なぜ顧客は先生のサービスを購入するのでしょうか。数多くのファイナンシャルプランナーが存在する中で、なぜ先生が選ばれるのでしょうか。先生の価値が明確でないと、顧客は先生を選ぶ理由を見つけることができません。

 マーケティングでは、「顧客の定義」を、セグメンテーションとターゲティングという方法を使って考えます。そして、「先生が選ばれる理由」を、ポジショニングという方法を使って考えます。具体的な行動を行う際、マーケティング・ミックスという方法を使って活動します。この記事では、「顧客の定義」および「先生が選ばれる理由」について述べていきます。まずはセグメンテーションとターゲティングについて考えてみましょう。

セグメンテーションで顧客を絞り込む

セグメンテーションとは、1つの市場において、同じ製品やサービスに対して異なるニーズを持つ顧客のグループを見つけ出すことです。つまり、何らかの指標をもとに顧客を分類して絞り込みを行います。その理由は、顧客のニーズは多様であるため、すべてのニーズを満たすようなサービスを提供するのは難しいからです。しかし、顧客を絞り込みすぎた結果、ニーズが少なくなってしまうとビジネスにはなりません。顧客を広げすぎず、絞りすぎない顧客のグループを上手に見つけ出すことが必要です。

 しかし、何も手がかりがないような状態で、顧客をグループに分類することは困難です。そこで、セグメンテーションに用いることが多い代表的な変数であるセグメンテーション変数を利用しましょう。セグメンテーション変数には、地域や都市規模などで分類する地理的変数、年齢や性別、家族ライフスタイルなどで分類する人口統計的変数、社会階層(上流階級・労働者階級など)で分類する社会文化的変数、製品やサービスに求める知識(専門家向け・素人向けなど)や革新度で分類する心理的変数、使用量(少量・多量など)や使用者状態(初めて利用・定期的に利用など)で分類する行動的変数などがあります。

ターゲティングで顧客を定義する

 ターゲティングとは、セグメンテーションによって分類したグループに属する顧客がもつ様々なニーズのうち、どのニーズを満たしていくかを決めることです。すなわち、具体的な顧客のイメージを描き、その人の悩みを洗い出します。この記事ではその顧客を「小人」と言い換えます。

 先生がビジネスをすでに展開している場合、既存顧客を小人に据えるとイメージをしやすくなるかもしれません。その中でも、特にこれからも付き合っていきたい顧客を選ぶとよいでしょう。もし、先生が開業間もない状態で既存顧客がいない場合、小人をイメージすることが難しいかもしれません。その場合は、問題に直面して悩んでいた過去の自分を想像して小人にしてみましょう。

 さらに小人のイメージを具体化するために、小人の基本情報や口ぐせなどを考えてみましょう。基本情報では、セグメンテーションによって分類した属性を利用します。小人の名前、年齢、業種、会社、部門、年収、居住地、家族構成、学歴などが相当します。次に、その人がよく口にする言葉を考えてみます。あるいは、よく使うスマホのアプリや、雑誌は何でしょうか。具体的に紙に書き出してみることで、小人のイメージをより具体化することができます。小人の生きている時間を頭の中で再現してみると、小人の抱える問題が浮かんできます。

 例として、ファイナンシャルプランナーの先生の小人をイメージしてみましょう。小人の名前は小林太郎さん40歳。パート勤めの妻と小学生の子供1人の3人家族で、神奈川県に在住しています。大学卒業後、ITエンジニアとして都内の大企業に勤務してきました。一方、独立志向があり、終業後に起業セミナーに参加し、フェイスブックで情報交換を行うなどしてスキルアップに努めています。しかし個人事業主になると、これまで会社から源泉徴収された税金や年金を自分で納めなくてはなりません。企業型確定拠出年金で放っておいた資産運用も、どうするか考えなくてはなりません、という具合です。小林さんが抱えている悩みを徹底的に洗い出して、さらに具体化してみましょう。

先生が選ばれる理由を考える

セグメンテーションとターゲティングで、顧客を定義しました。次に、ファイナンシャルプランナーである先生が、顧客から選ばれる理由を考えてみましょう。どうして、小人は多くのファイナンシャルプランナーの中から先生を選ぶのでしょうか。

ポジショニングで選ばれる理由を考える

ポジショニングとは、先生のサービスが競合他社のそれとは全く異なる独自なものとして顧客に理解してもらうために、先生の立ち位置を決めることです。つまり、無競争状態であり顧客に選ばれる独自の場所を見つけ出す作業に相当します。無競争状態を作り出すのですから、競合と同じポジションではいけません。そのポジショニングを構築するためには、「一点集中」であること、その分野の「No.1」であること、「一番乗り」であること、が必要です。

