知識を結果に、結果を習慣に ~株式会社ラーニングモア PDCA研究所 代表取締役 山口伸一さん

株式会社ラーニングモア PDCA研究所 代表取締役の山口伸一さんは、セミナープロデューサーとして国内コンサルティング会社でセミナー事業の企画・営業・運営に奔走し、数々のヒットや定額制クラブなどの新規ビジネスを生み出してきました。そして、2013年からはご自身の会社を立ち上げ、PDCAのセミナー講師としても活躍されています。
今回、志師塾の卒業生でもある山口さんに、現在のお仕事やそこに至る経緯、志師塾との出会い、今後の展望などを伺いました。

現在のお仕事:知識を結果に、結果を習慣に PDCAの普及に奔走

―現在のお仕事について教えてください。
株式会社ラーニングモア PDCA研究所という会社で代表取締役を務めています。業務内容としては、人事担当者向けの社内研修の立案、PDCA研修の実施、研修講師育成、セミナー会社向けのコンサルティング、販促セミナーの企画・運営などです。

―どのような方とお仕事をされているのでしょうか。
「評判も集客も良いセミナーを増やしたい」という主催者と「もっと役に立つ、分かりやすくて面白いセミナーをしたい」という講師の架け橋になるような活動をしています。自らが研修講師として、社会人の方向けにセミナーの壇上に上がることもあります。
現在は学んだ知識が成果につながるように、PDCAをベースにした研修に力を入れています。

社会人としての経緯:乳製品の営業から、セミナー企画で才能開花

―社会人として、これまでどのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか。
早稲田大学を卒業したのち、最初に入社したのが森永乳業です。食品会社の営業職として、車体に大きく「クリープ」と書かれた黄色い車で様々な場所を駆け巡っていました。商店街のイベントで全ての景品を森永の製品で独占し、売上を大きく伸ばしたこともあります。
その後、会社に在籍しながら慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS:Keio Business School Marketing)に2年間通学させてもらい、MBAを取得しました。そして本社に戻ってチーズや練乳などのマーケティング担当になったのですが、違う世界を見たくなって、35歳のときに住友ビジネスコンサルティング(現:SMBCコンサルティング)に転職しました。

―35歳で転職したのち、どのようなお仕事をされてきたのでしょうか。
転職先では、セミナーの担当となり、企画・営業・運営、収益責任まで一人で完結するスタイルが肌に合っていました。まずは、誰も担当したがらない物流のセミナーに挑み、「トラック運賃の決め方とコストダウン」「物流予算の作成のポイント」「実地棚卸しと在庫管理の基礎実務」などを企画して、ビギナーズラックでしょうか、いきなりヒットに恵まれました。
入社2年目に、他の3名の企画担当が全員、辞職し、セミナービジネスを一人で背負うことになってしまいました。不安もありましたが、業界初となる、セミナーの確定日付が入った年間ガイドを顧客に配布したところ、セミナー顧客を大幅に増やし、赤字部門の黒字化に成功しました。
その後、いろいろな講師とヒットセミナーを生み出しました、忘れられないのは、「主任・係長の実務」という毎回集客が悪く赤字だったセミナーです。てこ入れとして、営業の人気講師、箱田忠昭先生を説得し、「中堅社員!あなたがやらねば誰がやる」のタイトルで開催したところ、申込を受け付けるFAXが壊れるくらいの大ヒットになりました。ダイレクトメールを配付すると「キャンセル待ち」が多数出て追加開催の連続となり、まさにドル箱でした。他のセミナー団体も追随し、競合から各地の商工会議所まで展開され、現在でも人気コンテンツです。
現在セミナーや研修で活躍している有名講師にも「箱田先生のセミナーで講師になろうと思った」「箱田先生と同じSMBCで講師が出来るのは嬉しい」「箱田先生のセミナーを録音して文字に起こして暗記した」など密かに多大な影響を与えています。
今でも箱田先生はパーティで私を紹介するとき、「僕を儲けさせてくれた恩人です」と言ってくれるのです。照れますが、とても嬉しいです。
思い返すと、時代のニーズをつかんだテーマを選定し、ちょっとひねったセミナータイトルをつける才能が私にはありましたね(笑)。

―セミナーの運営方法については、どのような工夫をされたのでしょうか。
2010年に新規ビジネスとして「定額制クラブ」という新制度を立ち上げました。リーマンショック後、企業が軒並み研修費を削減するなかで行きついた運営方法です。企業が月々、定額を支払うことで、外部のプロ講師による対象セミナーを何回でも受講できる(1つのセミナーにつき5人まで)、という制度で、これは受講いただく顧客企業、企画する主催者(SMBCコンサルティング)、そして講師の三方にとって嬉しい、非常に優れたビジネスモデルでした。
顧客企業からすると、社員の細かなニーズに応えられ、他者のメンバーと情報交換も出来る、そして何より定額制なので年間の研修費を予算化しやすくなりました。主催者にとっても、年間プログラムをホームページに掲載するだけで良いので、最もコスト比率の大きい販促費を一挙に削減でき、さらに親会社である銀行の営業リソースを使って効果的に顧客を開拓することができました。そして、最も感謝されたのは外部講師の方からです。多くの力のある講師を発掘し、ここから有名になられた講師も少なくありません。
このようにして、優秀な外部プロ講師とも関係を深めつつ、階層別・分野別に毎年セミナーのコンテンツを充実させていきました(※)。
※ SMBCコンサルティングでは2018年度現在、年間1500本以上のセミナーを開催しています