 まず「一点集中」では、訴求するポイントを絞ることで顧客にインパクトを与えます。例えば、「一人娘を持つ父子家庭のためのファイナンシャルプランナー」や、「横浜市在住DINKSの家計見直しに特化したファイナンシャルプランナー」などが考えられます。ポイントを絞ることで、小人をそのサービス対象が自分であることを認識させるのです。次に「No.1」ですが、これは先生がNo.1になる条件を作り出すという考え方です。既存のカテゴリーでNo.1になる必要はありません。例えば、「東京都江戸川区の中小企業製造業経営者の資産運用相談件数No.1ファイナンシャルプランナー」や、「八王子市内における夜間の開業時間数No.1のファイナンシャルプランナー」などが考えられます。そして「一番乗り」ですが、これは先生が一番乗りであるとことを、周囲に認知させるという考え方です。実際に一番乗りである必要はありません。

 一点集中、No.1、一番乗りで先生のポジションを確立させたら、ポジショニングマップを作りましょう。ポジショニングマップは2軸の対立軸からなるマップです。2軸には、セグメンテーションで考えた変数や、先生の持つスキルを当てはめてみましょう。そして、先生と競合のポジションをマップに記入します。競合とポジションが分かれていれば、無競争状態を作り上げることに成功です。そうでなければ、まだ絞り込みが不足しているということです。

 ポイントを絞ることで商談の機会が減ってしまうことを恐れてはいけません。絞らなければ小人は先生を選ぶ理由を見つけることができないからです。なんでもできることは、なにもできないことと同義です。まずはあなたのサービスを小人に認識してもらいましょう。そして、小人との関係性を構築した後に、先生のサービスを広げることができれば、この心配は解消できます。

 それでは、ファイナンシャルプランナーの先生のポジショニングを考えてみましょう。ターゲティングで考えた小人である小林さんにインパクトを与えるポジショニングは何でしょうか。まず、小人は独立志向ですので、「独立志向が強い・弱い」を軸として考えてみます。次に、先生が資産運用に関するスキルが深ければ、「資産運用に積極的・消極的」という軸を考えてみます。すると、先生のポジショニングは、「独立志向が強い×資産運用に積極的」になります。ポジショニングを確立することで、他のファイナンシャルプランナーとの競争を避けることができるでしょう。

選ばれる理由をわかりやすく伝える

先生のポジショニングが確立したら、それを小人に認識させることが必要です。小人にわかりやすく伝えるためにはどうすればよいでしょうか。それをサポートするツールが、肩書、キャッチコピー、プロフィールになります。

 まず、先生のポジショニングを一言で表現しましょう。先生の肩書は何でしょうか。ここで、先生が「ファイナンシャルプランナー」と資格名のみ答えても、小人は先生が自分の悩みを解決してくれるサービスを提供してくれるとは認識しません。肩書には、ポジショニングの軸を使ってみましょう。例えば、「独立志向専門資産設計アドバイザー」や、「40歳の起業家資産運用サポーター」などです。専門領域と一般名称を組み合わせると、小人に伝わる肩書を作ることができるでしょう。

 しかし、短い肩書だけでは、先生の価値は十分に伝わりません。小人に興味や関心を持ってもらうために、肩書に沿えるキャッチコピーを作成しましょう。キャッチコピーには、先生のサービスを受けるメリットを提示することや、説得力を増すために具体的な数字を見せること、あるいは小人を振り向かせるためのメッセージを含ませることが有効です。例えば、「独立後の資産運用に苦労しないための3つのポイント」、「都内に勤めるITエンジニア向け」など、肩書を補完し、小人を振り向かせるキャッチコピーを作成してみましょう。

 3つ目は、プロフィールです。プロフィールは、先生自身の説明書です。ただし、先生が書きたいことだけを書いても小人には伝わりません。先生の考え方に共感してもらうようなプロフィールが必要です。そのためには、先生のストーリー、理念やビジョンをプロフィールに含めることが有効です。先生がどのような体験をしてきて、どうしてこのサービスを提供するに至ったか、そして将来どのような構想を持っているのかを小人に訴えることができれば、サービスの価値を伝えることができるでしょう。

最後に

この記事では、ファイナンシャルプランナーのマーケティングをお伝えしました。具体的には、顧客を定義し、先生が選ばれる理由を構築する方法についてご紹介しました。顧客に選ばれない先生は、受注のために価格を下げざるを得なくなるでしょう。また、営業に時間を費やすことになり、サービスコンテンツの作成やブラッシュアップにかける時間がなくなってしまいます。
志師塾では、この記事でご紹介した先生のポジショニングを構築する講座や、Webを使った集客ノウハウを伝える講座を開催しています。志師塾で、仲間とともにマーケティングに取り組み、売り込みをしなくても高単価な案件を受注できる仕組みを作り上げませんか。

文:大谷 周平(中小企業診断士)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部

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