独立に至った経緯と独立後の活動

―充実した活躍をされるなか、どのようにして独立に至ったのでしょうか。
当時の会社での活動は充実していました。22年間で7,000本近いセミナーを企画し、500名以上のプロ講師の方々と一緒に延べ32万人の受講生を集客することができました。一方で、銀行の子会社という枠組みから離れ、もっと広い視野で良いセミナーを世の中に広めるため、独立を決断しました。それまでの経験と実績から様々なプロ講師の方々との人脈もあったので、それらをさらに活かしたい、という想いもありました。

―独立後はどのようなことを中心に活動されていますか。
定額制セミナーは、一流の講師と実践的なプログラムを好きなときに受講できる画期的システムと自信を持って営業していましたが、セミナーや研修の力を認めない経営者や人事の幹部がいました。「研修やセミナーで成果が上がるの?」と問われると、「上がりますよ」と断言したいのですが、嘘はつけないので「上がる場合もあれば、上がらない場合もあります」と答え、断言できない自分に歯がゆさを感じていました。
確かにどんなに実績のある講師が、分かりやすく心を揺さぶる話をして、参加者の「やる気」を引き出し、「スキル」を伝授しても、成果が長続きしないことがありました。「良い話を聴いた」「参考になった」と感想文やアンケートを記載して「終了」となってしまうこともありました。
この問題にずっと悩み、考え、本を読み、いろいろな人の話を聞き、組織を調べるうちに、PDCAのシステムがあるかないかで研修・セミナーの効果が劇的に違ってくることに気づきました。現在は、誰でも確実に知識を実行して結果を出し、習慣とするPDCAトレーニングの普及に奔走しています。トレーニングは、まず、一人で1日から始め、1週間、1か月と増やしていき、最終的にはチームのPDCAを回すスキルを習得します。
新入社員研修の講師を長年担当してきた経験を活かし、2015年には、『入社1年目で頭角を現す人、沈む人』という書籍も上梓しました。この書籍でも、PDCAを毎日コツコツと積み重ねていくことの重要性や、具体的な手法についてもお伝えしています。

志師塾で得たものと今後の展望

―志師塾にはどのようなことを期待して入られたのでしょうか。
自分自身のPDCAを回すため、「Web集客講座」に申し込みました。講師業は、経験を積み、先生と呼ばれる立場になるとCheckが甘くなります。「人には厳しい」のに実際、自分に甘く現状維持で満足してしまいます。
筋力トレーニングで筋肉を作るには力を出し切ったときの「あと一回」だと言われています。そのひと押しをするのに、志師塾に申し込みました。
志師塾での講義や課題を通して、自分のミッションを言語化し「志」を磨き上げることができましたが、講師の方の親身で実践的アドバイスと、同じように成長しようと志す仲間との助け合いや競い合いがあったのも大きかったですね。

―志師塾で実際に学んだもの、得たものはどのようなことでしょうか。
ふたつあります。ひとつは自分のものの見方がそれまでよりも多面的になったことです。自分で信じていた強みが他者には響かないことや、隠していた弱みが強みとなる視点があることに気づきました。
もうひとつは、塾長の五十嵐さんが常に強調する「志」です。「好きを仕事にする」「多くの人に良い影響を与える」ことについて、これほど考えたことは過去にありませんでした。言葉を選び、組み立て、沸騰して余分なモノを蒸発させ、結晶化したのが「志」です。「志」があれば、個人の目標が他者に伝わり、組織が出来ます。
「志」を教え、志師塾として組織で「志」を実践している五十嵐塾長の姿には自然と頭が下がります。

―今後の山口さんの展望をお聞かせください。
PDCA研修は、知識が行動になり、自身の学びになり、組織の業績向上に結びつきます。どこの組織も、振り返りや改善等をやっていると仰いますが、自分たちの評価は甘くなりがちです。また、個人では自信をなくして必要以上に悩んで自信を喪失している人もいます。
個人と組織を活性化するためにも、PDCAを回す仕組みを伝えること、定着させることには大きな意味があります。PDCAを回す仕組みづくりを、志師塾の仲間とやっていきたいですね。
最後に、社名の「ラーニングモア」という言葉には続きがありまして、「Learning more is Getting more」つまり「学べば多くが得られる」のです。そういった学びに繋がる活動を、今後はより一層広げていきたいと考えています。

文:北村 和久(中小企業診断士)/編集:志師塾「先生ビジネス百科」編集部

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